布留 守敏先生(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)にインタビュー
自身がスポーツを楽しむからこそ、健康の大切さを理解している医師
数ある中から整形外科に進んだのは、大学時代に競技スキー部に入った縁からです。競技スキー部は整形外科の医師になった先輩が多く、私自身もスキーで2回ほど骨折して整形外科治療を受けたことから、外科手術に興味を持ったのです。父と同じ消化器外科も気になっていたのですが、学生生活を過ごす中で「やはり整形外科だ」と心に決めて、こちらの道を選んだ形ですね。
その後は京都大学に戻ったのですが、初めて受け持ったのが脊索腫という骨盤に大きな腫瘍ができる病気で、手術が22時間にも及ぶ難解な症例でした。大学病院ではそういった難しい手術が多く、特に骨軟部腫瘍の手術に携わったのは大きな経験だったと思います。
そこから大津赤十字病院での臨床研修へ移り、交通事故にあった方やケガをした方が多く来る所だったことから骨折などの手術を学び、また玉造厚生年金病院に戻って3年ほど人工関節の手術に注力してきました。京大の5年間の臨床研修期間を経て、大学院に進むか、病院でさらなる臨床経験を積むかという段階で、大学院を選んだというのが大まかな流れです。
大学の再生医科学研究所には、骨肉腫に関して知見の深い教授がいて、骨軟部腫瘍などの研究と再生医学の研究をされていました。私はその教授のもと、手術で取り除かれた筋腫からどのような遺伝子が出てくるのかを調べる研究をしていましたね。具体的には、採取した遺伝子をもとに紡錘形軟部肉腫の予後に悪影響を与えていると予想される細胞を発現させ、がん細胞に関係しているかどうかなどを、マウスを使って調べる研究を4年ほど行っていました。
学生時代や勤務医時代の経験を生かし、リウマチやスポーツ疾患に幅広く対応
そういった変化に伴い、整形外科と内科の医師がタッグを組んで治療を行うリウマチセンターの発足が決まり、ありがたいことに私も声をかけていただきました。センターではリウマチの患者さまのデータを集めて解析を行い、そのデータを基礎研究へ送るということを行っていましたね。
このような経験を当クリニックでの診療に生かし、患者さま一人ひとりの病態に合わせて、どのような薬を使用して治療を行うのか、本当に手術が必要かどうかなどの判断をしています。また、関節リウマチの患者さまは合併症が起こりやすいため、治療薬のメリットやデメリットを把握している点はとても役に立っていると思います。
当クリニックには部活動からアマチュア、スポーツを職業にされている方まで、さまざまなカテゴリーの方が来院されています。捻挫や疲労骨折、野球肩や野球肘など幅広い治療が可能です。どのくらい競技を休めるのか把握した上で、競技復帰までの道のりを指導させていただいています。体外衝撃波治療やPRP-FD療法など新しい治療法の導入にも努めて、できる限り治療を長引かせないよう心がけていますよ。
ちなみに、1回の要因によって起きるケガを「外傷」、繰り返しの動作で起こる疲労骨折などは「スポーツ障害」と言います。治療の際にはどちらであるかを判断し、原因をしっかりと突き止め、繰り返さないよう指導を行います。なお、ドーピングへの配慮もきちんと行っています。
メディカルフィットネスは、整形外科の医師である私と理学療法士がメディカルチェックをして、その方が行っても良い運動、避けたほうが良い運動をオーダーメードで指導します。フィットネスプログラムは、スマートフォンでその日に行うメニューや実際の運動量などを確認できます。スマートフォンがない方には、スタッフが指導をしています。また、身体の変化や病状に合わせてプログラムを微調整するために、カウンセリングや体重などのデータ採取を繰り返し行い、常に、適した運動を提供するよう努めています。
なお、生活習慣病など病気未満の方の体力作りや健康支援にも役立ちます。近年は運動不足により、血圧や血糖値が悪化している方が増えているので、そういった方にご活用いただきたいですね。
健康だからこその楽しみを得られるよう、医療面からサポート
そのために、「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として医療技術の学びを深めていくのはもちろん、フィットネスなどの運動方法についても引き続き勉強を続け、知識と技術の更新に努めています。あくまでサポートをする身として目立つ立場ではありませんが、医療面から草の根運動的に皆さまを支えていければ幸いです。
私がこれまで経験してきたことを生かし、特に関節リウマチやスポーツ疾患に関しては誠意を持って診させていただきます。整形外科疾患に関するお悩みがある方は、ぜひ当院へご相談ください。