
樋口直彦先生(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)にインタビュー
スポーツの現場で選手と関わり復帰までサポートしたいと考え整形外科を専攻
勤務医時代には、肩関節鏡視下手術の技術を習得するため、海外の医療機関での手技向上や手術の勉強に特に力を入れていました。また、大学病院や総合病院などでは待ち時間が発生することも多く、患者さまにとってもっと良いシステムはないかと、運営についても考えながら勤務していましたね。
また、病院はどうしても閉鎖的な印象になりがちですから、自分が開業した際には医師や看護師・スタッフが働きやすい環境を整えようと考えました。現在は電子カルテの導入など、クリニックのIT化を進めているところです。
そのほか、急性腰痛症(ぎっくり腰)、肉離れ、胸郭出口症候群の診療にも力を入れています。ぎっくり腰と肉離れについては認識がある方もいらっしゃると思うのですが、胸郭出口症候群はあまり知られていないかもしれません。鎖骨下の神経が何らかの原因で圧迫され、首や手にしびれが出る疾患で、なで肩の女性に多いのが特徴です。
このように、慢性的な症状から急性的なものまでさまざまな疾患を診療していますので、なにか痛みや違和感があれば気兼ねなくご相談ください。
診断を丁寧に行ったうえで、患者さまの意思を尊重して治療を進める医師
症状が四十肩や五十肩と似ているため、当クリニックでは診断の過程を大切にしており、身体所見を行ったうえで、エコーやMRIを用いて詳細に検査をしています。主な改善方法はリハビリテーションですが、必要であれば注射や低侵襲手術をご提案する場合もあります。
「重いものを持ち上げられない」「高いところにあるものが取れない」「就寝時に痛くて目が覚める」など、少しでもお悩みがあればご相談にいらしてください。
反復性肩関節脱臼になった場合は手術によって改善を目指しますが、術後3カ月程度、安静にする必要があります。仕事の都合がつかない、スポーツをしているが長期に休むことはできないという方ももちろんいらっしゃいますから、リハビリテーションを行いながら様子を見るなど、治療方法は患者さまに選択していただきます。
たとえば、前十字靱帯の手術をすれば、最低でも半年間の治療期間が必要になりますが、高校2年の冬に断裂してしまった場合、治療をするか膝が不安定な状態をごまかしながらプレーを続行するか悩むポイントですよね。手術をしなければ今後どうなるのか、手術をした場合いつ頃復帰できるのかをしっかりとご説明したうえで、患者さまの意思を尊重しながらその後の計画を一緒に考えさせていただきます。
日常生活における夢や希望を大切に、術前から術後まで一貫してサポート
当クリニックでは、入院や手術の設備がある本院と連携することで、術前から術後のリハビリテーションまで一貫してサポートできる環境を整えていますから、今後も継続して注力していきたいなと考えています。