武富 弘敬先生(日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医)にインタビュー
患者さまに頼られている開業医の先生に憧れを抱き、医師を志す
それからはクリニックでの日常的な診療風景に憧れ、かぜ症状などの身近な病気をしっかりと診察できる、内科か耳鼻咽喉科のどちらかに進もうと考えていたところ、「鼻やのどを専門的に診られるのは耳鼻咽喉科だよ」と臨床研修をしていた時代の上司からアドバイスをいただき、耳鼻咽喉科を選択しました。また、耳鼻咽喉科疾患は小さなお子さまからご年配の方まで年齢問わず発症しますので、幅広い年齢層の方の手助けができるのも魅力を感じた理由の一つです。
耳鼻咽喉科に対して、手術のイメージを持っている方はあまりいらっしゃらないかと思いますが、大学病院などでは多くの手術が行われています。私は主に、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の手術を担当する機会が多く、加えて、緊急を要する疾患にも携わらせていただきました。そのおかげで、クリニックを開業した現在も緊急性の見極めや、手術適応の有無などの鑑別ができるようになりましたね。
私はもともと開業医の先生に憧れていましたし、内科などに比べると耳鼻咽喉科は数も少ないですから、この町に1軒でもあれば地域の方々の手助けになれるかなと思い、開業に至りました。
「日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医」の資格を取得していることで、耳鼻咽喉科に特化していることが目に見えてわかりますし、患者さまに対して説得力のある説明ができたり、より専門的な医療を提供できたりします。このようなメリットを考え、資格取得に至りました。
舌下免疫療法に前向きに取り組めるようコミュニケーションを大切にする医師
しかし、舌下免疫療法は3~5年と長期にわたる治療になるので、途中で辞めてしまう患者さまも少なくありません。初めは興味があってスタートしても、月に1回の受診と毎日1回の服用を続けることが苦痛に感じてしまう方もいらっしゃいます。そのため、治療を継続するメリットをお伝えしたり、経過を一緒に確認したりして、少しでも前向きな気持ちで取り組めるよう、お声がけをしています。
診療時に心がけているのは、のどや鼻の中が狭くなっていないか、見逃さないようにすることです。また、症状の程度によってご提案する治療方法も変わりますので、しっかりと検査を行うようにしています。検査は、コンパクトな機器をご自宅に持ち帰り、寝ている間に呼吸が止まった回数やいびきの回数をカウントするというものです。
その後、検査結果をもとに、就寝時にマウスピースを装着するのか、CPAPを用いて呼吸がしやすいよう環境を整えるのか、患者さまと相談しながら治療方法を決定していきます。
診療の流れとしては、聞こえが悪いという方に対して検査を行い、難聴が加齢によるものかを判断します。もし加齢が原因であれば補聴器を試してみませんかという形でご提案します。補聴器を試したいという方には、改めて補聴器診療という形で予約を取り、後日ご来院いただきます。補聴器の重要性を実感していただきたいですし、慣れていただくためにも2~3カ月程度は無料でお貸し出しします。患者さまが日常生活に役立つと感じたのなら購入を検討していただきますし、有用性を感じない場合は少し様子を見て、また聞こえに困るようでしたらご相談くださいという流れになります。
「ここで診てもらいたい」と思えるよう、接遇を大切にしたクリニック
そのほか、総合病院などとも綿密に連携を取り、手術などを必要とする患者さまをスムーズにご紹介できる環境を整えていきたいです。待ち時間が軽減できるような体制を強化したり、お子さまが受診しやすいよう工夫したりして、よりよいクリニックづくりにも一層力を入れていきたいですね。
お子さまであれば診療を嫌がってしまうこともありますが、親御さまと連携を取りながら無理のない範囲で治療を進めるなど、できるかぎり快適に受診してもらえるよう心がけています。もちろんお子さまに限らず、大人の方に対しても「このクリニックにまたお願いしたい」と思われるような行き届いた配慮を忘れず、診療にあたっていく所存です。
長引く鼻水やくしゃみなどでお困りの方は気兼ねなくご相談ください。特に、スギ花粉症とダニアレルギーに対しては舌下免疫療法という治療を行うことができます。
当クリニックでは、患者さまが納得して帰っていただけるような治療や接遇を心がけています。地域のかかりつけのクリニックとして、皆さまのお力になれれば幸いです。