
稲葉 博司先生(日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医)にインタビュー
耳・鼻・のどの症状などの不定愁訴に対し、自律神経を整えることで症状改善を目指す
当院の治療では、そうした患者さま一人ひとりの生活背景を丁寧に伺うよう心がけ、薬の処方だけでなく、東洋医学の処置も取り入れながら、自律神経のバランスを整えることを大切にしています。
症状に応じて西洋薬も使用しますが、西洋医学は対症療法なので、一時的に悩みの症状や痛みをとることはできても、症状の背景に自律神経の乱れがある状態では、慢性的な症状をすっきりと改善することはできないと思っています。その一方で鍼灸などの処置を行い神経の緊張状態を改善できれば、全身のバランスが整い、肩・首凝り、不眠が軽快すると同時に、耳鳴りやめまい、頭痛などの複数の症状を根本から改善していくことがでるので、私はいつも西洋医学と東洋医学をうまく組み合わせた治療を行うように心がけています。
治療では、患者さま一人ひとりの年齢や生活環境などを把握した上で、自律神経が乱れる原因や、交感神経を緊張状態にしている背景を排除することを考えています。患者さまが赤ちゃんであっても、大人の方であってもそれは同じことで、神経の緊張を緩める癒しやリラクゼーションを届けることが治療へとつながっていくと考えています。
病理学を学んでいたからこそ、その域を超えた東洋医学の世界に惹かれた
西洋薬でよくならなかった症状が、漢方薬や鍼灸をはじめとした東洋医学の方法で改善されていくケースを目の当たりにして、ますます興味を持ち、日々追求しているうちに今の診療方針に行き着きました。
不定愁訴など、原因が分からない症状に悩んでいる患者さまに対して、交感神経を和らげる治療を提案する私の診療方針は、勤務医時代の診療経験に基礎があると思っています。なかなかよくならなかった症状が改善し、患者さまの喜ぶ笑顔が見られることは、やはりやりがいにつながりますね。
他方で、開院して自分の医院を持つことで、患者さま一人ひとりとより身近に接し、私がよいと判断した診療を提供することができます。その点は、私にとっても、私についてきてくださる患者さまにとっても何よりのメリットだと思っています。患者さまの治療歴なども詳しく伺いながら、西洋医学と東洋医学を組み合わせつつ、私のやり方で「現状よりよい状態にしてあげたい。患者さまを元気にしたい」という思いを込めて、日々診療にあたっています。
一人ひとりのニーズに丁寧にお応えする、オーダーメードの診療を目指したい
この病名と症状だからこのお薬、というありきたりの治療や処方ではなく、私の知識と経験に基づく、当院だからこそできる診療で、原因不明の症状に悩み続けている患者さまを笑顔にしたいですね。
そのために重視していることが、西洋医学と東洋医学を組み合わせて自律神経を整える診療スタイルです。よりよく自律神経のバランスを調整することによって、少しでも早い症状の改善に協力していければと思いますので、気になる症状があれば、耳鼻咽喉科領域に限定せずいつでもご相談にいらしてください。