
院長
寺本 佳史
取材日:2021年11月4日
寺本 佳史先生(日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医)にインタビュー
早期発見で重篤な疾患の予防をしていきたいという思いから開業の道を選ぶ
医師の道を志したきっかけがあれば教えていただけますでしょうか?
小さな頃は、漠然と父が経営していた工場を継ぎたいと考えていました。中学に入ってからは、教師になりたいと考えた時期もあります。
転機が訪れたのは、中学3年の時でした。父が自宅で吐血して倒れたんです。その時に、父から「お前も、これぐらいの病気を何とかできる医者になれ」と言われました。結果的に、それが父と交わした最後の言葉になり、その時から医師を目指すようになったんです。自分が頑張ることで、何か他の人の役に立つことができるならやってみようと思い医師を志しました。
父の言葉をきっかけに医学部を目指したので、受験の面接の時には「臨床と基礎医学、どちらに進みたいのか」と聞かれたても、まだその違いすらよくわからないほど、医師という職業について漠然としたイメージしか持っていませんでした。脳神経外科の道に進もうと決めたのは、医学部を卒業する直前のことです。もともと、身体を動かしている方が得意だったので、内科より外科の方が自分には向いているだろうと考えており、外科の中でも雰囲気の良かった脳神経外科を選びました。
転機が訪れたのは、中学3年の時でした。父が自宅で吐血して倒れたんです。その時に、父から「お前も、これぐらいの病気を何とかできる医者になれ」と言われました。結果的に、それが父と交わした最後の言葉になり、その時から医師を目指すようになったんです。自分が頑張ることで、何か他の人の役に立つことができるならやってみようと思い医師を志しました。
父の言葉をきっかけに医学部を目指したので、受験の面接の時には「臨床と基礎医学、どちらに進みたいのか」と聞かれたても、まだその違いすらよくわからないほど、医師という職業について漠然としたイメージしか持っていませんでした。脳神経外科の道に進もうと決めたのは、医学部を卒業する直前のことです。もともと、身体を動かしている方が得意だったので、内科より外科の方が自分には向いているだろうと考えており、外科の中でも雰囲気の良かった脳神経外科を選びました。
勤務医時代のご経験で印象に残っているエピソードを教えていただけますか?
大阪府立母子保健総合医療センター(現・大阪母子医療センター)に勤務していた1995年1月に、阪神・淡路大震災が起きました。その時、震災の影響で神戸市の病院で診られなくなったお子さまを、2人受け入れることになったんです。当時のことは今も覚えています。1人は外傷、もう1人は先天性の珍しい疾患で、ほぼ毎日勤務先に寝泊まりして診ていました。その時に、「医師は盆も正月も関係ない仕事だから」という先輩の言葉をあらためて実感しましたね。
2020年に当クリニックを開業するまでは、ずっと急性期病院の脳神経外科に勤務し、救急で運ばれて来る患者さまを診ていました。盆であろうと正月であろうと、夜中であろうと関係なく、いつでも患者さまの急変に対応できるようにしてきました。
2020年に当クリニックを開業するまでは、ずっと急性期病院の脳神経外科に勤務し、救急で運ばれて来る患者さまを診ていました。盆であろうと正月であろうと、夜中であろうと関係なく、いつでも患者さまの急変に対応できるようにしてきました。
開業の経緯とリハビリテーションを行える環境にした理由を教えてください。
勤務医時代、病院で診ていた患者さまの中には、症状が部分的だったために様子を見られていて、その間に病気が進行してしまったという患者さまもいらっしゃいました。「ここまで進行する前に見つけられていれば」と思うことも多く、そのためには地域でクリニックを開業し、早期発見に努めていくことが大切だと考えたのが開業のきっかけです。これまでは悪くなった病気の治療を行っていましたが、今後は脳ドック(※)をはじめ、予防の段階から介入していきたいと思っています。
脳神経外科の医師ができることは、病気の予防に努め、悪くなった症状を少し落ち着かせることです。脳梗塞や脳出血で麻痺や言語障害などの後遺症がある場合、日常生活に困っている患者さまをサポートして差し上げることができるのは、理学療法士や作業療法士です。そこで、開業するにあたっては、地域の患者さまが継続的にリハビリテーションを行っていける環境を整えたいと考えて、リハビリテーション室を設置しました。
(※)は自由診療です。料金は料金表をご確認ください。
脳神経外科の医師ができることは、病気の予防に努め、悪くなった症状を少し落ち着かせることです。脳梗塞や脳出血で麻痺や言語障害などの後遺症がある場合、日常生活に困っている患者さまをサポートして差し上げることができるのは、理学療法士や作業療法士です。そこで、開業するにあたっては、地域の患者さまが継続的にリハビリテーションを行っていける環境を整えたいと考えて、リハビリテーション室を設置しました。
(※)は自由診療です。料金は料金表をご確認ください。
MRI検査で大切にしているのは疑いの目を持ちながら画像を確認すること
脳梗塞や脳出血など脳卒中の診療で気を付けていることは何でしょうか?
