中村 信義先生(日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医)にインタビュー
関節リウマチや交通事故による外傷などにスタッフが一丸となってサポート
よく「ヒヤリ・ハット」という言葉が聞かれますが、大事故になっていた可能性のある出来事を無くすことが大切ですね。そのためには、医師が一人しっかりしているだけでなく、看護師や事務員も含めてすべてのスタッフが注意をしておくことが重要になると思います。当然、最終的には医師の責任ではあるんだけれども、スタッフが誰か一人でも異変に気付けば、防げる事故は多いですよ。ですから、「おかしいものはおかしい」とスタッフが言い合える環境を大切にしていますね。
日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医としての知見をきちんと説明します
一方で、治療の進め方などに納得がいかず当院に来るまでに複数の整形外科に通ってきたという患者さまや、治療をきちんと行えば治ると信じている患者さまもいます。関節リウマチは100%治ると思ってしまうのは困ります。例えば、関節リウマチで使用する注射は諸刃の剣で、治療に役立つ反面、大きな副作用が起こることもあります。それは、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医として、きちんと説明をさせていただきます。
患者さまが訴える内容をきちんとお伺いし、当院で疑いに気付いて差しあげられたら、症状の背景にある病気を埋もれさせないで済むんです。治療も検査も何もできないまま下手したら長期間、症状を抱えてしまうような、そんな不幸を生みたくないと僕は思っています。実際の診断は脳外科の医師にお願いするため、当院では別の医療機関につなげるだけにはなりますが、疑わしい場合はすぐに検査を受けていただくようにお声がけしています。
院長と副院長、それぞれの強みを生かして目指す整形外科を作り上げていく
また、「手術をしない医師はダメ」といった考え方もありますが、僕は手術一辺倒ではいけないと考えています。「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として、手術以外の選択肢も提案していきたいなと思いますね。
さらに、患者さまにできる限り負担をかけないよう、開業当初から院内処方を採用しています。僕と副院長との2名でそれぞれの医師の特性を生かしながら、多くの患者さまに関わらせていただいています。患者さまの話をじっくりと聞くという意味では、副院長はうまいですよ。最後に副院長からも話をさせますね。
福山市民病院では、主に交通事故などで体のあらゆる部位に傷を負っている「多発外傷」の患者さまへの対処を学ばせていただきました。日本鋼管福山病院では、主にひざ・肩・腰などの慢性疾患の処置や手術を学び、人工関節の手術も経験しました。ですから、勤務医時代に急性期の患者さまに対する処置と慢性期の患者さまに対する治療との両方を学んできたと言えるかと思います。
当院では、ひざ・肩・腰の痛みを訴えて来院される患者さまに、手術以外の「保存的治療」を行っています。また、骨折を予防するため骨粗しょう症に対する治療や関節リウマチの治療にも力を入れています。私自身、「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として、地域の患者さまにとって受診しやすい整形外科を目指していきたいと思います。