
院長
南條 知己
取材日:2021年11月24日
南條 知己先生(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医)にインタビュー
身体の中を直接観察し治療もできる内視鏡に興味を抱き消化器内科に進む
消化器内科の医師を目指した理由や開業の経緯を教えていただけますか?
両親が開業医だったので、小さな頃から医師という仕事を身近なものとして育ちました。患者さまから感謝される姿を見て、人の役に立てる仕事だと憧れ、自分も医師になりたいと思うようになりました。
医学部に進み、もともと機械が好きだった私は、身体の中を直接観察することができるという点にも惹かれ、内視鏡に興味を抱くようになりました。内視鏡検査をおこなえば、がんの早期発見も可能です。また、内視鏡を使えば開腹手術をせずに、ポリープ切除のような治療もおこなえるという点に可能性を感じ、消化器内科の道に進むことを決意しました。
私は大阪市東住吉区の出身です。生まれ育ったこの地域の皆さまに恩返しをしたいという思いから、2013年8月に当クリニックを開業することにしました。
医学部に進み、もともと機械が好きだった私は、身体の中を直接観察することができるという点にも惹かれ、内視鏡に興味を抱くようになりました。内視鏡検査をおこなえば、がんの早期発見も可能です。また、内視鏡を使えば開腹手術をせずに、ポリープ切除のような治療もおこなえるという点に可能性を感じ、消化器内科の道に進むことを決意しました。
私は大阪市東住吉区の出身です。生まれ育ったこの地域の皆さまに恩返しをしたいという思いから、2013年8月に当クリニックを開業することにしました。
胃・大腸内視鏡検査で胃がんや大腸がんの早期発見に尽力する
大腸がんは早期発見が大切だと言われていますがなぜでしょうか?
脂質や肉類を多く摂取することは大腸がんを引き起こすリスクのひとつと指摘されています。近年、食生活の欧米化が進んだことにより、日本でも大腸がんに罹患する方は増えています。大腸がんは、女性の死亡原因としても多いがんです。
一方で、早期に発見すれば改善が期待でき、内視鏡による切除も可能です。当クリニックでも内視鏡治療に対応しています。内視鏡治療が困難な場合には、手術をおこなえる病院をご紹介しています。大腸がんの症状は、下痢と便秘を繰り返す、血便などです。症状が現れた時は既に進行していることが多いため、何か違和感を覚えられたら、できるだけ早い段階でご相談いただきたいですね。
当クリニックでは、苦痛に配慮するため鎮静剤を使用した検査をおこなっています。女性の方は、大腸内視鏡検査に抵抗を感じる方も多いかもしれません。当クリニックは、肛門部にだけ小さな穴があいた検査着をご用意し、検査を受けやすい環境を整えています。大腸がんを早期発見するためにも大腸内視鏡検査を受けていただきたいと考えています。
一方で、早期に発見すれば改善が期待でき、内視鏡による切除も可能です。当クリニックでも内視鏡治療に対応しています。内視鏡治療が困難な場合には、手術をおこなえる病院をご紹介しています。大腸がんの症状は、下痢と便秘を繰り返す、血便などです。症状が現れた時は既に進行していることが多いため、何か違和感を覚えられたら、できるだけ早い段階でご相談いただきたいですね。
当クリニックでは、苦痛に配慮するため鎮静剤を使用した検査をおこなっています。女性の方は、大腸内視鏡検査に抵抗を感じる方も多いかもしれません。当クリニックは、肛門部にだけ小さな穴があいた検査着をご用意し、検査を受けやすい環境を整えています。大腸がんを早期発見するためにも大腸内視鏡検査を受けていただきたいと考えています。
大腸ポリープの切除は大腸がんの予防にもなるのでしょうか?
大腸の表面は粘膜でできていますが、この粘膜の一部がイボのように隆起してできたものを大腸ポリープと言います。大腸ポリープには、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープがあり、良性腫瘍(腺腫)のポリープは悪性化してがんになる恐れがあります。腺腫のうちに切除することで、大腸がんの予防にもつながります。
大腸ポリープは自覚症状がありません。便潜血検査で指摘された方や便通異常でご来院された方が、原因を調べるために大腸内視鏡検査をおこなったところ、たまたま見つかるというケースが多いですね。
大腸ポリープは切除も可能ですが、さまざまなリスクを考慮して、基本的には日をあらためての切除をご提案しています。ポリープの大きさによっては、穿孔や出血などのリスクが考えられ、血液検査やリスクのご説明をおこなう必要があるためです。ただし、お忙しくて何度も受診するのが難しいという場合、以前にも大腸ポリープを切除した経験がありあらかじめ切除をご希望される場合には、当日の対応も可能です。
大腸ポリープは自覚症状がありません。便潜血検査で指摘された方や便通異常でご来院された方が、原因を調べるために大腸内視鏡検査をおこなったところ、たまたま見つかるというケースが多いですね。
大腸ポリープは切除も可能ですが、さまざまなリスクを考慮して、基本的には日をあらためての切除をご提案しています。ポリープの大きさによっては、穿孔や出血などのリスクが考えられ、血液検査やリスクのご説明をおこなう必要があるためです。ただし、お忙しくて何度も受診するのが難しいという場合、以前にも大腸ポリープを切除した経験がありあらかじめ切除をご希望される場合には、当日の対応も可能です。
どういう症状があったら胃内視鏡検査を受けた方がよいでしょうか?