くも膜下出血は頭痛しか症状がない場合もありますが、脳梗塞や脳出血は、頭痛に加え、手足や半身のしびれ、呂律が回らないといった神経症状が現れます。これらの症状を訴えられた場合はすみやかにMRI検査を行います。画像は複数撮影しますので、1枚だけ見て大丈夫だろうと判断せず、「この画像ではおかしなところはないけれど違う画像ではどうだろうか」と疑いの目を持ちながら画像を確認するように気を付けています。
急性期治療が必要となった場合には、医療機関をご紹介させていただきます。急性期治療を終えられて、その後はクリニックで大丈夫ということになりましたら、また引き続きフォローさせていただきます。
フォローをしていく際には、リハビリテーションによる機能の維持と再発予防を心がけています。リハビリテーションを継続していただくことで、急性期リハビリテーションで獲得した機能を維持するサポートができればと考えています。再発予防のために、生活習慣病の管理や生活改善のアドバイスも行っています。
急性期治療が必要となった場合には、医療機関をご紹介させていただきます。急性期治療を終えられて、その後はクリニックで大丈夫ということになりましたら、また引き続きフォローさせていただきます。
フォローをしていく際には、リハビリテーションによる機能の維持と再発予防を心がけています。リハビリテーションを継続していただくことで、急性期リハビリテーションで獲得した機能を維持するサポートができればと考えています。再発予防のために、生活習慣病の管理や生活改善のアドバイスも行っています。
片頭痛の診療を行う上で大切にしていることを教えてください。
頭痛には、片頭痛と緊張型頭痛があり、どちらの頭痛か見分けるため症状について詳しく伺うようにしています。症状がまったく違いますので、問診によってどちらの頭痛かを分類していくためです。ただし、両方の頭痛を持っている方もいらっしゃいますので、そこは難しいところですね。
どのような感じで痛み始めるのか、どういうタイミングで頭痛が起きるのか、痛みの感じ方などを詳しく伺います。痛みの頻度や程度によってお薬の処方を変える必要があるためです。月に1回程度の頭痛であれば頓服の鎮痛剤でもかまいませんが、週に2~3回の頻度で頭痛が起きるのであれば、予防薬を試してみることをご提案しています。片頭痛の患者さまは寝込むほどのひどい頭痛症状が起きる方が多いためです。
予防薬と鎮痛剤を患者さまの状態に合わせて処方し、生活改善のアドバイスを行います。片頭痛は、疲れで誘発されることが多いので、寝不足を防ぎ規則正しい生活を送るようにアドバイスしています。痛みをコントロールし、日常生活への影響を減らしていくことが大切です。
どのような感じで痛み始めるのか、どういうタイミングで頭痛が起きるのか、痛みの感じ方などを詳しく伺います。痛みの頻度や程度によってお薬の処方を変える必要があるためです。月に1回程度の頭痛であれば頓服の鎮痛剤でもかまいませんが、週に2~3回の頻度で頭痛が起きるのであれば、予防薬を試してみることをご提案しています。片頭痛の患者さまは寝込むほどのひどい頭痛症状が起きる方が多いためです。
予防薬と鎮痛剤を患者さまの状態に合わせて処方し、生活改善のアドバイスを行います。片頭痛は、疲れで誘発されることが多いので、寝不足を防ぎ規則正しい生活を送るようにアドバイスしています。痛みをコントロールし、日常生活への影響を減らしていくことが大切です。
認知症の検査や治療は、どういったことを行っているのでしょうか?
