医療連携や訪問診療に尽力し、地域の幅広いニーズに応える医師
院長
江口 春樹
取材日:2023年3月7日
江口 春樹先生(日本循環器学会認定 循環器専門医)にインタビュー
症状の原因を見極め、患者さまのライフスタイルに寄り添った医療を提供
初めに、高血圧症の治療を進める際に気を付けていることを教えてください。
高血圧症の場合「健診で血圧が引っかかった」「自宅で血圧を測った際に高かったので気になった」という方がよく来院されます。高血圧の原因は、一般的な加齢に伴う動脈硬化や塩分の取り過ぎによる高血圧だけでなく、腎臓の血管が狭くなることで血圧が上がる「腎血管性高血圧」や、血圧を上げるホルモンが過剰に作られてしまう「原発性アルドステロン症」などの特殊な高血圧（二次性高血圧症と言います）もあります。同じ高血圧でも原因によって治療法が変わってくるため、患者さんお一人おひとりに合った治療をご提案できるよう、初診で来院された際にはしっかりと調べるようにしています。
また、緊張などから診察時のみ血圧の数値が高くなってしまう方もいらっしゃるので、日頃からご自宅で測る習慣を付けていただき、それを確認することも大切にしています。診察時にご家庭での血圧を確認させていただきながら、管理栄養士による減塩のための食事指導を始め、運動療法や薬物療法によって治療を進めていきます。
また、緊張などから診察時のみ血圧の数値が高くなってしまう方もいらっしゃるので、日頃からご自宅で測る習慣を付けていただき、それを確認することも大切にしています。診察時にご家庭での血圧を確認させていただきながら、管理栄養士による減塩のための食事指導を始め、運動療法や薬物療法によって治療を進めていきます。
狭心症や心筋梗塞が疑われる場合、どのように診療を進めますか？
動脈硬化などによって冠動脈という心臓の血管が狭くなり、胸の痛みなどの症状が現れるのが狭心症です。一方、動脈硬化によって血管が閉塞し、血液が流れないことで心筋の細胞が壊れることを心筋梗塞と言い、激しい胸の痛みや呼吸困難、吐き気、冷や汗などの症状が出ます。
当院では、主に心電図や心臓超音波検査、胸部レントゲン、血液検査などで狭心症や心筋梗塞の診断をしています。心臓超音波検査については、女性技師が検査しています。検査の結果、精密検査や緊急に治療が必要と判断した場合は速やかに専門病院へご紹介いたします。専門病院では心臓CT検査や心臓カテーテル検査、心臓カテーテル治療・バイパス手術などが行われます。もちろん紹介して終わりではなく、治療が終了して退院された後は、専門病院と連携をとりながら当院の外来へ通院していただきます。診察時には、お体の状態確認やお薬の調整だけでなく、正しい食生活を継続できているかどうかなども含めて、治療後のフォローアップにも力を入れて取り組んでいます。
どちらの疾患も命に関わる危険性があるため、気になる症状がある方、症状が続いている方はお早めにご相談ください。
当院では、主に心電図や心臓超音波検査、胸部レントゲン、血液検査などで狭心症や心筋梗塞の診断をしています。心臓超音波検査については、女性技師が検査しています。検査の結果、精密検査や緊急に治療が必要と判断した場合は速やかに専門病院へご紹介いたします。専門病院では心臓CT検査や心臓カテーテル検査、心臓カテーテル治療・バイパス手術などが行われます。もちろん紹介して終わりではなく、治療が終了して退院された後は、専門病院と連携をとりながら当院の外来へ通院していただきます。診察時には、お体の状態確認やお薬の調整だけでなく、正しい食生活を継続できているかどうかなども含めて、治療後のフォローアップにも力を入れて取り組んでいます。
どちらの疾患も命に関わる危険性があるため、気になる症状がある方、症状が続いている方はお早めにご相談ください。
心不全の診断や治療を進めるうえで配慮していることはありますか？
心不全は、高血圧症や心筋梗塞、弁膜症などによって全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしている心臓に障害が起き、息切れや疲労感、むくみなどの症状が現れる病気です。心不全は高齢者になるとどなたでも発症するリスクがあります。当院では診察による身体所見だけでなく、心臓超音波検査やレントゲン検査、血液検査を用いて心不全を早めに発見し、重症化させないこと、入院や再入院をできるだけ減らせるように心がけています。
また、ご年配の方に関しては他にもご病気を抱えていることも少なくありません。治療の負担が大きくなってしまわないように、処方するお薬の量をできるだけ少なくできるよう配慮しています。心不全はご高齢の方に多い病気であり、足腰も悪くなって徐々に通院が困難になってくる方もおられます。通院ができなくなった方には、定期的に訪問診療を行い心不全への治療がと切れてしまわないよう心がけています。
また、ご年配の方に関しては他にもご病気を抱えていることも少なくありません。治療の負担が大きくなってしまわないように、処方するお薬の量をできるだけ少なくできるよう配慮しています。心不全はご高齢の方に多い病気であり、足腰も悪くなって徐々に通院が困難になってくる方もおられます。通院ができなくなった方には、定期的に訪問診療を行い心不全への治療がと切れてしまわないよう心がけています。
苦しんでいる人を救うため循環器内科の道へ。現在は内科分野を幅広く診療
勤務医時代の経験で、現在の診療に生きていることは何ですか？
病院勤務していた頃は、救急外来などで狭心症や急性心筋梗塞、急性心不全などの患者さんを毎日にように診療していました。その経験を元に、クリニックでの診療の際にも重症疾患をできるだけ早く診断し、迅速に専門病院での治療に結びつけられるよう心がけています。
また、現在も非常勤医師として島根県立中央病院で心臓超音波検査を担当していますので、専門病院の先生方とコミュニケーションをとる機会も多く、顔が見える関係を維持できていることが患者さんをご紹介させていただく際にも役立っています。
