
医師
長谷田 文孝
取材日:2021年9月16日
長谷田 文孝先生(日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医)にインタビュー
万病の元を取り払いたいと考え、糖尿病に特化した医師を目指す
子どもの頃から、将来は医師になることを決めていたのでしょうか?
そうですね。父が内科・消化器内科の医師をしていたので、子どもながらに医師になると決めていました。父の背中を見て育ったので、小さな頃から医師以外は考えていなかったと思います。
医学部に進んだ当時は、私自身がスポーツが大好きで、10代の頃にスポーツに打ち込んでいたこともあり、スポーツに関する医学について興味を持っていました。スポーツ外傷などを診られたらいいなと考えたこともありましたね。同じように免疫に関しても興味が強かったです。アレルギーや腫瘍免疫なども含め、同じ人間であっても、一人ひとり異なることが興味深かったからですね。
医学部に進んだ当時は、私自身がスポーツが大好きで、10代の頃にスポーツに打ち込んでいたこともあり、スポーツに関する医学について興味を持っていました。スポーツ外傷などを診られたらいいなと考えたこともありましたね。同じように免疫に関しても興味が強かったです。アレルギーや腫瘍免疫なども含め、同じ人間であっても、一人ひとり異なることが興味深かったからですね。
その後、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医を取得した理由を教えてください。
医学部を卒業し、臨床研修としていろいろな診療科を経験させてもらいました。循環器内科や消化器内科などにも興味を持ったんですが、最終的に糖尿病を始めとした生活習慣病に力を入れていこうと決めたのは、患者さまの健康を守るためには根本的な治療が必要だと考えたからです。
肥満や糖尿病、脂質異常などは、万病の元となります。その根っこを取り去る治療がしたいと考えました。それに、患者さまと話すことが好きだったからという理由もあります。生活習慣病は、患者さまに合わせた治療をご提案するために、患者さまとよくお話しして患者さまを知ることが大切です。私は人と話すのが好きなので、自分に合っていると考えました。
肥満や糖尿病、脂質異常などは、万病の元となります。その根っこを取り去る治療がしたいと考えました。それに、患者さまと話すことが好きだったからという理由もあります。生活習慣病は、患者さまに合わせた治療をご提案するために、患者さまとよくお話しして患者さまを知ることが大切です。私は人と話すのが好きなので、自分に合っていると考えました。
クリニックには、どのようなお悩みを抱えた患者さまがいらっしゃいますか?
「健診で数値を指摘された」という方や、「なかなか痩せられない」というお悩みを抱えた方が多いですね。私は、「日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医」のほか、「日本内科学会認定 総合内科専門医」の資格も持っているので、そういった患者さまのお悩みに幅広く対応できるというのは強みだと感じています。
診療の際は、患者さまのお話をよくお聞きすることを心がけています。患者さまの生活習慣などを知らないと、よりよい治療を提案することはできないですからね。父も患者さまのお話をよく聞いていたので、その影響もあると思います。いずれは父のクリニックを継ぎたいという思いも持っているのですが、今はここにお越しくださっている患者さまを大事に、丁寧な診療を続けていきたいと思っています。
診療の際は、患者さまのお話をよくお聞きすることを心がけています。患者さまの生活習慣などを知らないと、よりよい治療を提案することはできないですからね。父も患者さまのお話をよく聞いていたので、その影響もあると思います。いずれは父のクリニックを継ぎたいという思いも持っているのですが、今はここにお越しくださっている患者さまを大事に、丁寧な診療を続けていきたいと思っています。
生活習慣指導だけでなく、患者さまの負担を考えメンタル面もサポート
力を入れている糖尿病について、まずは1型糖尿病からお伺いできればと思います。
1型糖尿病は、その大部分が自己免疫疾患によるものです。血糖値の上昇を抑える「インスリン」というホルモンを、ご自身の膵臓から分泌できない状態ですので、治療としては食事療法や運動療法のほか、インスリン注射が必要になります。各食前と寝る前の1日4回自己注射を行っていただくか、「CSII」と呼ばれるインスリンポンプ療法で持続的にインスリンを注入します。
発症年齢もさまざまで、小児期や中高生など、若年発症する場合もあります。そのため、発症の事実をなかなか受け入れられなかったり、食べたいものが食べられないというストレスを抱えたりと、患者さまの精神的な負担が大きい病気でもあります。診察の際は、そのような患者さまの精神的な負担に十分に配慮し、時間をかけてお話しするようにしています。長く付き合っていく治療ですので、あまり神経質になりすぎず、かといって食べ過ぎたりもしないように、病気をうまく受け入れてもらえるようにお伝えすることを心がけています。
発症年齢もさまざまで、小児期や中高生など、若年発症する場合もあります。そのため、発症の事実をなかなか受け入れられなかったり、食べたいものが食べられないというストレスを抱えたりと、患者さまの精神的な負担が大きい病気でもあります。診察の際は、そのような患者さまの精神的な負担に十分に配慮し、時間をかけてお話しするようにしています。長く付き合っていく治療ですので、あまり神経質になりすぎず、かといって食べ過ぎたりもしないように、病気をうまく受け入れてもらえるようにお伝えすることを心がけています。
2型糖尿病は、1型とはどのような違いがあるのでしょうか?
