治療だけでなく女性のお悩みにも手厚くフォローするかかりつけの医師
院長
佐藤 歩美
取材日:2022年11月14日
佐藤 歩美先生(日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)にインタビュー
産後の不安を抱える方に対して、アフターフォローの必要性を感じ開業へ
産婦人科を選ばれた理由や、エピソードがあったらお聞かせください。
研修医として初めにまわった診療科が産婦人科だったのですが、就いた初日に赤ちゃんが誕生する瞬間に立ち合わせていただきました。赤ちゃんが生まれてくる瞬間を見るのはもちろん初めてでしたのでとてもインパクトが強く、その当時は、産婦人科は選ばないだろうなと考えていました。
でも、他の診療科をまわるうちに、病院に来ることも退院することも「おめでとう」と伝えられるのは産婦人科だけなのだと気づき、いつしかこの科を選んでいましたね。今でも、ほかの診療科と異なる魅力的な点だと、日々実感しています。
でも、他の診療科をまわるうちに、病院に来ることも退院することも「おめでとう」と伝えられるのは産婦人科だけなのだと気づき、いつしかこの科を選んでいましたね。今でも、ほかの診療科と異なる魅力的な点だと、日々実感しています。
勤務医時代にどのような経験をされて、開業に至ったのでしょうか？
勤務医時代は出産や帝王切開はもちろん、子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮頸部異形成の手術から婦人科がんの治療まで幅広く経験させていただきました。もともと、いずれは開業しようと考えていましたから、良性疾患やクリニックとして対応できなければならない疾患について、一通り経験できたのはとても良かったなと思います。
ただ、大きい病院に勤務していると、手術後や出産後しばらくするとその病院でのフォローが終わり、かかりつけのクリニックへ戻ることになります。私は出産後などのアフターフォローもしたいなと思っていたので、それには開業しかないなと思い、今に至りますね。
ただ、大きい病院に勤務していると、手術後や出産後しばらくするとその病院でのフォローが終わり、かかりつけのクリニックへ戻ることになります。私は出産後などのアフターフォローもしたいなと思っていたので、それには開業しかないなと思い、今に至りますね。
助産師が常駐。診察ごとのアフターフォローを大切に、不安の軽減にも尽力
妊婦健診の重要性と、先生が健診時に大切にされていることを教えてください。
まず、妊婦さまがささいなことでも相談できる場所として妊婦健診（※）は良い機会だと感じますね。あとは、急におなかの中の赤ちゃんの具合が悪くなったり、成長が標準よりゆっくりになったりすることがあります。そういった時に妊婦健診をきちんと受けていれば赤ちゃんや妊婦さまの異変に早い段階で気づくことが出来ます。また、当クリニックには助産師が在籍しているので、限られた診察時間の中で聞きそびれたこと、わからないことがあれば相談できることも、妊婦さまにとっては心強いのかなと思います。
妊婦健診の際にはパートナーさまも一緒に診察室に入っていただく事ができます。お母さまだけが親になるわけではないので、同席することでパートナーさまもパパになる実感が湧く機会になればと思います。妊婦健診の立ち会いが難しいご家族などには、赤ちゃんの様子を撮ったエコー動画を共有できるシステムも導入しています。
（※）は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。料金は料金表をご確認ください。
妊婦健診の際にはパートナーさまも一緒に診察室に入っていただく事ができます。お母さまだけが親になるわけではないので、同席することでパートナーさまもパパになる実感が湧く機会になればと思います。妊婦健診の立ち会いが難しいご家族などには、赤ちゃんの様子を撮ったエコー動画を共有できるシステムも導入しています。
（※）は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。料金は料金表をご確認ください。
乳腺炎の症状や治療について、どのような対応をしていますか？
授乳中だけでなく、なにもしなくても急に痛み出したりと、乳腺炎はさまざまなタイミングで起こります。発熱を伴うこともあり、不安な気持ちになるお母さまも少なくないでしょう。当クリニックでは、産後の乳腺炎ケアとして、乳房のマッサージやお薬の処方の他、点滴を行う場合もあります。外科的な治療が必要な場合は、乳腺外科を紹介することもできます。
一度の出産につき、4回まで保険が適用されるので、意欲的にご利用いただきたいですね。乳腺炎ケアに関しては専用の診療時間をあえて設けず、痛くて困った時などに極力対応できるようにしていますが、どうしても乳腺炎治療には時間を要しますので、事前に相談の電話を入れてもらっています。
