
院長
安井 信隆
取材日:2022年11月28日
安井 信隆先生(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医)にインタビュー
消化器疾患の発見のため、胃・大腸内視鏡検査を精力的に実施
まず、胃・大腸内視鏡の特徴や、検査で配慮していることを教えてください。
胃内視鏡検査(胃カメラ検査)は、上腹部を中心とした違和感やおなかの不調・食欲不振などをきっかけに受けられる方が多いです。検査では、食道がん・胃がんなどの悪性疾患の診断のほかにも、逆流性食道炎、消化性潰瘍、ピロリ菌感染の有無なども調べます。当クリニックでは、経鼻か経口かを選ぶことができ、ご希望であれば鎮静剤を使用するなど、苦痛や不快感が和らぐような工夫をしているので、リラックスして受けていただけるかと思います。
大腸内視鏡検査においては、便通異常や便潜血などの検診異常を指摘されて来院される方が多いですね。がんになる可能性のあるポリープなどを見つけることができ、早期治療につながります。私はもともと外科の医師で執刀経験があるので、大腸の立体的特性をある程度イメージできていることも苦痛の少ない内視鏡検査と早期発見に役立っていますね。
検査で何より重要なのは疾患を見逃さないことです。そのため、当クリニックは青色レーザー光を利用するBLIと赤い色を強く強調するLCIが搭載された内視鏡システムにより、悪性の可能性のある部位を見極めるようにしています。
大腸内視鏡検査においては、便通異常や便潜血などの検診異常を指摘されて来院される方が多いですね。がんになる可能性のあるポリープなどを見つけることができ、早期治療につながります。私はもともと外科の医師で執刀経験があるので、大腸の立体的特性をある程度イメージできていることも苦痛の少ない内視鏡検査と早期発見に役立っていますね。
検査で何より重要なのは疾患を見逃さないことです。そのため、当クリニックは青色レーザー光を利用するBLIと赤い色を強く強調するLCIが搭載された内視鏡システムにより、悪性の可能性のある部位を見極めるようにしています。
大腸ポリープをがん化させないために、どんなことに注力されていますか?
大腸ポリープは初期段階ではほとんど症状がないので、健診で便潜血異常を指摘されることをきっかけに見つかることが多いです。また、大腸がんに進行するリスクがあるため、当クリニックでは大腸内視鏡検査時に見つかったらその場で切除するようにしています。
早期発見のために大切にしていることは、便潜血で引っかかったら内視鏡検査を受けていただくようにお伝えすることですね。また、大腸がんが増加傾向にあることから5~10年ごとに内視鏡検査を受けていただくことも大切です。そのほか、ご家族に大腸の病気歴のある方がいらしたら、意欲的に検査を受けていただけるようご提案しています。
早期発見のために大切にしていることは、便潜血で引っかかったら内視鏡検査を受けていただくようにお伝えすることですね。また、大腸がんが増加傾向にあることから5~10年ごとに内視鏡検査を受けていただくことも大切です。そのほか、ご家族に大腸の病気歴のある方がいらしたら、意欲的に検査を受けていただけるようご提案しています。
消化器がんを見つけるために、どのようなことを実施していますか?
食道がんや胃がん、大腸がんといった消化器がんを見つけるには内視鏡検査でないと難しいので、定期的に検査を受けるようお伝えしています。また、ピロリ菌除菌は胃がんの罹患リスク軽減につながりますから、除菌治療を強く提案していますね。
食道がんに関しては、原因となるお酒とたばこの消費量が年々減っている傾向から、がんにかかる方も少なくなる可能性があります。逆に、大腸がんは動物性タンパク質や脂質の摂り過ぎ、運動不足が要因となり、増加傾向にあります。
当クリニックではご要望の方を中心に、食事や生活習慣に関するアドバイスを行っています。食道がんが心配な方には、「お酒やたばこを止めることが大切ですよ」とお伝えしたり、大腸がんであれば、生活習慣の見直しのほか、定期的な検査をご提案したりしています。検査については、その必要性を説明しますが、それぞれのタイミングやご事情もあると思いますので、ご本人の意思を何より尊重するようにしています。
食道がんに関しては、原因となるお酒とたばこの消費量が年々減っている傾向から、がんにかかる方も少なくなる可能性があります。逆に、大腸がんは動物性タンパク質や脂質の摂り過ぎ、運動不足が要因となり、増加傾向にあります。
当クリニックではご要望の方を中心に、食事や生活習慣に関するアドバイスを行っています。食道がんが心配な方には、「お酒やたばこを止めることが大切ですよ」とお伝えしたり、大腸がんであれば、生活習慣の見直しのほか、定期的な検査をご提案したりしています。検査については、その必要性を説明しますが、それぞれのタイミングやご事情もあると思いますので、ご本人の意思を何より尊重するようにしています。
手術で救うには、まず見つけることが重要だと認識し、内視鏡検査に注力
内視鏡検査に力を入れようと思われた理由をお聞かせください。
外科の医師として働くようになり2年目くらいですかね、やはり早期に病変を診断しないことには手術で救うことができないのだと、切除可能な段階で発見することの重要性を改めて認識しました。
私は、内視鏡検査の中でも、特に大腸の内視鏡検査に携わらせていただきましたね。大腸は胃に比べて、長さや形に個人差があります。一人ひとりに見合うよう、検査に工夫が必要だというところに魅力を感じて、手が自然と動くぐらいまで熱心に学びましたね。若い医師に教える際も、個人差がある大腸を自然に診られるようになるにはさまざまな大腸を診る必要があるよと伝えています。
検査を行う際は、慣れているからこそ疾患を見逃さないよう緊張感を持つようにしています。内視鏡検査におけるより良い方法はまだまだあると思っていますので、日々研さんを積んでいきたいと思います。