胃の粘膜内の細胞が、何らかの原因によってがん化したものが胃がんです。胃がんの症状は、胃・みぞおち辺りの痛みや不快感、胸やけ、げっぷ、吐き気、食欲不振、黒色便などですが、これらは胃がん特有の症状ではなく、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎でも起こります。また、早い段階では自覚症状が現れないことも多く、症状を我慢していたがために手遅れになってしまう恐れもありますので、何らかの違和感があった段階で早めにご相談いただければと思います。
胃内視鏡検査は、患者さまの苦痛に配慮して、基本的に鼻腔からスコープを挿入する経鼻内視鏡検査をおこなっています。舌の付け根を刺激せずに挿入できるので、嘔吐反射が起きにくくなるのです。
ヘリコバクターピロリ菌の感染のほか、塩分の多い食事、喫煙や多量の飲酒なども、胃がんのリスクになる可能性があると指摘されています。胃がんのみならず、消化器疾患全般に言えることですが、予防のためにも、できる限り暴飲暴食を控えていただくとよいでしょう。
胃内視鏡検査は、患者さまの苦痛に配慮して、基本的に鼻腔からスコープを挿入する経鼻内視鏡検査をおこなっています。舌の付け根を刺激せずに挿入できるので、嘔吐反射が起きにくくなるのです。
ヘリコバクターピロリ菌の感染のほか、塩分の多い食事、喫煙や多量の飲酒なども、胃がんのリスクになる可能性があると指摘されています。胃がんのみならず、消化器疾患全般に言えることですが、予防のためにも、できる限り暴飲暴食を控えていただくとよいでしょう。
ヘリコバクターピロリ菌感染症の検査と除菌治療で胃がんの予防も目指す
最近、消化器疾患の領域で注目されている疾患はありますか?
最近、興味深く注目している疾患と言えば、潰瘍性大腸炎とヘリコバクターピロリ菌感染症でしょうか。潰瘍性大腸炎は、昔からある病気なのですが、最近、発症する方が増えている病気です。指定難病で、中等症以上の患者さまや、軽症でも高額な医療を継続することが必要な患者さまは、医療費助成の対象となります。医療費助成の制度や適用範囲についても、疾患についてご説明する際に、一緒にお話ししています。
潰瘍性大腸炎の治療もいろいろと進歩しており、新たな薬が出てきています。5-ASA製剤は炎症を抑制するために用いる薬で、寛解期にも再発予防のため服用し続けていただく薬です。最近の薬は、小腸では溶けず、大腸まで到達してから成分を放出するように改良されています。
今はインターネットを活用して、新しい知識を得ることもできますので、日々、新しい情報を得て患者さまに還元できるように努めています。
潰瘍性大腸炎の治療もいろいろと進歩しており、新たな薬が出てきています。5-ASA製剤は炎症を抑制するために用いる薬で、寛解期にも再発予防のため服用し続けていただく薬です。最近の薬は、小腸では溶けず、大腸まで到達してから成分を放出するように改良されています。
今はインターネットを活用して、新しい知識を得ることもできますので、日々、新しい情報を得て患者さまに還元できるように努めています。
ヘリコバクターピロリ菌感染症の治療も進化しているのですか?
ヘリコバクターピロリ菌感染が、胃内視鏡検査で見つかった場合には保険適用で除菌治療をおこないますが、この除菌治療に用いる薬も進化しています。最近では、多くの方が一次除菌の段階で、除菌できるようになっているのです。
100年ほど前から胃の中に細菌がいるのではないかという説はありましたが、pH1~2という強酸性の胃酸の中で細菌が生息できるはずがないと否定もされてきました。しかし、胃酸の中でも生息できるヘリコバクターピロリ菌が発見されたのです。ヘリコバクターピロリ菌感染症は、かつては胃潰瘍を引き起こす危険因子であると指摘されていましたが、現在は、胃がんとの関連性も指摘されるようになりました。
ヘリコバクターピロリ菌に感染していても、何か自覚症状が起こるわけではありません。胃内視鏡検査をおこなう時に、一緒にヘリコバクターピロリ菌感染症の検査をしていただくことができますので、胃がんを予防するためにも検査や除菌治療を受けていただければと思います。
100年ほど前から胃の中に細菌がいるのではないかという説はありましたが、pH1~2という強酸性の胃酸の中で細菌が生息できるはずがないと否定もされてきました。しかし、胃酸の中でも生息できるヘリコバクターピロリ菌が発見されたのです。ヘリコバクターピロリ菌感染症は、かつては胃潰瘍を引き起こす危険因子であると指摘されていましたが、現在は、胃がんとの関連性も指摘されるようになりました。
ヘリコバクターピロリ菌に感染していても、何か自覚症状が起こるわけではありません。胃内視鏡検査をおこなう時に、一緒にヘリコバクターピロリ菌感染症の検査をしていただくことができますので、胃がんを予防するためにも検査や除菌治療を受けていただければと思います。
最後に、読者の方に向けたメッセージをお願いできますでしょうか?
胃痛、胸やけ、便秘、下痢などいつもと何か違うと感じることがあれば、ご相談ください。必要に応じて胃・大腸内視鏡検査をおこないます。当クリニックで対応が難しい疾患の場合には、近隣の医療機関にご紹介することもあります。胃内視鏡検査も大腸内視鏡検査も、苦痛に配慮した検査をおこなっています。食道や胃、腸などの不調があれば、まずはご来院いただき、検査を受けていただきたいと考えています。内視鏡検査によって、がんの早期発見、がんの予防を目指し、地域の皆さまのお役に立つことができれば幸いです。