急性期治療を行った経験から予防の大切さを広め、住民の健康を支える医師
院長
大塚 亮
取材日:2022年7月27日
大塚 亮先生(日本循環器学会認定 循環器専門医)にインタビュー
親御さまの背中を見て医師の道へ。勤務医時代は急性期疾患の治療に尽力
医師を志したきっかけ、循環器内科の道に進んだ経緯を教えてください。
元々は建築家になりたいと思っていたのですが、医師であった親の背中を見ているうちに自然と医学部を目指すようになりましたね。それが医師になったきっかけです。
心筋梗塞や大動脈解離、心不全などの急性期疾患で運ばれてきた方は時に亡くなってしまうこともありますが、早期の治療が功を奏し、ご自分の足でお帰りいただけます。このように、難しい疾患を扱うからこそ、患者さまが元気になられた際のやりがいを強く感じ、循環器内科についてより深く学ぼうと決意しました。
心筋梗塞や大動脈解離、心不全などの急性期疾患で運ばれてきた方は時に亡くなってしまうこともありますが、早期の治療が功を奏し、ご自分の足でお帰りいただけます。このように、難しい疾患を扱うからこそ、患者さまが元気になられた際のやりがいを強く感じ、循環器内科についてより深く学ぼうと決意しました。
大学院時代、勤務医時代はどのようなことに力を入れていましたか？
勤務医時代は、心臓や血管に関わる急性期疾患の治療に携わっており、とにかく患者さまの命を救うことに力を注いでいました。重症である方こそなんとかして元気にしてあげたい、歩いて帰宅させてあげたいという気持ちが強かったですね。
大学院修了後はコロンビア大学で超音波を心臓の治療に応用できないかという研究していました。さまざまな国の方と知り合うことで治療に関する視野が広がりましたし、外国の方とのコミュニケーションを学ぶ場にもなりました。現在、外国の方を診療する際にもこのコミュニケーション力が生かされているなと感じています。
大学院修了後はコロンビア大学で超音波を心臓の治療に応用できないかという研究していました。さまざまな国の方と知り合うことで治療に関する視野が広がりましたし、外国の方とのコミュニケーションを学ぶ場にもなりました。現在、外国の方を診療する際にもこのコミュニケーション力が生かされているなと感じています。
日本循環器学会認定 循環器専門医としての強みはなんですか？
大学病院などで急性期の治療を終えた患者さまの経過観察ができることが強みですね。カテーテル手術をした方、弁膜症の置換手術をした方などのフォローアップを受け付けているので、ご自宅近くで通院したいと考えている方や、かかりつけの医院を探しているという方はぜひご相談いただきたいです。
私は一刻を争う急性期疾患の治療に携わった経験があり、その治療が難しいことであると理解していますから、そうならないためにも経過観察を行う際には、元々治療を受けていた病院との連携しっかりと取りつつ、再発の予兆を見逃さないよう気を付けていますね。
私は一刻を争う急性期疾患の治療に携わった経験があり、その治療が難しいことであると理解していますから、そうならないためにも経過観察を行う際には、元々治療を受けていた病院との連携しっかりと取りつつ、再発の予兆を見逃さないよう気を付けていますね。
勤務医時代に急性期疾患を診療した経験を生かし、現在は予防医療を提供
さまざまな疾患のなかで、高血圧症の診療に注力している理由はなんですか？
心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化など、命に関わる病気を発症する原因になりやすいのが高血圧症だからです。高血圧になるには加齢やホルモンバランスの乱れ、甲状腺疾患など、さまざまな要因がありますから、症状の裏に隠れている問題点を血液検査や超音波検査、ABI検査などによって見極めることに注力しています。
治療については、薬物療法を行いますが、その際はたくさんの種類のなかからその方に合ったものをご提案できるよう努めています。たとえば、糖尿病を合併している方、腎臓の機能が弱い方など、日本循環器学会認定 循環器専門医として理解を深めているぶん、お薬の使い分けには十分に注意して行っていますね。もちろん、できる限りお薬を使わずに症状の改善が見られることが望ましいですから、ライフスタイルを伺い、食事指導・生活習慣指導にも取り組んでいます。
治療については、薬物療法を行いますが、その際はたくさんの種類のなかからその方に合ったものをご提案できるよう努めています。たとえば、糖尿病を合併している方、腎臓の機能が弱い方など、日本循環器学会認定 循環器専門医として理解を深めているぶん、お薬の使い分けには十分に注意して行っていますね。もちろん、できる限りお薬を使わずに症状の改善が見られることが望ましいですから、ライフスタイルを伺い、食事指導・生活習慣指導にも取り組んでいます。
