
院長
木村 大作
取材日:2022年11月18日
木村 大作先生(日本眼科学会認定 眼科専門医)にインタビュー
地域の方々に賢明に尽力する叔父の姿をみて、同じ眼科の道へ
学生時代のご経験や、眼科の医師を志したきっかけを教えてください。
学生の頃から私は背が高かったので、大学の入学式直後に、先輩に「君の体型はラグビーに向いているから、とりあえず歓迎会に行こう!」と誘われてそのまま歓迎会へ行き、豪快で楽しい雰囲気に魅力を感じ、ラグビー部への入部を決意しました。元々私にラグビー経験はなく、コンタクトスポーツということもあって入部には多少勇気がいりましたが、ラグビーは15人で行うスポーツのため、今考えるとチームワークの重要性を学ぶ非常にいい機会だったと思います。
ラグビー部の仲間たちは、整形外科に進む友人が多かったのですが、私は叔父が眼科を開業していて、地域の方々に懸命に取り組む姿を小さい頃から見て育っていたので、自然と眼科に進みました。
ラグビー部の仲間たちは、整形外科に進む友人が多かったのですが、私は叔父が眼科を開業していて、地域の方々に懸命に取り組む姿を小さい頃から見て育っていたので、自然と眼科に進みました。
学生時代・勤務医時代はどんな疾患に力を入れて学ばれたのですか?
学生時代に興味を持って学んだのは、白内障です。病院実習で白内障患者さまの手術を担当することになり、「見え方だけでなく人生そのものが変わりました」とおっしゃる方をたくさん見て、手術によって視力が良くなるだけでなく、その人の人生観も変えることができる素晴らしい仕事であるということを実感しました。
勤務医時代は、黄斑という分野を専門にしていました。そのため、黄斑変性の患者さまが来られたときに、どのような疾患であるかを説明する際や、治療法の選択肢をお話しする際など、当時の経験が大変役立っていると思います。当直の際、ケガの患者さまなど眼科以外の分野も診なければならないことはとても大変でしたが、勤務医時代に身につけた説明力やコミュニケーション力は、ほかの疾患でも応用できると感じています。
勤務医時代は、黄斑という分野を専門にしていました。そのため、黄斑変性の患者さまが来られたときに、どのような疾患であるかを説明する際や、治療法の選択肢をお話しする際など、当時の経験が大変役立っていると思います。当直の際、ケガの患者さまなど眼科以外の分野も診なければならないことはとても大変でしたが、勤務医時代に身につけた説明力やコミュニケーション力は、ほかの疾患でも応用できると感じています。
患者さまと丁寧に向き合いたいという思いから、開業をされたそうですね。
開業は医師になったときからずっと考えていました。ただ、開業すると、さまざまなお悩みに対応できなければならないと思っていたので、手術の執刀も含め、勤務医としてたくさんの経験を積んでから開業しようと決めていました。
また、ある程度経験を積むと、自分の治療方針というものが構築されてきます。自分が決めた方針に沿って、患者さま一人ひとりと丁寧に向き合った診療をしたいと思ったことも開業に至った理由の一つです。眼科疾患の中には、糖尿病網膜症など内科との密接な連携が必要なものもあります。義父が近くで内科の医院をやっているので、連携を図りながら眼科の患者さまを診られると思い、この地に開業いたしました。
また、ある程度経験を積むと、自分の治療方針というものが構築されてきます。自分が決めた方針に沿って、患者さま一人ひとりと丁寧に向き合った診療をしたいと思ったことも開業に至った理由の一つです。眼科疾患の中には、糖尿病網膜症など内科との密接な連携が必要なものもあります。義父が近くで内科の医院をやっているので、連携を図りながら眼科の患者さまを診られると思い、この地に開業いたしました。
重症化防止のため、内科と密接に連携しながら医療提供できることが強み
糖尿病網膜症に対して、どのような治療をおこなっていますか?
