
大塚 亮先生(日本循環器学会認定 循環器専門医)にインタビュー
親御さまの背中を見て医師の道へ。勤務医時代は急性期疾患の治療に尽力
心筋梗塞や大動脈解離、心不全などの急性期疾患で運ばれてきた方は時に亡くなってしまうこともありますが、早期の治療が功を奏し、ご自分の足でお帰りいただけます。このように、難しい疾患を扱うからこそ、患者さまが元気になられた際のやりがいを強く感じ、循環器内科についてより深く学ぼうと決意しました。
大学院修了後はコロンビア大学で超音波を心臓の治療に応用できないかという研究していました。さまざまな国の方と知り合うことで治療に関する視野が広がりましたし、外国の方とのコミュニケーションを学ぶ場にもなりました。現在、外国の方を診療する際にもこのコミュニケーション力が生かされているなと感じています。
私は一刻を争う急性期疾患の治療に携わった経験があり、その治療が難しいことであると理解していますから、そうならないためにも経過観察を行う際には、元々治療を受けていた病院との連携しっかりと取りつつ、再発の予兆を見逃さないよう気を付けていますね。
勤務医時代に急性期疾患を診療した経験を生かし、現在は予防医療を提供
治療については、薬物療法を行いますが、その際はたくさんの種類のなかからその方に合ったものをご提案できるよう努めています。たとえば、糖尿病を合併している方、腎臓の機能が弱い方など、日本循環器学会認定 循環器専門医として理解を深めているぶん、お薬の使い分けには十分に注意して行っていますね。もちろん、できる限りお薬を使わずに症状の改善が見られることが望ましいですから、ライフスタイルを伺い、食事指導・生活習慣指導にも取り組んでいます。
心臓には四つの弁があり、それぞれの狭窄症(きょうさくしょう)や逆流症があります。近年では早い段階で治療に進む傾向にはなってきていますが、まだまだ様子を見ましょうと見過ごされがちです。心臓弁膜症が進行すると心不全などの大きな病気につながりますので、定期的なチェックや適したタイミングでの治療が必要です。検診で心雑音を指摘された、多少の運動で息切れがする、胸が痛むことがあるという方は一度ご相談に来ていただきたいですね。
私は勤務医時代、多くの心疾患患者さまを診てきましたが、その原因が糖尿病であることも少なくありませんでした。このような経験を生かし、開業してからは糖尿病の診断や予防に力を入れています。検診などで糖尿病の指標が高いと指摘された方は症状がなくてもお早めにご来院ください。
より多くの方に予防の重要性を伝え、地域住民の健康をサポートする医師
そのような方に前向きに予防治療に取り組んでいただいたり、定期的に検査を受けていただいたりして、どれだけ早い段階で予防できるかが課題だと思っています。患者さまにはていねいに状況を説明し、こまめな検査が必要な方が数年後に来院したり、重症化してから治療を開始したりするようなことはできる限り避けたいですね。
また、大学病院などで慢性期疾患の治療を受けている方で、かかりつけの医師を探している方もどうぞ気兼ねなくいらしてください。長く、健康的な状態を保てるよう、サポートさせていただきます。