尿蛋白が出る原因はストレスや妊娠など様々!3回以上続くなら病院へ

尿蛋白とは尿に含まれるたんぱく質で、この有無を調べれば腎臓の異常などがわかります。
ただし尿蛋白が表れる原因は様々なので、一概に病気があるとはいえません。
この記事では、尿蛋白が出る原因と病気の可能性について解説します。
尿蛋白とは?

尿蛋白とは文字通り、たんぱく質が混じった尿のことです。
尿には腎臓の「糸球体」という部分でろ過された不純物が混ざっていますが、たんぱく質は不純物ではないので尿に混ざることもありません。
しかし何らかの原因でたんぱく質が糸球体を通過すると、尿と混じって体外へ排出されます。
1.正常値の目安
少量の尿蛋白であればそれほど珍しくはないので、経過をみても良いでしょう。
ただし多量のたんぱく質が尿に混じった場合は異常と判断されます。
一般的には下記が正常値と異常値の目安となります。
| (-)14mg/dl以下 | 正常 |
| (±)15~29mg/dl | |
| (+)30~99mg/dl | 異常 |
| (++)100~299 mg/dl | |
| (+++) 300~999 mg/dl | |
| (++++)1000 mg/dl以下 |
異常が出た場合は再度尿検査や血液検査を行い、腎機能やその原因となる病気の有無を調べます。
尿蛋白の原因とは?
1.生活環境や精神的不調など

次のような生活環境や精神的不調が原因で尿蛋白が出ることがあります。
これらは生理的尿蛋白とよばれるもので特に心配はいりませんが、3回以上基準値を超える場合は精密な検査が必要です。
風邪や高熱
体調不良によって、腎機能を含め体が正常に機能していないためです。
激しい運動
激しい運動に追いつかず、体の機能が混乱を起こしている状態です。
たんぱく質の過剰摂取
たんぱく質は糸球体でろ過することができないため、摂りすぎると処理が追いつかず、尿に混じって排出されます。
入浴
水圧によっては腎臓を圧迫する可能性があるためです。
脱水
出す胃によって腎機能が低下することが原因とさています。
ストレス
ストレスは自律神経を乱し、体の異常を引き起こします。これによって体の機能に支障が出るという仕組みです。
2.女性特有の体調変化によるもの

生理
生理前には、膣からの分泌物と一緒に尿蛋白が出ることがあります。
ホルモンバランスの変化によるストレスが原因となるほか、尿に月経血が多少混ざることで尿蛋白が認められます。
妊娠
妊娠すると胎児の分までたんぱく質のろ過が必要となるため、母体に負担がかかって尿蛋白が出やすくなります。
ただし検診のたびに尿蛋白が確認できる場合、「妊娠高血圧症候群」の可能性もあります。
母体の命に関わるほか、流産や胎盤早期剥離などで胎児に影響が出ることもある危険な状態です。
3.病気が影響している場合も

病気が原因で尿蛋白が出ている場合もあります。
慢性腎炎
急性腎炎が悪化して慢性化すると、日常的に尿蛋白が出やすくなります。
慢性腎炎は発症に気づかないことが多いため、急性腎炎はしっかり完治させることが大切です。
尿路感染
尿路(腎臓や膀胱など)が細菌に感染すると、その部分が炎症を起こします。腎臓への感染なら腎炎、膀胱なら膀胱炎といった病名です。
尿路感染を起こすと尿蛋白が出るほか、次ような症状もみられます。
- 排尿痛
- 頻尿
- 血尿
抗菌薬で治療を行い、重症な場合は入院が必要となります。
腎臓の奇形
腎臓に奇形があると、尿蛋白や血尿が表れやすくなります。
腎臓の奇形はCTや超音波による画像検査で診断され、結果をみて医師と相談しながら治療方針を決めていきます。
腎前性尿蛋白
腎臓よりも前の尿細管に原因があり、血中にたんぱく質が異常に増えて尿蛋白が出る状態です。
腎前性尿蛋白は下記の病気が原因となるほか、妊娠によって引き起こされることもあります。
- 多発性骨髄腫
- 溶血性疾患
- 横紋筋融解症
- 甲状腺機能亢進症
- 心不全
腎性尿蛋白
腎臓に原因があって尿をろ過することができず、尿蛋白が漏れ出ることをいいます。
次の病気が原因となります。
- 糖尿病性腎症
- 糸球体腎炎
- ネフローゼ症候群
- 腎硬化症
- 膠原病
- アミロイド腎
- 妊娠高血圧症候群
- ファンコニ症候群
- Lowe症候群
- Wilson病
また頻度は低いですが、重クロム酸、水銀・カドミウムなどによる中毒や、薬剤による腎毒性があります。
腎後性尿蛋白
腎臓よりも後の段階(尿管・膀胱・尿道)に異常があって尿蛋白が出ていることをいいます。
尿路の炎症や結石、腫瘍などが原因となります。
子どもの尿蛋白について

子どもは3歳児検診や学校で行う尿検査のときに、尿蛋白が見つかるケースが多いです。
原因としては既述したほかに、子ども特有のものがあります。
1.起立性蛋白尿
子どもの尿蛋白の大部分を占める原因で、体の変化によって一時的にみられます。
成長とともに尿蛋白は検出されなくなるので、子どものうちは何度か表れても特に問題はありません。
2.溶連菌感染
溶連菌への感染がきっかけで「急性糸球体腎炎」に発展すると、その症状として尿蛋白がみられることがあります。
ほかに次のような症状もみられますが、早期に治療をすれば1~2ヵ月で改善します。
- むくみ
- 頭痛
- 血尿
- 尿量の減少
まとめ
一度目の検査で尿蛋白がみられたら、再度検査を受けて原因を突き止めることが大切です。
特に病気などが見つからなければ、生活習慣や体調などによる一時的なものだと思ってOKです。
検査の結果腎臓などに病気が見つかった際は、適切な治療を受けてしっかり治しましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2005年3月 久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月 福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月 久留米大学病院 泌尿器科 入局
久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月 久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月 久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月 久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月 陶山クリニック開院
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