
院長
外山 茂
取材日:2022年10月28日
外山 茂先生(日本眼科学会認定 眼科専門医)にインタビュー
痛みの原因を追究し、患者さまが抱える悩みに向き合う診療スタイル
はじめに、医師を目指そうと思ったきっかけについて教えてください。
高校生の頃に進路を決める際、人の役に立てる仕事に就きたいと考えていました。色々な職業について調べた結果、私は比較的手先が器用でしたので、それを生かせる医師を目指すことに決めました。そして医学部に進み、実習でいろいろな診療科を経験する中、手先を使う場面が多い眼科医療に出会い眼科の医師としてのキャリアがスタートしました。
開業前と開業後を比べて、患者さまへの対応など変化した部分はありますか?
開業前は病院に勤務していましたので、「患者さまを診察してから手術」みたいに流れが決まっている部分はありました。開業後は地域医療としてのニーズもありますし、患者さまとの密接なコミュニケーションが求められます。さらに、患者さま本人だけでなく、そのご家族も含めた全体像を見ながら診察を行う必要があるのが大きな違いだと思います。私は勤務医時代に緑内障や白内障、眼瞼下垂などの手術を主として行っていました。そのときの経験は開業後も生かされています。
「日本眼科学会認定 眼科専門医」としてのやりがいを教えてください。
患者さまが訴える症状に対して治療を行い、治療後に「よく見えるようになりました」と言っていただけるのが、特にうれしいです。相談の内容については、目にちょっとした違和感があるとか、ストレスによる目の痛みなど多岐にわたります。中でもストレスによる痛みは病気が直接の原因でないが故に、治療することが難しいと考えています。そのような患者さまに関しては、生活背景などを注意深くヒアリングして、痛みの原因を追究します。病気から来る痛みでない場合は、「これは目の病気ではありませんよ」とお伝えして患者さまの気持ちを軽くしてあげることが大事だと思います。
これから手術を受ける患者さまの、不安な気持ちに寄り添う医師
白内障の患者さまと接する中で工夫されているポイントはありますか?
シンプルに白内障と言っても、人それぞれです。白内障が進行していたとしても、特に不自由していないので治療しなくても問題ないという方もいれば、少しの進行でも不自由に感じる方もいます。一人ひとりの考えを尊重しつつも、どのように接していくのかが見極めのポイントになります。症状が悪化して本当に手術が必要な場合は別として、不自由を感じていない人に手術を無理やり勧めるのもどうかと思いますので、患者さまが望むのであれば手術しましょうというスタンスです。
また、不安な気持ちから手術をためらう方については、「困っている場合は受けた方が良いですよ」というように、少しでも不安な気持ちに寄り添えるような説明を心がけています。
また、不安な気持ちから手術をためらう方については、「困っている場合は受けた方が良いですよ」というように、少しでも不安な気持ちに寄り添えるような説明を心がけています。
加齢黄斑変性症についてこれまでの経験が生きる瞬間はありますか?
加齢黄斑変性症の原因は老化による視力低下と喫煙、栄養素の不足によるものだと言われています。治療の基本は注射が主となりますが、症状に合わせてサプリメントの服用なども行います。
加齢黄斑変性症は網膜の視細胞が破壊されてしまうと、改善することができません。したがって、進行を遅らせ最小限に抑えることを目的に治療を行います。また、放置したままにしておくと視力の改善が難しくなる病気ですので、早期発見が重要です。見え方に異常を感じた場合はすぐ相談に来てほしいです。
加齢黄斑変性症は網膜の視細胞が破壊されてしまうと、改善することができません。したがって、進行を遅らせ最小限に抑えることを目的に治療を行います。また、放置したままにしておくと視力の改善が難しくなる病気ですので、早期発見が重要です。見え方に異常を感じた場合はすぐ相談に来てほしいです。
緑内障の治療で先生が気を付けているポイントはありますか?
緑内障は、目から入ってくる視覚情報を脳に伝達する器官に障害が生じ、見える範囲が狭くなってしまう病気です。自覚症状がないまま進行するのが緑内障の特徴です。
私自身も緑内障でして、眼底カメラの撮り方をスタッフに指導していた際に偶然発覚したという過去がございます。中には緑内障の診断が出てショックを受ける方も少なくありませんので、そのような場面では、「私も緑内障なのですよ」という感じで、患者さまと一緒に向き合いながら診療を行います。また、最近ではコンタクトレンズをインターネット経由で購入される方が増えているかと思いますが、もし目に違和感があれば、自己判断せずささいなことでも相談していただければ幸いです。
私自身も緑内障でして、眼底カメラの撮り方をスタッフに指導していた際に偶然発覚したという過去がございます。中には緑内障の診断が出てショックを受ける方も少なくありませんので、そのような場面では、「私も緑内障なのですよ」という感じで、患者さまと一緒に向き合いながら診療を行います。また、最近ではコンタクトレンズをインターネット経由で購入される方が増えているかと思いますが、もし目に違和感があれば、自己判断せずささいなことでも相談していただければ幸いです。
患者さまが気兼ねなく来院できる、やさしい雰囲気づくりに尽力
今後、先生が力を入れていきたい部分があれば教えてください。
たからまち眼科では患者さまのお悩みに応え、健やかな日々を過ごしていただくことを目標に診療を行っています。例えば、精神的な面から来る目の病気については、患者さまの心理的な問題やお悩みに寄り添いながらケアしたいと考えていますし、手術で改善する病気であれば、手術を受けていただき、良くなってもらえたらなと思います。
実は、開院当初は手術に対応していませんでした。そのため、ほかの医療機関で手術を行うとなると時間や手間がかかってしまうなど、いろいろな意見を頂戴しました。その要望にお応えするべく、当院で手術を行うことにしました。やはり、患者さまにとっても診断から手術まで一つの場所で完結できれば、気兼ねなく来られると思いますからね。
実は、開院当初は手術に対応していませんでした。そのため、ほかの医療機関で手術を行うとなると時間や手間がかかってしまうなど、いろいろな意見を頂戴しました。その要望にお応えするべく、当院で手術を行うことにしました。やはり、患者さまにとっても診断から手術まで一つの場所で完結できれば、気兼ねなく来られると思いますからね。
それでは、医院として目指している方向性などはありますか?
現在、患者さまの年齢層は幅広く、ご高齢の方はもちろん、お子さまの来院も多い傾向にあります。当院は、女性医師が2名在籍しており、ふたりとも子育て経験があるので子供の扱いにも慣れています。スタッフから気さくに声をかけてくれてうれしかったという患者さまのお話も聞きますし、今後もお子さまからご高齢の方がホッとできるような、やさしい雰囲気に満ちた医院を目指したいです。
地域にお住まいの患者さまに向けて、メッセージをお願いします。
目のことで何か異常を感じた場合は、ためらわずに相談してほしいです。そこで、もし病気が見つかった場合は治療を行い、病気が見つからない場合は、心配せず日常生活を過ごせるかと思います。患者さまが、その「答え」を見つけるためには、来院しやすい雰囲気づくりが大事だと考えています。眼科治療は進歩し続けていますので、いつでも遠慮なく相談してほしいと思います。