
友田 岳志先生(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医)にインタビュー
診断から治療まで一貫して診られるよう、泌尿器科を中心に幅広く研鑽を積む
ただ、「一貫して患者さまを見守る」ためには、泌尿器科以外の知識も必要になります。そのため勤務医時代は、泌尿器科のほか、腫瘍内科や腎臓内科での診療、人工透析医療や在宅医療など、幅広く経験を積みました。勤務医時代にいろいろな経験をさせていただいたことが、今につながっていると感じます。
また、神奈川県立足柄上病院では、外来診療・手術に関してかなり鍛えられました。先輩医師の緊急入院により、泌尿器科の医師が私だけになってしまった期間があったためです。ほかの病院の先生などにもサポートしていただきながら、毎日朝から晩まで治療に携わっていたため、患者さまを診る技術はここでかなり培われたと思っています。その後に勤務した神奈川リハビリテーション病院では、排尿障害の経験が養われました。それぞれの病院で、師となる先輩方との縁に恵まれたことが、より深い学びにつながったと感じています。
決断をしてからは、泌尿器科以外も診られるようにと、人工透析医療や在宅医療などにも携わりました。何か気になる症状があったときや困ったときに、何でも気兼ねなく相談していただけるホームドクターでありたいという思いがあったからです。その思いのもと、「湘南台 腎泌尿器・漢方クリニック」では泌尿器科と漢方内科を軸に、幅広く診療を行っています。
東洋医学と西洋医学を組み合わせた治療で、再発予防・未病対策にも注力
例えば、初期治療であればほとんどの医師が対応できると思いますが、「症状の原因は何で、今後繰り返すリスクがあるのか、予防するためにはどうしたらいいのか」といったことは、専門知識を持った医師でないと難しい部分があります。
今後を予測し、再発を防ぐという観点で考えると、専門性を持った医師に相談するのが良いのではないかと思います。
当院での治療の特徴は、排尿の量や回数、時間帯、そして生活習慣といった細かい情報をもとに、治療方法をご提案することです。中には、食事をはじめとした生活習慣を見直していただくだけで、症状が改善される場合もあります。加齢や、脳・脊髄の病気、前立腺肥大症など、過活動膀胱になる原因はさまざまです。「1回の尿の量が少ない気がする」「頻繁にトイレに行くようになった」など、気になることがあれば気兼ねなくご相談ください。
現在は、アレルギー疾患や生活習慣病、婦人科疾患など、幅広い疾患・症状に漢方を活用しています。漢方治療は、原因がよくわからない症状や、体質改善などを得意としています。気になる症状がありましたら遠慮なくご相談ください。
「気になったらすぐ相談できるクリニック」を目指し、より良い環境づくりを
もう一つは、未病への対応です。未病とは、病気になる前の「病気予備軍」の状態を指す言葉です。「病気を治療する」だけではなく、「病気にならないための身体づくり」をサポートしていければと考えています。
例えば泌尿器科の分野では、前立腺がんの診断をAIが行うシステムが開発されています。医師の経験に、AIの診断技術が加われば、より早期発見・早期治療が可能になると思います。また、AIの技術を用いることで、遠隔での診断技術がより高くなることにも期待しています。
医療機関は、「少しの変化なんだけど気になる」という程度でもお越しいただける場所です。泌尿器科に限らず、何か気になることがあればお近くの医療機関へ足をお運びください。