医師・スタッフの専門性
乱視や老眼まで改善できる白内障手術を行い、クオリティオブビジョンの向上を実現
単焦点眼内レンズを用いた白内障手術では、レンズの濁りこそ改善することはできますが、これはあくまでもマイナスをゼロに戻したに過ぎません。患者さまのクオリティオブビジョン(見え方の質)の向上を目指している当院では、手術によって白内障を改善することは当然とし、さらに乱視や老眼の快方といったプラスアルファの価値を提供できる白内障手術に努めています。
当院では「超音波白内障手術装置」を導入し、約2mmの切開から眼内レンズを挿入する「極小切開白内障手術(MICS)」を行っています。極小切開白内障手術の特徴には、術中の感染リスクが低い、時間をかけずに手術が終わる等があります。さらに、術後屈折誤差を防ぐために、正しい切開位置や角度を表示できる「手術支援システム」や「手術用顕微鏡」等を使用しています。
白内障手術の精度を向上させるために、当院では眼軸長(眼の長さ)や水晶体の厚みなどを一度に測定できる「光学式眼軸長測定装置」を導入しています。白内障手術は眼内レンズを挿入する治療ですが、術後によりよい視力を得るには患者さまの屈折力に応じた度数を選択することが重要です。光学式眼軸長測定装置を使用することで、術後の裸眼視力を精密に予測できるようにしています。
白内障手術に使用する眼内レンズには、単焦点眼内レンズ、乱視用眼内レンズ、多焦点眼内レンズ(※)等を用意しています。乱視は術後の裸眼視力に影響することから、乱視の患者さまには乱視用眼内レンズを提案しています。また、多焦点眼内レンズは遠近両方に焦点を合わせることができるため、老眼の患者さまであってもほとんどメガネを使わずに日常生活を送れるようになります。
(※)選定療養です。料金は料金表をご確認ください。2020年4月1日から、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術は先進医療制度から外し、保険診療+選定療養として行われます。選定療養:単焦点レンズ(保険適用レンズ)の料金と多焦点眼内レンズ代の差額をお支払いいただきます。手術における技術料は健康保険で行うというものです。
眼科
低侵襲緑内障手術や27G極小切開硝子体手術など、各種日帰り手術も実施
緑内障の日帰り手術は「選択的線維柱帯形成術(SLTレーザー)」に加え、身体への負担を軽減しつつ眼圧の低下を目指す「低侵襲緑内障手術(MIGS)」も行っています。低侵襲緑内障手術にはいくつか種類があり、当院では白内障手術と同時に繊維柱帯にステントを挿入する「眼内ドレーン挿入術」に対応しています。さらに今後、幅0.23mmの専用メスで繊維柱帯を切除する「線維柱帯切開術」にも対応いたします。
糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、黄斑円孔、黄斑前膜等、眼底疾患等の眼底疾患に対しては、日帰りで「27G極小切開硝子体手術(MIVS)」を実施しています。この手術は「27G硝子体手術システム」を使用し、約0.4mmの切開創で硝子体を切除するというものです。低侵襲で行うことができる分、眼球への刺激が少ない、手術に縫合の必要がない等、様々なメリットがある手術となっています。
医師・スタッフの専門性
小児の弱視訓練等は視能訓練士が担当。加齢黄斑変性や眼形成の専門診療にも対応
当院には4名の視能訓練士が在籍しており、斜視・弱視の子どもに対する視機能検査、訓練・治療を行っています。また、眼科診療は検査データが治療の成果を左右することもあるため、当院では視力検査、屈折検査、眼圧検査、視野検査、眼圧検査等の各種検査に関しても、視能訓練士が担当しております。皆さまから喜びの声をいただけるよう、日々、誠意をもって診療に取り組んでいます。
また、当院では「加齢黄斑変性症」と「眼形成」に関する専門診療を設けています。加齢黄斑変性症の診療では岡野医師が、脈絡膜新生血管や黄斑浮腫の発症抑制を目的とした抗VEGFの硝子体注射を行っています。一方、眼形成の診療では松田医師が、眼瞼内反症や老人性眼瞼下垂に対する手術や、涙道閉塞症に対する内視鏡下涙道手術等を実施しています。
院内設備
40台以上の医療機器と清潔な手術室を備え、検査から手術までを一貫して対応可能
先に紹介した超音波白内障手術装置、SLTレーザー、27G硝子体手術システム以外に、当院には緑内障の早期発見に役立つ「ブルーオンイエロー自動視野計」や、眼底疾患の診断に役立つ「OCTアンギオグラフィ搭載のOCT(光干渉断層計)」等、合計で40台以上の医療機器を導入しています。様々な医療機器を備えることで、大学病院等の基幹病院へ紹介しなくても、当院にて検査から治療、術後のフォローまで一貫して対応できるようになりました。
当院では白内障手術をはじめ、各種日帰り手術に対応していますが、これらは「ISO14644-1のクラス7」という清潔さの基準を満たした手術室で行っています。また、手術中の映像は手術室横の待合室に流しており、ご家族の方は手術の様子をライブでご覧いただくこともできます。ご家族の方にも納得していただき、治療を任せていただける環境を整えております。