
松尾 庸平先生(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)にインタビュー
幅広い診療スタイルが生まれたのは、尊敬する恩師たちとの出会い
また、整形外科の疾患は、症状が出ている場所などがわかりやすいのも選んだ理由のひとつです。画像診断においても評価がしやすいので、どのように処置をすれば改善に至るのかという治療方針も比較的立てやすい診療科目だと思います。
手術を手がけるようになったのは、医師4年目で赴任した姫路赤十字病院からです。姫路赤十字病院で指導いただいた先生の診療方針「自分が診察した患者さまは責任を持って手術も術後管理も担当すること」に共鳴し、執刀経験を積ませていただきました。
その後は大阪大学大学院医学系研究科にすすみ、腰椎変性すべり症や骨粗鬆症の研究に携わりました。
どうしたら、地域の開業医と基幹病院の間に良好な役割分担がされて、患者さまにとって不安や負担が少なく医療提供ができるのだろうかと考えた末、「すべて一貫して行えるクリニックをつくること」に到達しました。そこから、診察から手術、術後のフォローまで行えるという現在の診療スタイルになったのです。
症状やリスクをしっかりと共有し、ライフスタイルにあった治療を提案
治療方法は、お薬や注射のほか、手術があります。お薬や注射を使用しても痛みが改善せず、日常生活に支障が出る場合には、手術を行うという選択肢になります。当クリニックでは、痛みやしびれの症状に対する治療からリハビリテーションまで一貫して行い、いつでも相談しやすい体制を整えています。
椎間板ヘルニアの手術加療には除圧術と除圧固定術があります。脊柱に不安定性がない場合や脊柱の配列に異常がない場合は除圧術のみを行います。骨を削って神経の圧迫を解除しますが、神経についた傷までは修復できませんので術後にしびれや痛みが残ることがあります。そのため手術を希望される際はリスクについてもしっかりとお話をして、手術後の生活をなるべく想像しやすいように心がけています。
頸椎症の検査は、レントゲンやMRIなどを用いて、神経や骨の状態を確認したうえで総合的に診断します。頚髄は全身に指令を送る中枢神経になるので、もし歩きにくいなど運動機能に影響が出ている場合は、早めに手術治療を行うことをご検討いただいています。
トータル的な治療が行えるよう、機器や診療内容の拡充を図る
また私はこれまで、あまりスポーツをしてこなかったのでしたが、40歳を過ぎてからマラソンを始めスポーツをする方の気持ちが少しずつですがわかるようになりました。マラソンを始める前は、痛みがあるならスポーツなんてやめればいいと思っていたのです。今ではスポーツ障害で思う存分スポーツに復帰できない方の気持ちは痛いほどわかります。痛みを抑えながら早期にスポーツ復帰できるように一緒に考えますので、相談に来てください。