耳垢の色には理由が!黒や茶色だと病気?菌やカビが原因のことも!

耳垢は、薄い白色や黄色、茶色など、人や環境によって色が違います。
耳垢の色が急に変わったり、人と違ったりすると「病気ではないか?」と不安になりますよね?
この記事では「耳垢の色」を中心に、考えられる病気や病院へ行くべきかどうかについても解説しています。
耳垢の色が普段と違う原因は?
1.普通の耳垢の色とは?

耳垢には2種類のタイプがあった
耳垢の種類は大きくわけて、「カサカサした耳垢」と、「しっとりと湿った耳垢」の2つです。
カサカサした耳垢の特徴
カサカサした耳垢は、『乾性耳垢(かんせいじごう)』といって、は日本人に多い種類です。
灰白色で、ウロコのように粉っぽいのが特徴です。

しっとり湿った耳垢の特徴
しっとりと湿った耳垢は、『湿性耳垢(しつせいじこう)』といって、欧米人のほとんどに見られます。
黄褐色 でしっとりと湿っているのが特徴です。
2.耳垢の色が変わることがあるのはなぜ?
耳垢の色は、耳の中の状態によって変わる!?
一般的には、白っぽい耳垢・黄色っぽい耳垢・茶色っぽい耳垢が多いとされています。
しかし、場合によっては、濃い茶色や黒色の耳垢がでることもあります。
乾燥の度合いによって、耳垢の色も変わります

耳垢に含まれる物質の特徴で、乾燥している場合は白っぽい色になり、湿っている場は茶色っぽくみえる 傾向があるとされています。
黒色の耳垢について(新生児の場合)
新生児は、耳の中に残っていた羊水が固まって耳垢が黒くなることがありますが、とくに心配はいりません。

黒色の耳垢について(大人の場合)
大人は、耳の中にできた傷が出血して血液が固まって黒くなることがあります。
黒色の耳垢について(高齢者の場合)
高齢者は、長い間耳垢をためた状態にして黒くなることがあります。
3.人によって耳垢の色がちがうのはなぜ?
耳垢のタイプや色は人それぞれ

耳垢には個人差があり「左右の耳で異なったタイプや色の耳垢が出る」という人もいます。
また「湿性耳垢」にも「乾性耳垢」にも分類できないような、両方の特性を持った耳垢 もあります。
耳垢の成分や物質の量によっても色が変わります
耳垢には、外耳道の皮膚にある皮脂腺と耳垢腺の分泌物・はがれ落ちた皮膚・「ちり」や「ほこり」などが混ざっています。
そのため、それらの量の割合によって色も異なってきます。
少々粘つきがあり、黄色っぽい感じであれば皮脂によるものだと考えられます。
病気の可能性がある耳垢について

耳から粘液や膿の混じったもの(耳だれ)が出てくるようであれば、炎症や細菌感染を起こしている可能性があります。
以下の場合はすみやかに耳鼻いんこう科を受診しましょう。
1. 急性中耳炎の耳垢
黄色っぽい粘り気のある膿が特徴

細菌やウイルスに感染することによって『急性中耳炎』になると、中耳に膿がたまります。
鼓膜が破れることで黄色っぽい粘り気のある膿(耳だれ)が出てきます。
急性中耳炎の治療について
細菌感染による炎症の場合は、抗生物質を用いて中耳炎と内耳炎を同時に治療していきます。
内耳の神経障害に対しては「ビタミン剤」や「副腎皮質ステロイド薬」を使用します。
また、慢性中耳炎による『真珠腫』の場合には、抗生物質の投与によって炎症を抑えます。
その際に内耳の骨が破壊されていたら「鼓室形成術」という手術によって外科的な治療を行います。
2.外耳道真菌症の耳垢
外耳道にカビが入ると、白色や黒色の耳垢が出る!

外耳道炎の合併症である『外耳道真菌症』の場合、外耳道に「真菌」という水虫と同じようなカビ類の菌がついて、耳垢が白色や黒色になる ことがあります。
また、痛みや強いかゆみ・耳漏(じろう)・外耳道が腫れるなどの症状があります。
耳かきや爪で外耳道を傷つけているかも?
外耳道炎は、ほとんどが耳かきや爪で外耳道が傷つくことによって起こります。
外耳道が健康で炎症も軽度であれば、多くの場合は放置したままでも自然に治ります。
1~2日たっても症状が治らない場合は、耳鼻いんこう科を受診するようにしましょう。

外耳道炎の治療について
外耳道炎の一般的な治療としては、「外耳の消毒」・「抗生剤や副腎皮質ステロイド薬を含んだ軟膏を塗布する」・「抗生剤の内服」などをおこないます。
ほとんどはこれで治まりますが、『外耳道湿疹』『外耳道真菌』などの合併症を起こしていると、「耳の洗浄」をおこなうことがあります。
3.悪性外耳道炎の耳垢
まれにしか発症しない、命にかかわる病気

悪性外耳道炎の場合は、黄緑色をした膿性の耳だれが見られ、外耳道の腫れや難聴などを引き起こします。
進行性があるため、いったんかかると治りにくい病気です。
「緑膿菌」という菌に感染することで、外耳道の皮膚だけでなく、周囲の軟骨や骨までもが破壊され、ひどい場合は、頭の中にまで菌が進行することもあります。
悪性外耳道炎は重篤な病気によって発症します
悪性外耳道炎は、全身の状態がよくない、糖尿病・白血病・がんの末期の人などにみられます。
そのため、耳だけでなく全身の状態を改善する治療をおこなうことが大切です。
4.悪性腫瘍

悪臭とともに血の混じった膿(耳だれ)が出ます
外耳に腫瘍ができると、悪臭のある血の混じった膿(耳だれ)がでることがあり、痛みをともないます。
耳は手術がおこないにくい場所。早期発見が大切
耳に悪性腫瘍ができることは非常にまれです。もし見つかった場合は手術と合わせた治療をおこないますが、耳は脳が近いため、手術も根治的におこないにくい場所です。
そのため、予後のよくないがんの一つといわれています。とにかく、早期発見が大切です。
病院を受診すべき症状
1.耳垢の色の異変だけでなく、ほかの症状にも要注意!
耳に痛みがある・あごを動かすと痛い・発熱・かゆみ・耳が赤くなる・耳が詰まった感じがするなどの症状があれば、早めに耳鼻いんこう科を受診しましょう。
自然治癒することもありますが、早めの治療で重症化を防ぎましょう。
2.耳垢を自分でとりにくい場合

自分でとりづらい耳垢は、耳鼻いんこう科を受診しでとってもらいましょう。
無理に自宅でとってしまうと、耳垢を押し込んでしまい、炎症の原因になることがあります。
まとめ
耳垢の色には、個人差があります。
通常、白っぽい黄色から茶色であることが多いのですが、場合によっては黒色のこともあります。
耳垢以外の症状がなければとくに心配はいりませんが、病気が隠れていることもあります。
耳のかゆみや痛み、耳が詰まった感じがするなど、不快な症状があればすぐに耳鼻いんこう科を受診しましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2002年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年6月 幕内会 山王台病院 外科
2007年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年6月 関東労災病院 外科
2009年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年10月 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年11月 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
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