糖尿病網膜症は目の中の血管がダメージを受け、眼底や硝子体に出血を起こすことによって見えにくくなる病気です。血糖コントロールが悪いとこの疾患になりやすいので、内科と連携を取りながら糖尿病のコントロールと並行して治療をおこなうことが重要になります。治療としては内科で薬物治療、食事療法、運動療法をおこないます。中期の段階では眼科にてレーザー治療を実施します。末期になると、手術が必要になるため、対応可能な病院を紹介させていただきます。
初期のうちは自覚症状がほとんどないので、糖尿病と診断を受けた方は一度検査をご検討くださいとお伝えしています。糖尿病網膜症を発症した場合は、まずは、ご自身の目の状態についてパンフレットや写真を用いて理解を深めていただきます。さらに、糖尿病眼手帳に所見・数値・視力の値などを記録し、その手帳を通じて内科と眼科で情報を連携し、治療を進めていきます。
初期のうちは自覚症状がほとんどないので、糖尿病と診断を受けた方は一度検査をご検討くださいとお伝えしています。糖尿病網膜症を発症した場合は、まずは、ご自身の目の状態についてパンフレットや写真を用いて理解を深めていただきます。さらに、糖尿病眼手帳に所見・数値・視力の値などを記録し、その手帳を通じて内科と眼科で情報を連携し、治療を進めていきます。
加齢黄斑変性の特徴や新しい治療法である注射についても教えてください。
目の奥には、ものを見るための網膜という神経があります。そのすぐ下にある脈絡膜に「新生血管」というタチの悪い血管ができ、出血することで、ものがゆがんで見えたり、暗く見えたりするのが加齢黄斑変性です。片目のみに発症することが多く、異常が出ていない目で視力がカバーされてしまうことが発見を遅らせる理由として挙げられます。主な原因は、疾患名のとおり、加齢によるものです。喫煙や紫外線が要因とも言われています。
検査では、OCT検査(眼底3次元解析装置検査)で網膜の断層写真を撮影します。治療方法としては、注射治療とレーザー治療があります。注射の治療では針を刺すときに一瞬チクッとしますが目薬の麻酔により激痛はなく、治療自体は1分ほどですみますし、改善作用が大きいので注射治療を選択する場合が多いです。目に注射をするという怖さから治療をためらわれる方もいらっしゃいますが、病気の写真をお見せして、治療の必要性をご理解いただけるよう、しっかり説明することを心がけています。
検査では、OCT検査(眼底3次元解析装置検査)で網膜の断層写真を撮影します。治療方法としては、注射治療とレーザー治療があります。注射の治療では針を刺すときに一瞬チクッとしますが目薬の麻酔により激痛はなく、治療自体は1分ほどですみますし、改善作用が大きいので注射治療を選択する場合が多いです。目に注射をするという怖さから治療をためらわれる方もいらっしゃいますが、病気の写真をお見せして、治療の必要性をご理解いただけるよう、しっかり説明することを心がけています。
白内障は手術による治療で十分な視力改善が期待できますか。
白内障は水晶体と言って、カメラで言うレンズにあたる部分が加齢とともに白く濁ってくる病気です。症状は視界が全体的にかすんだり、まぶしさを感じたり、視力低下などが挙げられます。
白内障は手術をおこなうことで、十分な視力改善が期待できます。手術は局所麻酔でおこなうため、患者さまによっては恐怖から決断ができない方もおられます。そのような方には、眼鏡をかけても0.7以下の視力の場合、運転免許証を更新できなくなるなど、生活環境での治療の必要性を説明しています。
家族のサポートがあってやっと生活できていたというような方は、手術で視力が改善し、自分一人でなんでもできるようになったと喜ばれることもよくあります。また、白内障手術によって視力が改善すると転倒のリスクが減ったり認知症予防にもつながったりすると言われていますので、白内障以外に疾患がなければ、自発的に手術を受けていただけるとうれしいです。
白内障は手術をおこなうことで、十分な視力改善が期待できます。手術は局所麻酔でおこなうため、患者さまによっては恐怖から決断ができない方もおられます。そのような方には、眼鏡をかけても0.7以下の視力の場合、運転免許証を更新できなくなるなど、生活環境での治療の必要性を説明しています。
家族のサポートがあってやっと生活できていたというような方は、手術で視力が改善し、自分一人でなんでもできるようになったと喜ばれることもよくあります。また、白内障手術によって視力が改善すると転倒のリスクが減ったり認知症予防にもつながったりすると言われていますので、白内障以外に疾患がなければ、自発的に手術を受けていただけるとうれしいです。