認知症が疑われる方に対しては、お話をさせていただいて現在の認知レベルを評価すると共に、MRI検査を行います。器質的に何か問題があって認知症のような症状が現れているのか、あるいは脳が萎縮し始めてきているのかを確認しています。正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫が原因で認知症状が現れている場合には、手術に対応している病院をご紹介しています。これらの疾患によって認知症状が出ている場合には、手術によって改善が期待できます。
それ以外の疾患で認知症状が出ている場合は、治療によって機能を改善することはできません。これ以上、悪くならないように生活環境を整えていただくことが大切で、症状が進んでいる方にはお薬を処方することもあります。
慢性脳虚血性変化という脳の血流の悪化が見られる場合には、将来的に認知症を発症するリスクが高いため、少しでもそれを遅らせることができるよう、高血圧症をはじめとする生活習慣病のコントロールや、適度な運動、水分の摂取などを心がけていただくことをご提案しています。
それ以外の疾患で認知症状が出ている場合は、治療によって機能を改善することはできません。これ以上、悪くならないように生活環境を整えていただくことが大切で、症状が進んでいる方にはお薬を処方することもあります。
慢性脳虚血性変化という脳の血流の悪化が見られる場合には、将来的に認知症を発症するリスクが高いため、少しでもそれを遅らせることができるよう、高血圧症をはじめとする生活習慣病のコントロールや、適度な運動、水分の摂取などを心がけていただくことをご提案しています。
地域の方が気兼ねなく相談できる脳神経外科のかかりつけを目指す
今後、力を入れていきたいと考えていることについて教えてください。
最近は、脳ドック(※)を利用される方も多いですし、健康意識の高い人が増えているように思います。その背景には、インターネットの普及も要因のひとつとして考えられるでしょう。症状をインターネットで検索すると、いろいろな病気の可能性を示唆されますので、心配になってご来院される方もいらっしゃいます。気になる症状があった時に、気負うことなくすぐに受診できるのはクリニックの利点だと思います。
私は、早期発見・早期治療を行うことで地域の皆さまの健康寿命を延ばすことに少しでも貢献できたらという思いで開業しました。気になる症状があれば、一度、検査を受けに来ていただきたいと思っています。検査してみて何もなければ、いつもの生活に戻ることができます。早期の検査やリハビリテーションを通じて、今後も地域の皆さまが寝たきりになるのを防ぎ、少しでも長く健康でいていただけるよう、お手伝いをしていけたらと考えています。
(※)は自由診療です。料金は料金表をご確認ください。
私は、早期発見・早期治療を行うことで地域の皆さまの健康寿命を延ばすことに少しでも貢献できたらという思いで開業しました。気になる症状があれば、一度、検査を受けに来ていただきたいと思っています。検査してみて何もなければ、いつもの生活に戻ることができます。早期の検査やリハビリテーションを通じて、今後も地域の皆さまが寝たきりになるのを防ぎ、少しでも長く健康でいていただけるよう、お手伝いをしていけたらと考えています。
(※)は自由診療です。料金は料金表をご確認ください。
地域の皆さま方のために力を入れていきたいことは何でしょうか?
私でわかる範囲のことであれば、何でもご相談に乗らせていただきますので、ご自身やご家族のことで気になることがあれば気兼ねなくご来院ください。
頭痛や手足のしびれといったお悩みの場合は患者さまご本人が受診されますが、認知症に関しては、ご家族の方からのご相談を受けることも多いですね。ご本人は気付いていないことも多いのが認知症です。「物忘れは良くなりますか?」と質問されることもありますが、現段階では進行してしまったら改善するお薬はありませんので、予防していくことがとても大切です。
たまに、「何か病気が見つかったら怖いから受診したくない」という方がいらっしゃるのですが、何か気になる症状があれば、早めに受診していただきたいですね。早期に発見することで、将来の認知症を予防することや、障害が残らないように治療することにも結びつけられるのではないかと思います。紹介状がなくとも、思い立った時にふらっと受診できるのがクリニックの良いところですので、気兼ねなくご相談ください。
頭痛や手足のしびれといったお悩みの場合は患者さまご本人が受診されますが、認知症に関しては、ご家族の方からのご相談を受けることも多いですね。ご本人は気付いていないことも多いのが認知症です。「物忘れは良くなりますか?」と質問されることもありますが、現段階では進行してしまったら改善するお薬はありませんので、予防していくことがとても大切です。
たまに、「何か病気が見つかったら怖いから受診したくない」という方がいらっしゃるのですが、何か気になる症状があれば、早めに受診していただきたいですね。早期に発見することで、将来の認知症を予防することや、障害が残らないように治療することにも結びつけられるのではないかと思います。紹介状がなくとも、思い立った時にふらっと受診できるのがクリニックの良いところですので、気兼ねなくご相談ください。
最後に、読者の方や地域の方に向けたメッセージをお願いします。
脳神経外科と言うと、何を診ているのかよくわからない診療科目で、受診するハードルが高いという印象を持っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私が目指しているのは、地域の方が気兼ねなく受診できる脳神経外科のかかりつけのクリニックです。そんなに堅苦しく考えず、頭が痛い、どこかに頭をぶつけた、めまいがする、ふらつく、手足がしびれるといった症状があれば、気兼ねなくご相談にいらしていただきたいと思います。
お話をいろいろと聞かせていただき、必要に応じてMRI検査をすることで、お悩みの症状の原因を探り、不安を軽減するお手伝いができればと考えています。検査の結果、心配されている症状の背景に重篤な疾患が何も隠れていないとわかれば、不安なく日常の生活に戻っていただけるのではないでしょうか。地域の皆さま方が、いつでも気兼ねなく相談できるような環境を整えていきたいと考えています。心配なことがございましたら、ご相談いただければ幸いです。
お話をいろいろと聞かせていただき、必要に応じてMRI検査をすることで、お悩みの症状の原因を探り、不安を軽減するお手伝いができればと考えています。検査の結果、心配されている症状の背景に重篤な疾患が何も隠れていないとわかれば、不安なく日常の生活に戻っていただけるのではないでしょうか。地域の皆さま方が、いつでも気兼ねなく相談できるような環境を整えていきたいと考えています。心配なことがございましたら、ご相談いただければ幸いです。