田中 滋也先生(日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医)にインタビュー
勤務医時代から研究を続けているてんかん・頭痛を中心に、健康をサポート
脳神経外科の医師を目指したのは、同じく脳神経外科の医師である兄の薦めがきっかけです。実際に脳神経外科に進んでみると、その奥深さに魅了されました。脳の分野には、今も解明されていないことがたくさんあります。科学者の方々が一つずつ解明してくださっていることを知るのはとても興味深いですし、今後のさらなる発展にも期待しています。
また、臨床研究で力を注いでいたのは「頭痛」です。頭痛で受診される患者さまのお話をお聞きしながら、頭痛の種類に応じた薬の選定や、組み合わせ、頭痛を予防するための方法などを研究していました。頭痛を誘引する天候やストレス、食べ物や睡眠の研究もしましたね。
てんかん・頭痛に関しては、今もライフワークとして学びを続けています。例えば、頭痛でお困りの患者さまに対し「画像検査では問題ありませんでした」と伝えるだけでは、患者さまの問題を解消することはできません。これまでの研究をもとに、症状や状況に応じた緩和方法をご提案できるよう努めています。
お話を聞く際にもう一つ大切にしているのは、訴えられている症状の原因に、別の病気が隠れていないかどうかを見逃さないようにすることです。患者さまから病状や生活習慣などをすべて事細かにお話しいただくことは難しいと思いますので、気になることがあった際はこちらからポイントとなることを尋ねるなどして、漏れがないようにしています。また、詳細な検査をするための機器・設備面の充実化にも力を入れています。
複数の選択肢の中から、症状・原因に応じた治療法を見極め、緩和を目指す
治療は主に抗てんかん薬を使って行いますが、抗てんかん薬にはさまざまな種類があります。そのお薬により、発作を抑えるメカニズムや作用などが異なりますので、患者さまの発作の種類などに応じて使い分けています。また、私の勤務医時代と比べると、お薬の種類は増えています。より良い治療結果に導けるよう、そういった新しい情報を取り入れ、勉強していくことも大切にしています。
治療は、天候や月経周期などに影響を受けているかどうかといったこともお聞きし、その症状・誘発原因に応じたお薬を処方しています。睡眠習慣やストレス、食生活など、日常における頭痛を回避するためのアドバイスにも力を入れています。
実は私自身も、片頭痛の薬を飲んでいる一人です。同じように片頭痛を抱える者として、お薬に関する不安や、日常生活におけるつらさなど理解できる部分もあるかと思いますので、頭痛にお悩みでしたら気兼ねなくご相談ください。
またそのほかに、数は少ないですが脳卒中や、メニエール病を原因として起こるめまいもあります。そのため、そういった重篤な病気が隠れていないかどうかの鑑別を詳細に行うようにしています。
医師の方々との情報交換・研鑽により、知識のブラッシュアップに努める
そういった医療分野における発展に期待するとともに、医師として、新しい治療法や薬の使用法などの情報収集に努めていきたいですね。また、新しい治療法も含めたさまざまな選択肢の中から、患者さまがより良い治療法を選べるよう、患者さまへの丁寧なご説明・情報発信にも力を入れていきたいと考えています。
勤務医時代と違い、開業医は個人で判断し診療を行うことがほとんどです。常に新しい知識を取り入れていくことで、より良い治療を患者さまに提供していきたいと思っています。
皆さまと信頼関係を築き、困ったことがあった際に気兼ねなく相談していただける存在になれれば幸いです。遠慮なく、ご相談にお越しください。