社会の問題点に目を向け、知識のアップデートにも注力し続ける医師
眼科検査をする大切さについて、先生のお考えをお聞かせください。
年齢が60歳以上になると白内障などを発症しやすくなるので、症状がなくても1年に1回は検査を受けていただくことが大切です。眼科の疾患の中には、発症してからだと治療のタイミングを逃してしまい、改善しづらくなるケースもあるので、ささいなことでも気兼ねなく受診していただきたいと考えています。
また、最近は、視力が良い方でも、花粉症やスマートフォンの長時間使用による目の乾燥などで眼科に来院いただく機会が増えています。アジアはもともと近視を患っている方が多いと言われていますが、その中でも、子供の近視が増えており、小学校の低学年から眼鏡を使用するなど若年化しています。
早期発見や早期治療のための検査や治療はもちろんのこと、目薬や眼鏡の正しい使用方法の指導にも力を入れているので、気兼ねなくご相談いただければと思います。
また、最近は、視力が良い方でも、花粉症やスマートフォンの長時間使用による目の乾燥などで眼科に来院いただく機会が増えています。アジアはもともと近視を患っている方が多いと言われていますが、その中でも、子供の近視が増えており、小学校の低学年から眼鏡を使用するなど若年化しています。
早期発見や早期治療のための検査や治療はもちろんのこと、目薬や眼鏡の正しい使用方法の指導にも力を入れているので、気兼ねなくご相談いただければと思います。
お子さまの近視の増加に伴い、これから期待している治療法はありますか?
先ほども少しお話ししましたが、小学校でタブレットを使った授業や、小さいうちからプライベートでもスマートフォンで動画などを見る習慣により、小児の近視化が進んでいます。そのような方に対して、適正な使用方法を指導するのですが、大人でもなかなか守れない中でお子さまだけに守ってほしいと言うのはむずかしいです。
そこで、近視の進行予防に良い方法として、1日2時間以上、屋外で活動することが論文で報告されています。学校でもぜひ課外授業などを取り入れていただきたいと思います。ただ、新型コロナウイルスの影響からリモート授業が導入され、外に出る機会がより減少傾向にあります。屋外であれば、木陰でも近視予防に十分な照度を得られますので、意識していただきたいです。
そのほかの方法として、就寝時にコンタクトレンズを付けるオルソケラトロジーという治療法があります。子供の近視化が防げたという報告もあるので、そういった治療が今後増えてくることを期待しています。
そこで、近視の進行予防に良い方法として、1日2時間以上、屋外で活動することが論文で報告されています。学校でもぜひ課外授業などを取り入れていただきたいと思います。ただ、新型コロナウイルスの影響からリモート授業が導入され、外に出る機会がより減少傾向にあります。屋外であれば、木陰でも近視予防に十分な照度を得られますので、意識していただきたいです。
そのほかの方法として、就寝時にコンタクトレンズを付けるオルソケラトロジーという治療法があります。子供の近視化が防げたという報告もあるので、そういった治療が今後増えてくることを期待しています。
早期発見のために、今後どのような取り組みをおこないたいですか?
当院は内科と密接に連携しながら診させていただいているのが強みです。ただ、糖尿病網膜症、白内障、緑内障といった疾患を抱えていても受診されない方が多く、どうしたら検査を受けてもらえるのか、ということが今後の課題だと思っています。今後は眼科検診への啓発活動にも力を入れていきたいと思っています。
私は、患者さまのことを考え、実際に自分の家族が病気になったときに、どういう治療をするのか、どのように説明するかを考えながら、日々研さんを積んでいます。患者さまが今後も快適な生活を送れるよう寄り添った治療法をご提案しますので、ささいなことでも気になることがあればいつでも当院をご利用ください。
私は、患者さまのことを考え、実際に自分の家族が病気になったときに、どういう治療をするのか、どのように説明するかを考えながら、日々研さんを積んでいます。患者さまが今後も快適な生活を送れるよう寄り添った治療法をご提案しますので、ささいなことでも気になることがあればいつでも当院をご利用ください。