一度の出産につき、4回まで保険が適用されるので、意欲的にご利用いただきたいですね。乳腺炎ケアに関しては専用の診療時間をあえて設けず、痛くて困った時などに極力対応できるようにしていますが、どうしても乳腺炎治療には時間を要しますので、事前に相談の電話を入れてもらっています。
更年期の診療で大切にしていることを教えていただけますか？
更年期の診療では、丁寧で正しい診断と、お一人おひとりの症状に合わせた治療方法の提案ができるよう努めています。更年期は、ホットフラッシュ、不眠、気分の落ち込みのほか、関節に痛みが出る方もいて、症状や程度には個人差があります。また甲状腺の病気が隠れていたり、別の疾患の症状に似ていたりもするので、この症状は更年期だな、と思い込みで診断するのではなく、しっかり検査を行うことを大切にしています。
治療方法には、ホルモン補充療法や漢方の処方のほか、プラセンタ、サプリメントまで幅広くご用意しています。検査のデータや症状をもとに、ご要望もお伺いした上で納得いただける治療を進めていきますので、気兼ねなくご相談ください。症状が鎮まり、日常生活を過ごしやすくするお手伝いをさせていただきます。
治療方法には、ホルモン補充療法や漢方の処方のほか、プラセンタ、サプリメントまで幅広くご用意しています。検査のデータや症状をもとに、ご要望もお伺いした上で納得いただける治療を進めていきますので、気兼ねなくご相談ください。症状が鎮まり、日常生活を過ごしやすくするお手伝いをさせていただきます。
身体が変化し続ける女性を、アットホームな雰囲気で迎える医師
今後、クリニックとしてどのようなことに力を入れていきたいと考えていますか？
婦人科の受診に対するハードルをもっと下げて、不要な痛みやお悩みを軽減してあげられたらいいなと思っています。地域柄、若い方の受診は多いほうなのですが、困っている方はまだまだいらっしゃると思うんですよね。婦人科は内診が嫌だから受診したくないと言われることもあります。内診しなければならない場合がどうしてもあるので、その際には必要性を説明し、心の準備をしてもらうようにしています。また、経腹エコーや経直腸エコーで対応することもあります。
診療は全て女性の医師で行っていますので、同性同士であることでデリケートなお悩みに寄り添えることも強みかなとも思います。患者さまがなんでも話しやすい雰囲気づくりや環境を整え、困ったときに相談できる身近な存在になりたいですね。
診療は全て女性の医師で行っていますので、同性同士であることでデリケートなお悩みに寄り添えることも強みかなとも思います。患者さまがなんでも話しやすい雰囲気づくりや環境を整え、困ったときに相談できる身近な存在になりたいですね。
最近、先生が注目している疾患や症状などありましたら教えてください。
最近、相談が増えている疾患のひとつが、「尿漏れ」ですね。加齢・出産・肥満・運動不足による筋肉の緩みの他に、更年期も原因として挙げられます。
更年期になると、女性ホルモンのエストロゲンが減りはじめるのですが、エストロゲンが低下すると骨盤底筋がゆるくなり、頻尿や尿漏れの症状が起こりやすくなるんですね。尿もれは腹圧性尿失禁をはじめ4種類に分けられます。混在している場合もあります。エコー検査や問診から原因に応じて治療を提案します。治療は薬の処方や緩んだ筋肉を鍛える骨盤底筋体操を指導したりして改善を目指します。
恥ずかしくて我慢されている方も多いと思いますが、40歳以上の女性の4割以上が経験しています。生活の質を低下させないためにもご相談ください。
更年期になると、女性ホルモンのエストロゲンが減りはじめるのですが、エストロゲンが低下すると骨盤底筋がゆるくなり、頻尿や尿漏れの症状が起こりやすくなるんですね。尿もれは腹圧性尿失禁をはじめ4種類に分けられます。混在している場合もあります。エコー検査や問診から原因に応じて治療を提案します。治療は薬の処方や緩んだ筋肉を鍛える骨盤底筋体操を指導したりして改善を目指します。
恥ずかしくて我慢されている方も多いと思いますが、40歳以上の女性の4割以上が経験しています。生活の質を低下させないためにもご相談ください。
この記事を読まれている女性の皆さまにメッセージをお願いします。
女性の皆さまには、ぜひ産婦人科のかかりつけのクリニックをつくってほしいなと思います。女性は、生理から始まり、更年期障害まで人生のライフステージごとに、お身体が変化していきます。その中で女性特有の疾患を経験される方もいらっしゃいます。
産婦人科受診は敷居が高いと言われますが、デリケートなお話ししづらいことも、女性同士で分かち合える部分もあるので、改善への手助けをさせていただければと思っております。アットホームな雰囲気でお一人おひとりに寄り添った診療をしていますので、気兼ねなくご相談にいらしてくださいね。
産婦人科受診は敷居が高いと言われますが、デリケートなお話ししづらいことも、女性同士で分かち合える部分もあるので、改善への手助けをさせていただければと思っております。アットホームな雰囲気でお一人おひとりに寄り添った診療をしていますので、気兼ねなくご相談にいらしてくださいね。
