
理事長
中村 信義
取材日:2022年7月12日
中村 信義先生(日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医)にインタビュー
関節リウマチや交通事故による外傷などにスタッフが一丸となってサポート
勤務医時代も含めて、整形外科の医師として力を入れてきた分野は何ですか?
昔から主にケガなどの「外傷」と「交通事故」、それから「関節リウマチ」の治療に力を入れてきました。特に、「日本リウマチ学認定 リウマチ専門医」として、関節リウマチの治療に取り組むことに充実感があります。というのも、僕が医師になった40年ぐらい前は、関節リウマチの治療が割と急速に進み出した頃です。それまでは治らない病気と言われていましたが、そうとも限らないような兆しが見えてきた時代でした。現在も、薬剤や注射など治療法も含めて日々進歩をし続けており、症状にもよりますが、必ずしも手術をしなくてもいい状況になってきています。もちろん難しいところもありますが、治療をすることで症状が軽減する人が増えているので、非常にやりがいを感じています。
中村整形外科では、どんなことを重視して患者さまの診療を行っていますか?
医師とは、いつもより良い治療を進めていくことが当たり前の職業です。その背景には誤診や投薬ミスなどを起こさないために、いろいろなことに気付ける状態にいる必要があると思います。僕が大切にしているのは、何でも疑ってかかることです。医療だけでなく、どんな仕事でもそうだと思いますが、良い結果を想定するばかりではなく、悪い結果も疑っておく方がいいと思いますね。
よく「ヒヤリ・ハット」という言葉が聞かれますが、大事故になっていた可能性のある出来事を無くすことが大切ですね。そのためには、医師が一人しっかりしているだけでなく、看護師や事務員も含めてすべてのスタッフが注意をしておくことが重要になると思います。当然、最終的には医師の責任ではあるんだけれども、スタッフが誰か一人でも異変に気付けば、防げる事故は多いですよ。ですから、「おかしいものはおかしい」とスタッフが言い合える環境を大切にしていますね。
よく「ヒヤリ・ハット」という言葉が聞かれますが、大事故になっていた可能性のある出来事を無くすことが大切ですね。そのためには、医師が一人しっかりしているだけでなく、看護師や事務員も含めてすべてのスタッフが注意をしておくことが重要になると思います。当然、最終的には医師の責任ではあるんだけれども、スタッフが誰か一人でも異変に気付けば、防げる事故は多いですよ。ですから、「おかしいものはおかしい」とスタッフが言い合える環境を大切にしていますね。
日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医としての知見をきちんと説明します
先生が力を入れている「関節リウマチ」の診療についてお聞かせください。
最近では、患者さま自身が関節リウマチについてよく調べていて知識をお持ちですから、「関節リウマチではないか」と思って来院する患者さまのほとんどは実際に関節リウマチであることが多いですね。
一方で、治療の進め方などに納得がいかず当院に来るまでに複数の整形外科に通ってきたという患者さまや、治療をきちんと行えば治ると信じている患者さまもいます。関節リウマチは100%治ると思ってしまうのは困ります。例えば、関節リウマチで使用する注射は諸刃の剣で、治療に役立つ反面、大きな副作用が起こることもあります。それは、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医として、きちんと説明をさせていただきます。
一方で、治療の進め方などに納得がいかず当院に来るまでに複数の整形外科に通ってきたという患者さまや、治療をきちんと行えば治ると信じている患者さまもいます。関節リウマチは100%治ると思ってしまうのは困ります。例えば、関節リウマチで使用する注射は諸刃の剣で、治療に役立つ反面、大きな副作用が起こることもあります。それは、日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医として、きちんと説明をさせていただきます。
むち打ちの症状に悩まれている患者さまには、どのような診療を行いますか?