私は、内視鏡検査の中でも、特に大腸の内視鏡検査に携わらせていただきましたね。大腸は胃に比べて、長さや形に個人差があります。一人ひとりに見合うよう、検査に工夫が必要だというところに魅力を感じて、手が自然と動くぐらいまで熱心に学びましたね。若い医師に教える際も、個人差がある大腸を自然に診られるようになるにはさまざまな大腸を診る必要があるよと伝えています。
検査を行う際は、慣れているからこそ疾患を見逃さないよう緊張感を持つようにしています。内視鏡検査におけるより良い方法はまだまだあると思っていますので、日々研さんを積んでいきたいと思います。
どのような思いでクリニックの開業を決められたのか、教えてください。
慶応義塾大学の医局でさまざまな諸先輩方と出会い、それが私の医師としての根底となっており、とても感謝しています。さまざまな病院で、外科の医師として勤務していましたが、50歳代半ばから、夜間の緊急や長時間の手術の後の疲労感が残るようになり、体力が徐々に下り坂になってきたことを自覚し始めていました。それであれば、手術をする側ではなく、良い手術が受けられるように疾患を発見する立場で医療に貢献しようと思い、開業を決めました。
診療する上で何より大事にしていることは、「受診しやすいクリニック」であることです。ささいなことでも、困ったときに気兼ねなく相談できるクリニックであれば、それが早期発見につながると考えているからです。
診療する上で何より大事にしていることは、「受診しやすいクリニック」であることです。ささいなことでも、困ったときに気兼ねなく相談できるクリニックであれば、それが早期発見につながると考えているからです。
手術経験を積んだ先生だからからこそ、強みがあるのではないでしょうか。
もし手術が必要な疾患が見つかった場合、ほとんどの方は不安を抱きます。私は外科の診療や執刀を経験してきたので、手術の内容や、術前から術後の経過などをお話しすることができます。実際には手術を受ける病院の執刀医からより具体的なお話がありますが、ある程度の予備知識があれば少し落ち着いて理解できると思います。これは大きなメリットがあると感じています。そのようなご不安の軽減や事前準備としてもぜひ当クリニックを役立てていただきたいですね。
病院に喜んで来院する人はいないでしょうから、勇気を持って足を運んでくださった方にはこちらも敬意を表したいと思っています。忙しい中時間を作り、気持ちを整理し、踏み出して来院する方には私で良ければ親身になってお話を伺います。
病院に喜んで来院する人はいないでしょうから、勇気を持って足を運んでくださった方にはこちらも敬意を表したいと思っています。忙しい中時間を作り、気持ちを整理し、踏み出して来院する方には私で良ければ親身になってお話を伺います。
人間の特性と新しい機器の利点を生かした医療で、早期治療につながる未来へ
先生が、消化器内科分野で注目していることはなにかありますか?
先生が、消化器内科分野で注目していることはなにかありますか?
AI診断に注目していますね。現段階では、臨床の現場での使い勝手があまりよくない印象ですが、今後に期待しています。病変の見逃し防止に役立つシステムなので、AI診断の能力が向上すればより早い段階での治療につなげられると思います。
しかしながら、今はやはり私自身も「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」として、病変の見逃しをしないようにということを大事にしています。検査が苦痛だと、不十分な観察になってしまい、望ましい検査ができないこともありますので、検査を受ける方が少しでもリラックスできる環境作りを今後も心がけていきたいですね。人間の持つ特性を大切に、新しい機器のサポートも得ながら、患者さまが健康な生活を送れるような医療提供を目指していきたいと思います。
AI診断に注目していますね。現段階では、臨床の現場での使い勝手があまりよくない印象ですが、今後に期待しています。病変の見逃し防止に役立つシステムなので、AI診断の能力が向上すればより早い段階での治療につなげられると思います。
しかしながら、今はやはり私自身も「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」として、病変の見逃しをしないようにということを大事にしています。検査が苦痛だと、不十分な観察になってしまい、望ましい検査ができないこともありますので、検査を受ける方が少しでもリラックスできる環境作りを今後も心がけていきたいですね。人間の持つ特性を大切に、新しい機器のサポートも得ながら、患者さまが健康な生活を送れるような医療提供を目指していきたいと思います。
最後に、この記事をご覧いただいている方にメッセージをお願いします。
当クリニックは、皆さまに苦痛の少ない内視鏡検査を受けていただけるよう設備や環境を整えています。また、術後の病診連携にも力を入れていますので、気になることがあったらささいなことでも勇気を持ってご相談にいらしてください。
術後の病診連携とは、がんの手術を受けた病院施設と日常診療を担当するかかりつけの診療機関が協力する体制のことです。患者さまの情報を共有しながら、無駄な検査や投薬の重複をなくすことで、患者さまにとって経済的にはもちろんのことお身体にも負担の少ない医療を提供することが目的です。
日常の診療を支えるかかりつけのクリニックとして、地域の医療機関と連携しながら疾患の早期発見・早期治療に尽力いたします。
術後の病診連携とは、がんの手術を受けた病院施設と日常診療を担当するかかりつけの診療機関が協力する体制のことです。患者さまの情報を共有しながら、無駄な検査や投薬の重複をなくすことで、患者さまにとって経済的にはもちろんのことお身体にも負担の少ない医療を提供することが目的です。
日常の診療を支えるかかりつけのクリニックとして、地域の医療機関と連携しながら疾患の早期発見・早期治療に尽力いたします。