地域から広がる笑顔を目指し、お子さまとご家族のお悩みをサポートする医師
院長
渡辺 聡
取材日:2022年11月16日
渡辺 聡先生(日本小児科学会認定 小児科専門医)にインタビュー
家族や地域全体が幸せになれば、子どもたちも自然と笑顔になる
先生が小児科を学ぼうと思ったきっかけがあれば教えてください。
小児科の医師だった父のもとで生活を送っていたことが大きな理由の一つです。「わたなべ小児科医院」は1989年に父が開業をし、多くの親御さまと真摯に向き合い、お子さまの健康と成長をサポートする、そんな姿を見ているうちに自然と医師を志していましたね。
2003年に「名古屋市立大学 医学部 医学科」を卒業後、地元長崎に戻り、「長崎大学医学部・歯学部附属病院」「長崎市立市民病院」などで診療経験を積んでまいりました。大学時代も小児科の勉強を続けていましたし、いずれは小児科の医師に進むものだと考えていましたね。やはり小児科の魅力は、将来を担うお子さまの未来の実現を手助けできることに尽きます。
2003年に「名古屋市立大学 医学部 医学科」を卒業後、地元長崎に戻り、「長崎大学医学部・歯学部附属病院」「長崎市立市民病院」などで診療経験を積んでまいりました。大学時代も小児科の勉強を続けていましたし、いずれは小児科の医師に進むものだと考えていましたね。やはり小児科の魅力は、将来を担うお子さまの未来の実現を手助けできることに尽きます。
大学時代あるいは勤務医時代に注力して勉強されていたことはありますか?
2012年、小児科の医師として遺伝学の教室に出向という形で、大学院にて勉強をしました。もともとは、大学生のときに遺伝学とも密接に関わっている低身長や思春期の問題を学んでいましたが、遺伝子の分野についてより詳しく研究することになりました。
ちょうど私が入学した頃に「次世代シーケンサー」と呼ばれる装置が実用化されたのですが、装置を活用することで膨大な量のデータを収集・解析し、より有益な知識を得られるようになりました。それによって、診断が難しい病気の原因を見つけられるようになった時代でした。この大学院時代の経験は今になっても十分生かされていると思いますね。
ちょうど私が入学した頃に「次世代シーケンサー」と呼ばれる装置が実用化されたのですが、装置を活用することで膨大な量のデータを収集・解析し、より有益な知識を得られるようになりました。それによって、診断が難しい病気の原因を見つけられるようになった時代でした。この大学院時代の経験は今になっても十分生かされていると思いますね。
クリニックはお父さまからご継承された形になるのでしょうか?
「わたなべ小児科医院」は父親から継承しました。私が目指している“医院の理想像”は、お子さまだけの幸せを願うだけでなく、それを取り巻くご家族やその周囲の方々、地域全体も幸せになることです。
特に遺伝学的な分野を学んできたからこそ、単に病気を診療するだけでなく、お子さまや親御さまがのびのびと暮らせるようアドバイスし、サポートすることも医師としての役目だと考えています。不登校気味のお子さまが相談に来た場合は、「楽になるために学校に行こうね」「学校に行けば自動的に全部教えてくれるし、ひとりで全部やるのは大変だよね」など、お子さまの将来や気持ちに寄り添いながらお話しています。こうしたアドバイスができるのは、いろいろなタイプのお子さまと関わってきたことが大きく影響していると思いますね。
特に遺伝学的な分野を学んできたからこそ、単に病気を診療するだけでなく、お子さまや親御さまがのびのびと暮らせるようアドバイスし、サポートすることも医師としての役目だと考えています。不登校気味のお子さまが相談に来た場合は、「楽になるために学校に行こうね」「学校に行けば自動的に全部教えてくれるし、ひとりで全部やるのは大変だよね」など、お子さまの将来や気持ちに寄り添いながらお話しています。こうしたアドバイスができるのは、いろいろなタイプのお子さまと関わってきたことが大きく影響していると思いますね。
お子さまだけでなく、親御さまが抱える不安も消してあげることが大事
医院としての取り組みや大事にしている部分があれば教えてください。
大学病院時代は感染症治療にも取り組んでいました。そうした経験があり、当院でも感染症対策は十分気を付けていますね。また医院を継承するにあたり、リフォームの必要があると判断し、待合室を一部屋増やしました。現在、待合室は二部屋となり、片方の部屋は隔離室として使用しています。
当院では長崎市の乳幼児健診や定期予防接種を受けられるお子さまと、診療でご来院されるお子さまが別々の空間になるよう配慮していますので、気兼ねなく過ごしていただけます。また予防接種については時間を区切っておらず、診療時間内であればいつでも受診できるのも特徴だと思いますね。
当院では長崎市の乳幼児健診や定期予防接種を受けられるお子さまと、診療でご来院されるお子さまが別々の空間になるよう配慮していますので、気兼ねなく過ごしていただけます。また予防接種については時間を区切っておらず、診療時間内であればいつでも受診できるのも特徴だと思いますね。
子育てについてのご相談は、どのようにご対応されていますか?