心臓弁膜症の診療もされていると伺いました。どのように診断していますか？
超音波を用いて診断しています。心臓弁膜症の診断に有用なのが超音波検査ですし、私が元々研究していたのが心臓超音波に関する治療でしたので、より正しい診断を下せるかと思います。
心臓には四つの弁があり、それぞれの狭窄症（きょうさくしょう）や逆流症があります。近年では早い段階で治療に進む傾向にはなってきていますが、まだまだ様子を見ましょうと見過ごされがちです。心臓弁膜症が進行すると心不全などの大きな病気につながりますので、定期的なチェックや適したタイミングでの治療が必要です。検診で心雑音を指摘された、多少の運動で息切れがする、胸が痛むことがあるという方は一度ご相談に来ていただきたいですね。
心臓には四つの弁があり、それぞれの狭窄症（きょうさくしょう）や逆流症があります。近年では早い段階で治療に進む傾向にはなってきていますが、まだまだ様子を見ましょうと見過ごされがちです。心臓弁膜症が進行すると心不全などの大きな病気につながりますので、定期的なチェックや適したタイミングでの治療が必要です。検診で心雑音を指摘された、多少の運動で息切れがする、胸が痛むことがあるという方は一度ご相談に来ていただきたいですね。
糖尿病の治療ではどのようなことを行っているか教えてください。
糖尿病は心臓疾患だけではなく、腎不全・網膜症・神経障害といった様々な疾患につながる可能性もあることから、できる限り早い段階での治療が重要です。当院では、患者さまの負担を抑えるためにも、なるべくお薬を使わず食事療法での改善を図っています。
私は勤務医時代、多くの心疾患患者さまを診てきましたが、その原因が糖尿病であることも少なくありませんでした。このような経験を生かし、開業してからは糖尿病の診断や予防に力を入れています。検診などで糖尿病の指標が高いと指摘された方は症状がなくてもお早めにご来院ください。
私は勤務医時代、多くの心疾患患者さまを診てきましたが、その原因が糖尿病であることも少なくありませんでした。このような経験を生かし、開業してからは糖尿病の診断や予防に力を入れています。検診などで糖尿病の指標が高いと指摘された方は症状がなくてもお早めにご来院ください。
より多くの方に予防の重要性を伝え、地域住民の健康をサポートする医師
今後、取り組んでいきたい治療はありますか？展望をお聞かせください。
食事指導をより多くの方に広められたらいいなと思っています。レシピ本などの執筆に携わってはいますが、そのような資料は症状が出てから手に取る人が多いのが現状です。また、勤務医時代には、高血圧や糖尿病をほったらかしにして、重度に進行してから来院する方をたくさん診てきましたので、より多くの方に予防に取り組んでいただきたいというのが私の願いです。
先生が考える、循環器内科としての今後の課題を教えてください。
糖尿病や高血圧症の治療が進み、脳疾患や心疾患に罹患（りかん）する方は少なくなってきたように思います。ですが、指摘を受けていても症状がなかなか出ないことから「少し様子を見ようかな」「本当に治療が必要なのかな」と思ってしまう方もまだまだいらっしゃいます。
そのような方に前向きに予防治療に取り組んでいただいたり、定期的に検査を受けていただいたりして、どれだけ早い段階で予防できるかが課題だと思っています。患者さまにはていねいに状況を説明し、こまめな検査が必要な方が数年後に来院したり、重症化してから治療を開始したりするようなことはできる限り避けたいですね。
そのような方に前向きに予防治療に取り組んでいただいたり、定期的に検査を受けていただいたりして、どれだけ早い段階で予防できるかが課題だと思っています。患者さまにはていねいに状況を説明し、こまめな検査が必要な方が数年後に来院したり、重症化してから治療を開始したりするようなことはできる限り避けたいですね。
最後に、患者さまへ向けて、メッセージをお願いいたします。
高血圧症や脂質異常症、糖尿病といった疾患は放置しておくと重大な病気になりかねません。定期的に検査を受け、詳細な検査をすることで問題がなければそれで良いですし、疾患が見つかった場合でも早期に治療を始められるかもしれないですから、検診で異常を指摘された方は一度ご相談ください。
また、大学病院などで慢性期疾患の治療を受けている方で、かかりつけの医師を探している方もどうぞ気兼ねなくいらしてください。長く、健康的な状態を保てるよう、サポートさせていただきます。
また、大学病院などで慢性期疾患の治療を受けている方で、かかりつけの医師を探している方もどうぞ気兼ねなくいらしてください。長く、健康的な状態を保てるよう、サポートさせていただきます。