また、現在も非常勤医師として島根県立中央病院で心臓超音波検査を担当していますので、専門病院の先生方とコミュニケーションをとる機会も多く、顔が見える関係を維持できていることが患者さんをご紹介させていただく際にも役立っています。
循環器内科の医師になろうと思ったきっかけを教えていただけますか？
私が医学生の時に、目の前で心筋梗塞によって倒れた方がいらっしゃいました。うまく救命措置ができなかったことがとても悔しかったのと同時に、このような方をいつか救えるようになりたいと思い循環器内科の医師を目指しました。
以前から「いずれは開業したい」という思いがあったのでしょうか？
そうですね。もともと父が消化器内科の医師として開業していましたので、いずれは継承という形で私が引き継ぐことになると思っていました。そのため、継承までにできるだけさまざまな知識を習得できるようにと、この地域でも症例数の多い中核病院で勤務医として経験を積んできました。
「日本循環器学会認定 循環器専門医」だけでなく「日本内科学会認定 総合内科専門医」の資格も取得したのは、地域のかかりつけの医院として、患者さまお一人おひとりを総合的に診られるようにとの思いからです。勤務医時代は院内に他科を専門とする医師がそれぞれいたので私は循環器疾患の診療に専念できていましたが、地域のクリニックだとそういうわけにもいきません。特にこの地域はご年配の方が多く、高血圧や心疾患の方でも、糖尿病や認知症、整形外科疾患など様々な併存症をお持ちの方がたくさんおられます。専門性を生かした診療はもちろん、発熱診療も含めた幅広い内科疾患の診療も行っておりますので、地域に根付いた内科として、どのようなお悩みでもご相談いただきたいと思っています。
「日本循環器学会認定 循環器専門医」だけでなく「日本内科学会認定 総合内科専門医」の資格も取得したのは、地域のかかりつけの医院として、患者さまお一人おひとりを総合的に診られるようにとの思いからです。勤務医時代は院内に他科を専門とする医師がそれぞれいたので私は循環器疾患の診療に専念できていましたが、地域のクリニックだとそういうわけにもいきません。特にこの地域はご年配の方が多く、高血圧や心疾患の方でも、糖尿病や認知症、整形外科疾患など様々な併存症をお持ちの方がたくさんおられます。専門性を生かした診療はもちろん、発熱診療も含めた幅広い内科疾患の診療も行っておりますので、地域に根付いた内科として、どのようなお悩みでもご相談いただきたいと思っています。
地域住民のニーズに寄り添い、健康的に過ごせるようサポート
訪問診療にも対応されていますよね。どのような思いで始めたのですか？
当院は父の代に開業して約40年になります。長く通院していただいている高齢者の方も多く、そういった方が、ご病気や足腰が弱くなって通院ができなくなることも多くなってきています。特に当院に通院されていた方については、できる限り当院で最後まで責任を持って診療していきたい、との思いから訪問診療を行うようになりました。
当院では、平日のお昼休みの時間帯に毎日数名ずつ、ご自宅や入所されている施設に訪問する形で訪問診療を行っています。訪問診療では、循環器内科・内科疾患に対する診療だけでなく、皮膚科や整形外科領域の診療、認知症に関するご相談も可能な範囲で承っています。しかし、私一人でできることは限られますので、訪問看護師や薬剤師、ケアマネージャー、訪問ヘルパーの方々と連携を大切に、診療を行っています。
当院では、平日のお昼休みの時間帯に毎日数名ずつ、ご自宅や入所されている施設に訪問する形で訪問診療を行っています。訪問診療では、循環器内科・内科疾患に対する診療だけでなく、皮膚科や整形外科領域の診療、認知症に関するご相談も可能な範囲で承っています。しかし、私一人でできることは限られますので、訪問看護師や薬剤師、ケアマネージャー、訪問ヘルパーの方々と連携を大切に、診療を行っています。
先生が、循環器内科の分野において課題と感じていることはありますか？
社会の高齢化が進むにつれて、心不全を発症して入院する方が増加しています。中核病院などのベッドがいっぱいになってしまわないよう、地域のクリニックや診療所でもできるだけ心不全を診ることができるようにしなければならないと思っています。心不全の悪化を早期に診断し、早めに対処することで、心不全による入院や入院期間を減らすことができるので、その役割を果たしていきたいと思っています。
今後、医療現場は状況がどんどん変わっていくことが予想されます。世の中の動きに合わせて診療スタイルを変えることは大変ではありますが、地域の方々のためにも柔軟な対応をしていきたいと考えています。
今後、医療現場は状況がどんどん変わっていくことが予想されます。世の中の動きに合わせて診療スタイルを変えることは大変ではありますが、地域の方々のためにも柔軟な対応をしていきたいと考えています。
最後に先生からこのページを見ている方へメッセージをお願いします。
当院は地域のかかりつけとして、高血圧症や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や心疾患をメインに幅広い内科疾患に対応し、皆さまが健康的な生活を維持できるようサポートしています。お仕事などで通院の時間がとれない方や、足腰が悪くなって通院が困難になってきた方などのために、専用アプリを用いたオンライン診療や訪問診療も行っています。
患者さまのお気持ちに寄り添い、できる限りのことを責任持って提供させていただきますので、気になる症状があればいつでも気兼ねなくご相談にいらしてください。
患者さまのお気持ちに寄り添い、できる限りのことを責任持って提供させていただきますので、気になる症状があればいつでも気兼ねなくご相談にいらしてください。