交通事故のあと、首の痛みや頭痛があってずっと調子が悪い。むしろどんどん悪くなっている。そんなむち打ちの患者さまで多いのが「脳脊髄液漏出症」を起こしているケースです。脳脊髄液が漏れ出てしまう疾患で、当院ではむち打ちを訴える患者さまの1/3ぐらいは該当するのではないかと思います。早い段階で治療をしないと症状が長引いてしまうことがありますから、気になる患者さまがいたら詳しい検査をご提案しています。
患者さまが訴える内容をきちんとお伺いし、当院で疑いに気付いて差しあげられたら、症状の背景にある病気を埋もれさせないで済むんです。治療も検査も何もできないまま下手したら長期間、症状を抱えてしまうような、そんな不幸を生みたくないと僕は思っています。実際の診断は脳外科の医師にお願いするため、当院では別の医療機関につなげるだけにはなりますが、疑わしい場合はすぐに検査を受けていただくようにお声がけしています。
患者さまが訴える内容をきちんとお伺いし、当院で疑いに気付いて差しあげられたら、症状の背景にある病気を埋もれさせないで済むんです。治療も検査も何もできないまま下手したら長期間、症状を抱えてしまうような、そんな不幸を生みたくないと僕は思っています。実際の診断は脳外科の医師にお願いするため、当院では別の医療機関につなげるだけにはなりますが、疑わしい場合はすぐに検査を受けていただくようにお声がけしています。
院長と副院長、それぞれの強みを生かして目指す整形外科を作り上げていく
院長先生が日本整形外科学会認定 整形外科専門医として心がけていることは?
デメリットやネガティブな情報も隠さず患者さまにお話しするようにしています。例えば、鎮痛剤をお出しするときも、胃に負担をかけやすい、吐き気や頭痛、眠気を引き起こしやすいなど副作用の情報をお伝えしています。事前に伝えることで、患者さまも立ち止まって考えることができますからね。口当たりのいいことばかりを話して、あとで患者さまに不安を与えてしまう状況は避けたいと考えています。
また、「手術をしない医師はダメ」といった考え方もありますが、僕は手術一辺倒ではいけないと考えています。「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として、手術以外の選択肢も提案していきたいなと思いますね。
さらに、患者さまにできる限り負担をかけないよう、開業当初から院内処方を採用しています。僕と副院長との2名でそれぞれの医師の特性を生かしながら、多くの患者さまに関わらせていただいています。患者さまの話をじっくりと聞くという意味では、副院長はうまいですよ。最後に副院長からも話をさせますね。
また、「手術をしない医師はダメ」といった考え方もありますが、僕は手術一辺倒ではいけないと考えています。「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として、手術以外の選択肢も提案していきたいなと思いますね。
さらに、患者さまにできる限り負担をかけないよう、開業当初から院内処方を採用しています。僕と副院長との2名でそれぞれの医師の特性を生かしながら、多くの患者さまに関わらせていただいています。患者さまの話をじっくりと聞くという意味では、副院長はうまいですよ。最後に副院長からも話をさせますね。
副院長先生のこれまでの経験や、今後の目標をお聞かせいただけますか?
整形外科の医師である父の影響で自らも同じ道を志しました。2013年に岡山大学医学部を卒業、福山市民病院や日本鋼管福山病院で勤務医を経験し、2020年より中村整形外科に勤めています。
福山市民病院では、主に交通事故などで体のあらゆる部位に傷を負っている「多発外傷」の患者さまへの対処を学ばせていただきました。日本鋼管福山病院では、主にひざ・肩・腰などの慢性疾患の処置や手術を学び、人工関節の手術も経験しました。ですから、勤務医時代に急性期の患者さまに対する処置と慢性期の患者さまに対する治療との両方を学んできたと言えるかと思います。
当院では、ひざ・肩・腰の痛みを訴えて来院される患者さまに、手術以外の「保存的治療」を行っています。また、骨折を予防するため骨粗しょう症に対する治療や関節リウマチの治療にも力を入れています。私自身、「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として、地域の患者さまにとって受診しやすい整形外科を目指していきたいと思います。
福山市民病院では、主に交通事故などで体のあらゆる部位に傷を負っている「多発外傷」の患者さまへの対処を学ばせていただきました。日本鋼管福山病院では、主にひざ・肩・腰などの慢性疾患の処置や手術を学び、人工関節の手術も経験しました。ですから、勤務医時代に急性期の患者さまに対する処置と慢性期の患者さまに対する治療との両方を学んできたと言えるかと思います。
当院では、ひざ・肩・腰の痛みを訴えて来院される患者さまに、手術以外の「保存的治療」を行っています。また、骨折を予防するため骨粗しょう症に対する治療や関節リウマチの治療にも力を入れています。私自身、「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として、地域の患者さまにとって受診しやすい整形外科を目指していきたいと思います。