どうしても子育てが上手くいかないとネガティブな方向に考えがちになってしまいます。核家族化が進行し、近所付き合いが激減した現在、孤独の中で子育てしている方が多いと感じます。
私はこれまでに自閉症やADHDの症状が強いお子さまをたくさん診てきましたが、発達障害は遺伝だけが原因でなく、家庭環境による影響も少なくありません。当院は、選択肢のひとつとして療育を提案しております。お子さまへの支援はもちろん、親御さまも療育を受けることで、困ったときにいつでも相談することができます。どうか一人で悩まず、お子さまの生活について一緒に考え、お話しましょう。
私はこれまでに自閉症やADHDの症状が強いお子さまをたくさん診てきましたが、発達障害は遺伝だけが原因でなく、家庭環境による影響も少なくありません。当院は、選択肢のひとつとして療育を提案しております。お子さまへの支援はもちろん、親御さまも療育を受けることで、困ったときにいつでも相談することができます。どうか一人で悩まず、お子さまの生活について一緒に考え、お話しましょう。
先生が診療でこだわっている点や注力していることがあれば教えてください。
低身長や思春期特有の問題にも対応していますので、ホルモン療法による治療ができます。だるさや鼻水が止まらないなど、体調不良を起こしているお子さまに対しては、漢方薬を処方することが可能ですね。
診療でこだわっているポイントは怒られない・嫌な思いをしない診療です。例えば、熱が出てすぐ小児科に行ったら「こんなに早く来ても意味ないよ」と先生に言われたので、今度は時間をおいて病院に行ったら「なんでもっと早く来なかったの」と言われて結局は怒られるみたいな。そういうのは私も嫌ですし、患者さまには良い気分で帰ってもらいたいですよね。
診療でこだわっているポイントは怒られない・嫌な思いをしない診療です。例えば、熱が出てすぐ小児科に行ったら「こんなに早く来ても意味ないよ」と先生に言われたので、今度は時間をおいて病院に行ったら「なんでもっと早く来なかったの」と言われて結局は怒られるみたいな。そういうのは私も嫌ですし、患者さまには良い気分で帰ってもらいたいですよね。
小児疾患のすべてを地域の医院で受け入れられるようにするのが目標
「日本小児科学会認定 小児科専門医」として、今後目指すことはありますか?
小児科はプライマリ・ケアの最たるものではないでしょうか。当院の「家族みんなが笑顔に」という願いを大切にしながら、対応できることはなんでもやりたいと思います。あとは、気持ちが温かいスタッフが揃っているのも、当院の自慢ですね。誰に対しても優しく接してくれて、院内の雰囲気を和ませてくれます。この感じをこれからも継続していければと思っています。
小児医療においての課題や改善したい点などはございますか?
一口に小児科と言っても専門分野は細かく分かれています。例えば、痙攣など知識があまりない疾患は対応が難しい部分もあります。現状、そのような場合は連携している病院までご紹介していますが、今後は治療が進歩して地域の医院やクリニックで診られる時代が来ることを望んでいます。そのためには、地域に医院を構える我々小児科の医師が切磋琢磨しながら、新たな知識や技術の向上に取り組む必要があると思いますね。
最後になりますが、患者さまへメッセージがあれば一言お願いいたします
気になることがあれば何でも構いませんので、いつでも相談・質問してください。当院は優しいスタッフが揃っています。今後も患者さまとそのご家族の気持ちに寄り添える医院でありたいと思っています。これからも、よろしくお願いします。