地域の方々の「健康寿命の延伸」を目標に、心のこもった医療を提供する医師
院長
中西 正喜
取材日:2021年9月28日
中西 正喜先生(日本消化器病学会認定 消化器病専門医)にインタビュー
かかりつけの医院として、時代の変化・患者さまのニーズに応じた治療を行う
医師になった当初と比べて感じる、病気や患者さまの変化はありますか?
私が医師になったのは1983年のことですが、そのころと比べると生活習慣病の患者さまは多くなりました。特に、糖尿病や脂質異常症などは、お越しになる患者さまが増えていると感じます。肥満の人も多いですね。生活習慣病が増えた背景には、肥満や喫煙などがあるのではないかと思います。
もともと私は内視鏡検査に関心があり、消化器内科の医師としてキャリアをスタートしました。そのため、消化器内科の診療は今も力を入れている分野の一つです。ただ、時代の変化に伴い生活習慣病の患者さまが増えていること、実際に当院にお越しになる方も生活習慣病でお悩みの方が多いことなどから、「地域のかかりつけの医院」として生活習慣病の診療には特に力を入れています。
もともと私は内視鏡検査に関心があり、消化器内科の医師としてキャリアをスタートしました。そのため、消化器内科の診療は今も力を入れている分野の一つです。ただ、時代の変化に伴い生活習慣病の患者さまが増えていること、実際に当院にお越しになる方も生活習慣病でお悩みの方が多いことなどから、「地域のかかりつけの医院」として生活習慣病の診療には特に力を入れています。
開業医として診療する中で、ニーズに応じた診療の必要性を感じたんですね。
そうですね。もともとここは、私の父が産婦人科の診療をしていた場所でした。内科の医師として継承することになり、それから30年以上診療を行ってきましたが、そのころと比べるとやはり患者さまが訴えられる症状やお悩みは変化しています。医師として大切なのは、自分の専門性を誇示することよりも、地域にお住まいの皆さまの病気を予防し、健康維持をサポートし、病気になってしまったら早期に治療を開始することだと思います。そのための適したアドバイスも大切ですね。皆さまの健康を総合的にサポートすることで、「来てよかった」と思っていただける医院づくりに努めています。
胃がんのリスクとなる「ピロリ菌」の除菌治療とともに、生活習慣指導に注力
慢性萎縮性胃炎の患者さまも増えていらっしゃるそうですね。
慢性萎縮性胃炎は、ピロリ菌により引き起こされる病気です。胃炎になる患者さまの数自体は年々少なくなってきてはいるのですが、市区町村のがん検診などで胃内視鏡検査やピロリ菌検査を受けられる機会が増えたため、ピロリ菌陽性やその疑いがあるということで受診される患者さまが多くなっている印象です。
症状はないことも多いのですが、萎縮性胃炎の進行とともに胃がんのリスクも高まるため、ピロリ菌除菌治療をして、そのリスクを軽減することが大切です。ただ、「ピロリ菌を除菌しなければ胃がんになる」というわけではありませんし、「ピロリ菌を除菌したから胃がんにならない」というわけでもありません。大切なのは、定期的に検査を受け、早期発見と早期治療をすることです。
症状はないことも多いのですが、萎縮性胃炎の進行とともに胃がんのリスクも高まるため、ピロリ菌除菌治療をして、そのリスクを軽減することが大切です。ただ、「ピロリ菌を除菌しなければ胃がんになる」というわけではありませんし、「ピロリ菌を除菌したから胃がんにならない」というわけでもありません。大切なのは、定期的に検査を受け、早期発見と早期治療をすることです。
逆流性食道炎の患者さまの症状、治療について教えてください。
食生活の欧米化に伴い、逆流性食道炎になる方は増えてきています。典型的な症状としては、胸やけやげっぷ、口腔内に苦味や酸っぱみがある(呑酸)があり、そのほかにのどの違和感や咳などが出ることがあります。胸やけやげっぷの症状でお越しになった患者さまに対しては、まずは胃内視鏡検査を行い、逆流性食道炎と認められれば胃酸の分泌を抑えるお薬をお出ししています。
