大野 仁先生(日本眼科学会認定 眼科専門医)にインタビュー
ニーズに合わせた治療を提供できるよう、眼科の医師として研さんを積む
東京慈恵会医科大学附属 第三病院では眼科の医長、東京労災病院では眼科部長を務めました。特に長く勤務していたのは、東京労災病院ですね。勤務医として、様々な経験をさせていただきました。また、その他の取り組みとして、何号何等級と決まっている労災認定の基準を変更する役割を、3年ほど行っていました。
また、資格を取得したからといってそれで終わりではありません。資格を更新していくためには、毎年何十日間もの勉強が必要になります。日々の診療に加えてそのような勉強で知識を得ることは、「近くのクリニックで不安なく手術を受けたい」と考える患者さまのニーズに応えるものだと考えています。
治療の精度を上げるために、技術の研さん・医学の進歩に応じた機器の充実化に努める
硝子体手術では、27G極小切開硝子体手術(MIVS)などに取り組んでいます。傷口が小さいため、術後の炎症を抑えられ、手術時間も短くなるというメリットがあります。緑内障手術においては、切開をせずに治療ができる眼科用パルスレーザー手術装置や、全長1mmのヘパリン使用眼内ドレーンを使用することで、体に負担の少ない低侵襲な手術を行っています。
当院はその精度を上げるために、4つの手段を用いています。1つ目が「レーザー眼軸長測定装置」です。これを2台使い、精度のよい眼軸長を計測し、さらに細かい計算式を多用し詳細なレンズ度数を計測します。2つ目が「前眼部3次元OCT」です。これを使って角膜の前後面の乱視を測定しています。3つ目は「極小切開白内障手術」です。この手術をすることで手術の影響を減らし、さらに、「サージカルガイダンスシステム」を使って、切開する場所や大きさ、さらには手術中の乱視経線の精度を高めたうえで手術を行うことで、手術の誤差を少なく、どの症例にも一定にできるよう取り組んでいます。
「白内障手術をすれば裸眼で見えるようになる」という情報が先走りすることで、白内障手術のメリットだけを見てしまったり、それ以外の病気によるトラブルが起こらないと勘違いしてしまったりする患者さまもいらっしゃいますので、そのようなトラブルを防ぎながらも、患者さまの期待にお応えしていく力が求められていると感じます。
インフォームドコンセントを重視し、患者さまの納得のうえで治療を行う
また、目の状態を様々な角度から計測できる機械を導入していることも、当院の強みの一つです。そのような機器を活用することで、術後の不具合や疑問にもしっかりと検査をしたうえでお応えすることができます。患者さまの疑問にしっかりと寄り添い、一つひとつ解消していくことを大事にしています。
もし、医師に相談しても納得できないことがあるのであれば、納得のいくまでとことん聞いてもらえればと思います。医学は、算数のように「1+1」が必ず2になるわけではなく、人によってその答えは変わります。一人ひとりの患者さまに対し、その答えや、なぜそうなるのかをしっかりご説明しますので、ご自身で判断せずに一度ご相談いただければと思います。