今まで診てきた患者さんの中で心に残っている印象的なエピソードがあれば教えてください。

全てが私の中では印象的ではありますが、やはり治療に難渋するような疾患、例えばメラノーマや血管肉腫といった悪性の腫瘍や全身に水疱ができる自己免疫性水疱症や重症の薬疹の患者さんのことは印象に残っています。

はじめて来院された患者さんに対して心がけていることがあれば教えてください。

まずは患者さんのお話をしっかりと聞くことを心がけています。「いつから症状がはじまったのか？」「どのような経過をたどってきたのか？」など詳しくお聞きして、どのような病気にかかっている可能性があるのか、一つひとつご説明しています。その際、今後の経過についても、できるだけ具体的にお伝えしています。「どのくらいで治るか」「どのような症状があらわれたら再診が必要か」こういった情報が具体的であればあるほど、患者さんに余計な不安を感じさせないことにつながると思いますし、症状の悪化をふせげる可能性も高くなるはずです。また、塗り薬を処方する際には、薬の塗り方の説明もおこなっています。薬は正しい使い方をしなければ治療がうまくいかないことがありますから、こうした説明は治療の一環と考えています。

病院が苦手なお子さまのためにおこなっている工夫があれば教えてください。

最初に不安を与えないことを心がけています。お子さまはきっと「病院に行くと痛い思いをするから行きたくない」と思っている場合もあると思います。ですから、お子さまご本人に向けて声をかけるなど、なるべく不安を与えないようつとめています。それでも怖がってしまうお子さまもいますが、だいたいは、2回3回と回を重ねるうちに慣れてきてくれます。また、親御さまとしっかりコミュニケーションをとるようにもしています。親御さまが不安を感じていたら、お子さまも緊張してしまうでしょうから。理解できそうであれば、お子さまご本人にも病気について説明をしています。やはり納得して治療を受けられるかどうかで、ご本人の気持ちが変わってくるところはあると思います。

とくに力を入れている治療はありますか？

どのような病気であっても等しく力を尽くしていますが、ひとつあげるとすれば紫外線療法があります。当院は全身型の紫外線治療器を導入しているため、1回の施術につき1～3分の時間で、全身に均等に紫外線を照射することが可能です。乾癬やアトピー性皮膚炎などにお悩みの方はご相談にいらしてください。かゆみなどの症状が緩和できるかもしれません。