佐藤 雅子先生(日本眼科学会認定 眼科専門医)にインタビュー
生活の質向上を重視し、アレルギー性結膜炎や緑内障の治療に尽力
また、物が見えにくい、文字が読めないといった症状は生活の質(QOL)を著しく低下させます。疾患が進行したり、事故を起こしたりしてしまってからでは手遅れなので、「健診で眼科の受診を勧められた」「最近、物が見えにくくなってきた」という場合は早めに医療機関を受診してほしいとお伝えしています。
治療は主に点眼薬を使用しますが、患者さまの負担を軽減できるよう、なるべく点眼回数が少ないものを処方しています。
もちろん、季節性のアレルギー性結膜炎だけでなく、ダニやハウスダストが原因となる通年性アレルギー性鼻炎にも対応していますので、目に違和感があったら早めにご相談いただければと思います。
また、自覚症状がなく、健診などで眼圧が高いと指摘を受けて受診される方は大勢いらっしゃいます。そのような場合、気づかないうちに進行している可能性があるため、定期的な通院をお願いしています。自発的に受診していただけない方に対してはクリニックから電話を差し上げるなど、緑内障で悩む方を減らせるよう尽力しています。
継承後も手術に携わり、患者さまの負担軽減や医学情報のアップデートに尽力
複数の病院で勤務していましたから手術に注力している医師をたくさん知っていますし、どの先生がどのような疾患に特化しているかも理解しているつもりです。そのため、患者さまに手術が必要だと判断した場合には、一人ひとりに合った医師・病院をご紹介することが可能です。
私は、手術先の病院選びは気を付けて慎重に行っています。医師と患者さまという立場以前に人と人ですので、性格や考え方にはもちろん違いがあります。患者さまの性格やお気持ちを考慮したうえで、一人ひとりに合った病院を紹介できるよう努めています。手術内容に関する説明や術後の経過観察を当院で対応することも可能ですので、気兼ねなくご相談いただければと思います。
私は、地域のクリニックの医師として診療を行うにあたって「できる限り短い時間で診療を完了できるようにする」ということを大事にしています。これは、患者さまの通院にかかる負担を少しでも減らすためです。勤務医時代、病院が混雑している中で診療を続けてきたため、患者さまのニーズを瞬時に把握して診療する能力が身につきました。もちろん1回の診察で診断がつかないこともありますが、患者さまを何度も通院させて医院の利益を求めるようなことは一切していません。
院内処方や眼科疾患以外の相談も可能。会社勤めの方の健康管理にも注力
また、院内にはドアやカーテンなどの仕切りを設けていません。当院はご年配の患者さまが多く、倒れたり体調が悪くなったりした際にスタッフがすぐに異常を察知できるようにするためです。さらに、医師・看護師・視能訓練士・事務スタッフがそれぞれの業務に集中して対応しているため、治療の質が低下することなく、患者さまにとって負担や不安の少ない診療を提供できています。
日本眼科学会認定 眼科専門医としてはもちろん、地域医療を支える医師として、病気だけを診るのではなく体全体を診て患者さまに合った病院・医師を紹介できる態勢を整えていきたいと考えています。
また、眼科疾患は、症状を放置するとどんどん進行してしまったりがんなどが潜んでいたりすることもあります。緑内障など遺伝性のものもあるため、健診で異常を指摘されたり緑内障のご家族がいたりする場合は定期的にご相談にいらしてください。