
院長
河合 徹
取材日:2022年10月26日
河合 徹先生(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)にインタビュー
医師だった父の姿を見て同じ道に。勤務医時代は皮膚がんの診療に尽力
皮膚科の医師を志した経緯はどのようなものだったのでしょうか。
私の父が整形外科の医師でしたので、幼い頃から医療は割と身近にあるものでした。父のように、困っている方々の手助けをすることで社会にも貢献できるんだと子どもながらに感じていて、憧れの職業でしたね。また、「なぜこの疾患が発症するんだろう」などと病気の仕組みにも興味があり、医師になれば理解を深められると思ったのもきっかけの一つです。
皮膚科を選んだ理由は、飲み薬や塗り薬で改善を図る内科的なものから、レーザー治療や手術など外科的な処置が必要なものまで、幅広い疾患に携われることに魅力を感じたからです。
皮膚科を選んだ理由は、飲み薬や塗り薬で改善を図る内科的なものから、レーザー治療や手術など外科的な処置が必要なものまで、幅広い疾患に携われることに魅力を感じたからです。
勤務医時代にはどのようなことに力を入れて学ばれましたか?
皮膚がん診療とレーザー治療を専門に診療していました。皮膚がんは良性か悪性かを見極めるための診断から、手術もしくは化学療法・放射線治療、進行してしまった方の看取りまで一貫して行っていましたね。レーザー治療は、シミやあざを専門とする外来で診療していました。生まれつきシミやあざがある方や、成人してからイボが気になるようになった方など、さまざまな症例に携わった経験があります。
また、大学病院に加えて、政府系銀行内の診療所や郊外の総合病院で診療してきた経験から、日常的な軽症例から命に関わる重症例まで幅広く診察していました。この経験があるからこそ、当院で対応できる疾患なのか、まだ注意して様子を見ることができるものなのか、急に容体が変化しそうな疾患なのか、さまざまな想定をしながら診断ができているなと感じています。
また、大学病院に加えて、政府系銀行内の診療所や郊外の総合病院で診療してきた経験から、日常的な軽症例から命に関わる重症例まで幅広く診察していました。この経験があるからこそ、当院で対応できる疾患なのか、まだ注意して様子を見ることができるものなのか、急に容体が変化しそうな疾患なのか、さまざまな想定をしながら診断ができているなと感じています。
さまざまな経験をしたうえで、開業に至った経緯を教えてください。
大学病院を受診される方は診断がついていることがほとんどで、ときには重症化している場合もあり、勤務医として働いていた私は早期発見の重要性を、身を持って感じました。たとえば、もっと早く発見していれば手術だけで治ることが期待できたのに、化学療法もしくは放射線治療をしなければならない状況になっていたり、症状が進行し残念ながら亡くなってしまう方も少なくありませんでした。このように、はじめに出会う医師がどのような診断を下すかで、患者さまがその後どういう道を歩むかが決まりますし、診断学が好きだった私には第1発見者として診療することが合っていると思い、開業に至りました。開業して医学で還元するなら地元で、と考えていましたので、小学校から住んでいたこの地域を選びました。
「日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医」を取得していることで、患者さまが医院を選ぶ指標になると思いますし、肩書に負けないよう知識を増やすモチベーションにもなりますから、今後も新しい情報などを取り入れながら、正しい診断につなげられるよう尽力してまいります。
「日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医」を取得していることで、患者さまが医院を選ぶ指標になると思いますし、肩書に負けないよう知識を増やすモチベーションにもなりますから、今後も新しい情報などを取り入れながら、正しい診断につなげられるよう尽力してまいります。
勤務医時代の診療経験を生かし、あらゆることを想定しながら診断しています
皮膚科の医師として、特に力を入れて診療している疾患はなんですか?
皮膚腫瘍(皮膚のできもの)ですね。腫瘍と言うと悪性で命に関わるものというイメージが先行しがちですが、粉瘤やホクロなども良性の皮膚腫瘍の一種です。皮膚腫瘍にはさまざまな種類があるため、診断をつけることは特に大切にしていて、様子見していいのか、調べたほうがいいのか、急ぎで治療方針を立てたほうがいいのかなどを見極め、しっかりと説明するようにしています。
当院では、局所麻酔で痛みをなくした後に、皮膚の一部を切り取って顕微鏡検査(病理組織検査)を行う皮膚生検を随時行っています。また、医療用の拡大鏡(ダーモスコピー)などを用いて診察し、良性であれば日帰りで手術を受けていただくことも可能です。「ずっとあるものだから大丈夫」「こんなことで相談していいのか」などと思わず、気になるできものなど皮膚に変化があればお早めにご相談ください。
当院では、局所麻酔で痛みをなくした後に、皮膚の一部を切り取って顕微鏡検査(病理組織検査)を行う皮膚生検を随時行っています。また、医療用の拡大鏡(ダーモスコピー)などを用いて診察し、良性であれば日帰りで手術を受けていただくことも可能です。「ずっとあるものだから大丈夫」「こんなことで相談していいのか」などと思わず、気になるできものなど皮膚に変化があればお早めにご相談ください。
粉瘤について、もう少し詳しくお伺いしてもいいでしょうか。
はい。粉瘤とは、古い角質や皮脂が溜まっていく袋状の皮膚腫瘍です。毛穴があるところであればどこにでもできる可能性がありますが、顔や首、背中、耳の後ろなどにできやすいと言われています。初期の小さいものだと目立った症状はないですが、菌が入るなど刺激を受けると赤く腫れたり痛みを伴って膿んだりする場合もあるので、炎症のない早期に取り除いたほうがいいですよ、とお伝えしています。
粉瘤については、当院では主にくりぬき法(へそ抜き法)で日帰り手術を行っています。小さな穴を開けてそこから粉瘤を取り出すため、切開部が小さく、傷跡が目立ちづらいのが特徴です。また、日帰りの手術後は、通院による経過観察もしっかりとフォローいたします。もちろん、粉瘤に限らず、ご自身では粉瘤なのか別の疾患なのか見分けがつかないこともあるかと思いますので、皮膚にしこりや腫れがある場合は一度ご相談に来ていただきたいですね。
粉瘤については、当院では主にくりぬき法(へそ抜き法)で日帰り手術を行っています。小さな穴を開けてそこから粉瘤を取り出すため、切開部が小さく、傷跡が目立ちづらいのが特徴です。また、日帰りの手術後は、通院による経過観察もしっかりとフォローいたします。もちろん、粉瘤に限らず、ご自身では粉瘤なのか別の疾患なのか見分けがつかないこともあるかと思いますので、皮膚にしこりや腫れがある場合は一度ご相談に来ていただきたいですね。
そのほかに注力している疾患や診療時のこだわりなどはありますか?
アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、円形脱毛症、白斑などに対する紫外線療法(ナローバンドUVB、エキシマライト)も行っています。この治療は、症状抑制に効果的な紫外線のみを照射するため、副作用は最小限に抑えられていて、小児や妊婦の方でも受けることができます。全身型と部分型を両方備えていますので、患者さまの用途に合わせて使い分けも可能です。さらに、当院が駅から非常に近いため、学校帰りや仕事帰りでも継続通院しやすく、治療の効き目が発揮されやすい環境だと思っております。
どんな治療を予定しているのか、今後どのような経過を辿ると予想されるかなど、医師が何を考えているのかが分からないと患者さまも不安でしょうし、まだ時期が早いのに治療の効き目がないと勘違いされて通院をやめてしまうケースもあります。そのため、治療前の説明はしっかりと行うようにしていますね。特に、にきびやアトピーの治療薬は、使い方や使用期間を間違えると効き目がありませんから、資料や写真などを交えてできるだけ分かりやすくお話ししています。
どんな治療を予定しているのか、今後どのような経過を辿ると予想されるかなど、医師が何を考えているのかが分からないと患者さまも不安でしょうし、まだ時期が早いのに治療の効き目がないと勘違いされて通院をやめてしまうケースもあります。そのため、治療前の説明はしっかりと行うようにしていますね。特に、にきびやアトピーの治療薬は、使い方や使用期間を間違えると効き目がありませんから、資料や写真などを交えてできるだけ分かりやすくお話ししています。
複数の専門医資格を持ち、さまざまな視点からの診療が可能です
「日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医」以外の資格もお持ちだそうですね。
はい。「日本レーザー医学会認定 レーザー専門医」という資格を持っており、手術だけではなく、レーザーを用いて皮膚のできものやシミ・あざを取るという選択肢をご提案できるのが私の強みでもあります。治療後になにか問題や違和感があったときでもスムーズに対応できますので、気兼ねなくご相談いただければと思います。
また、「日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医」でもあります。皮膚科疾患は、花粉や金属・食べ物などのアレルギーが原因となって発症するケースも少なくありませんから、症状に対する治療だけではなく、原因究明にも力を入れています。スギ・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法も行っており、症状を根本から改善したいという方にご提案しています。
また、「日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医」でもあります。皮膚科疾患は、花粉や金属・食べ物などのアレルギーが原因となって発症するケースも少なくありませんから、症状に対する治療だけではなく、原因究明にも力を入れています。スギ・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法も行っており、症状を根本から改善したいという方にご提案しています。
先生が考える、医院としての今後の展望をお聞かせください。
現在、私が手術やレーザーに対応できる時間が増えてきていますから、皮膚のできもの・粉瘤・シミ・あざでお悩みの方にもっと治療が提供できるように努めていきたいと思います。そして、皮膚科疾患はとても幅広く、新しい治療もどんどん増えていきますから、そのスピードに置いていかれないよう、情報収集や知識のアップデートに尽力し、よりよい医療を実践できるようにも頑張っていきたいです。
最後に、先生から患者さまへメッセージをお願いいたします。
私は東大病院を中心に、多様な医療機関でさまざまな年齢層・国籍・社会的背景の方の診療を行ってきました。この経験を生かし、年齢ごとに発症しやすい皮膚科疾患に気をつけながら、日帰り手術やレーザー治療、紫外線療法など、患者さまの症状に合わせた治療方法をご提案できるよう努めています。
皮膚科の病気は、早めの受診から早期発見につながるものがたくさんあります。目に見える場所だからこそ「これくらいの症状なら大丈夫かな」と思わず、気になることがあれば気兼ねなくご相談ください。
皮膚科の病気は、早めの受診から早期発見につながるものがたくさんあります。目に見える場所だからこそ「これくらいの症状なら大丈夫かな」と思わず、気になることがあれば気兼ねなくご相談ください。