そのほかに当院で行っているのは、日常生活におけるアドバイスです。食道と胃の間にある「胃の内容物の逆流を防ぐ機能」を低下させないためのポイントをお伝えしています。例えば、「なるべく重いものは持たないようにね」とか「前かがみの姿勢は控えてね」ということですね。それに加えて、控えたほうがいい食べ物のリストなどもお渡ししています。言葉で伝えるだけでなく、手に取って見られるものをお渡しすることで、治療へのモチベーションになりますし、日常生活の改善に継続して取り組みやすくなると考えています。
そのほかに当院で行っているのは、日常生活におけるアドバイスです。食道と胃の間にある「胃の内容物の逆流を防ぐ機能」を低下させないためのポイントをお伝えしています。例えば、「なるべく重いものは持たないようにね」とか「前かがみの姿勢は控えてね」ということですね。それに加えて、控えたほうがいい食べ物のリストなどもお渡ししています。言葉で伝えるだけでなく、手に取って見られるものをお渡しすることで、治療へのモチベーションになりますし、日常生活の改善に継続して取り組みやすくなると考えています。
胃潰瘍になる患者さまは以前より減ってきているのでしょうか?
はい、胃潰瘍の患者さまの数は、年々減少しています。胃潰瘍になる主な原因として「ピロリ菌の感染」があるのですが、そのピロリ菌に感染している人が減ってきていること、胃潰瘍の治療薬が進歩していることなどが、その要因です。
治療としては、胃酸の分泌を抑える薬や、胃の粘膜の防御機能を高める薬を用います。胃潰瘍の再発リスクや、胃がんの発症リスクを抑えるために、ピロリ菌の除菌治療も大切です。また、ピロリ菌に感染している場合は喫煙やストレスにより胃潰瘍になりやすくなるため、禁煙などの生活習慣についてもアドバイスしています。
治療としては、胃酸の分泌を抑える薬や、胃の粘膜の防御機能を高める薬を用います。胃潰瘍の再発リスクや、胃がんの発症リスクを抑えるために、ピロリ菌の除菌治療も大切です。また、ピロリ菌に感染している場合は喫煙やストレスにより胃潰瘍になりやすくなるため、禁煙などの生活習慣についてもアドバイスしています。
多職種と連携した訪問診療により、責任を持って患者さまを見守る
地域に根差した医院として、今後注力していきたいことはありますか?
健康寿命を延ばすサポートをすることですね。特に生活習慣病や認知症の予防です。そのためには、やはり食事と運動に気を付けることが大切です。生活習慣病はもちろん、認知症に関しても、早期に運動などを開始することで進行を遅らせることが期待できますので、今後も生活習慣のアドバイスに力を入れていこうと思っています。
もちろん、たばこや肥満もよくありません。当院では禁煙治療も行っていますし、ダイエットに関するアドバイスにも力を入れています。パンフレットをお渡しするなどして、モチベーションを高められる工夫をしていますので一度ご相談いただければと思います。地域の皆さまが健康でよりよい生活をこれからも送れるよう、スタッフ一同でサポートいたします。
もちろん、たばこや肥満もよくありません。当院では禁煙治療も行っていますし、ダイエットに関するアドバイスにも力を入れています。パンフレットをお渡しするなどして、モチベーションを高められる工夫をしていますので一度ご相談いただければと思います。地域の皆さまが健康でよりよい生活をこれからも送れるよう、スタッフ一同でサポートいたします。
通院が難しくなった方の訪問診療にも力を入れているそうですね。
はい、開業してから月日が経ち、通院してくださっている患者さまも高齢化しています。それに伴い、お身体の事情で通院が難しくなった方も増えました。当院では、そのようなご高齢の方や障がいを抱える方、ご自宅での看取りを希望する方などの訪問診療を行っています。自分が診察をしてきた方は、最期まで責任を持って診察させていただきたいという思いからです。訪問看護ステーションなど、多職種の方々との連携を取りながら、患者さまが住み慣れた環境で療養できるようお手伝いいたします。