2型糖尿病は、遺伝因子に加えて、環境因子が大きく影響する病気です。暴飲暴食や運動不足、肥満などの状態が続くことにより、インスリンが不足したり、分泌されていてもうまく作用しなかったりし、血糖値が上がってしまっている状態です。治療は、まずは食事療法と運動療法を行い、それでも改善しない場合に、補助的にお薬を使うことが多いですね。
ただ、特にお勤めされている方などは、「運動をする時間が取れない」という場合も少なくありません。そういった時は、夕食を食べてから1時間半後くらいに有酸素運動をすることをご提案しています。夕食をご自宅で食べるという方は多いですし、寝る前のカロリー消費が促進されますからね。漠然と「運動してください」というよりも、ある程度時間を指定してご提案したほうが、患者さまにとっても分かりやすいと考えています。また、糖尿病網膜症などの合併症や、動脈硬化が進むことで心臓病などのリスクが高まることもお伝えし、治療のモチベーション維持をサポートしています。
ただ、特にお勤めされている方などは、「運動をする時間が取れない」という場合も少なくありません。そういった時は、夕食を食べてから1時間半後くらいに有酸素運動をすることをご提案しています。夕食をご自宅で食べるという方は多いですし、寝る前のカロリー消費が促進されますからね。漠然と「運動してください」というよりも、ある程度時間を指定してご提案したほうが、患者さまにとっても分かりやすいと考えています。また、糖尿病網膜症などの合併症や、動脈硬化が進むことで心臓病などのリスクが高まることもお伝えし、治療のモチベーション維持をサポートしています。
脂質異常症の症状や治療内容、来院のきっかけについて教えてください。
脂質異常症はこれといった自覚症状がないため、健診で指摘を受けて来院される方がほとんどです。治療は、まずはお話を伺うことから始まります。遺伝因子の影響があるため家族歴や、脂質やフルーツの過剰摂取・間食といった食生活、運動習慣の有無などをお聞きします。食事や運動に問題がなくても、遺伝因子により数値に異常が出ているという場合もあるので、遺伝因子と環境因子の双方にアプローチしていく必要があると考えています。
患者さまには、治療のモチベーションを維持していただくためにリスクをしっかりお伝えするようにしています。「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が蓄積すると動脈硬化を進行させ、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすので、症状がなくてもお薬をやめちゃいけませんよ」という点は、特にしっかりとお伝えするようにしています。また、定期的に動脈硬化の評価をして「現在の治療に意味があると知っていただくこと」も大事だと考えています。家族がいる方には、「ご家族のために、症状がなくても治療を続けましょうね」ということもお話ししています。
患者さまには、治療のモチベーションを維持していただくためにリスクをしっかりお伝えするようにしています。「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が蓄積すると動脈硬化を進行させ、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすので、症状がなくてもお薬をやめちゃいけませんよ」という点は、特にしっかりとお伝えするようにしています。また、定期的に動脈硬化の評価をして「現在の治療に意味があると知っていただくこと」も大事だと考えています。家族がいる方には、「ご家族のために、症状がなくても治療を続けましょうね」ということもお話ししています。
チーム医療により、一人ひとりに合わせた無理のない治療の提供を目指す
糖尿病や脂質異常症の治療で、今後力を入れていきたいことはありますか?
糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は、普段の食生活や運動、服薬など、さまざまな角度からのアプローチが必要です。そういったアプローチを、医師一人ではなく、看護師や栄養士なども含めてできるようになれば、より厚みのある治療ができるのではないかと考えています。単に役割を分担するということではなく、専門的な知識を各々が生かすことで相乗作用が期待できると思いますので、力を入れていきたいですね。
またそのためには、患者さまのご家族によるサポートも、時には必要になってくるかと思います。ご家族で食事をされる場合が多いと思いますので、食事の内容を工夫していただいたり、それが難しい場合は量を減らしていただいたりと、より患者さまに合わせた治療を進められるよう、ご家族さまへのご説明にも力を入れていきたいと思っています。
またそのためには、患者さまのご家族によるサポートも、時には必要になってくるかと思います。ご家族で食事をされる場合が多いと思いますので、食事の内容を工夫していただいたり、それが難しい場合は量を減らしていただいたりと、より患者さまに合わせた治療を進められるよう、ご家族さまへのご説明にも力を入れていきたいと思っています。
日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医として、今後の課題を教えてください。
社会の高齢化とともに、糖尿病患者さまの高齢化も進んでいることですね。指導や治療が難しかったり、食事制限により運動機能に影響を与えてしまったりといった課題があります。筋力低下を意味する「サルコペニア」や、加齢による虚弱を意味する「フレイル」などを避けて、いかに血糖値をコントロールするかが課題となっています。
また、糖尿病の新たなお薬や指導法は、年々増えています。さまざまな選択肢がある中で、一人ひとりの患者さまに適応する治療法をどう活用していくかという点も、課題だと考えています。
また、糖尿病の新たなお薬や指導法は、年々増えています。さまざまな選択肢がある中で、一人ひとりの患者さまに適応する治療法をどう活用していくかという点も、課題だと考えています。
最後に、糖尿病や脂質異常症の患者さまへメッセージをお願いします。
当クリニックでは、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を中心に、患者さまに合わせたダイエットのサポートにも力を入れています。生活習慣の改善を通して、健康的な体づくりを行いましょう。
治療は、「無理なく」行うことを重要視しています。患者さま一人ひとりに合わせた無理のない運動や食生活により、健康な方と同じような生活を今後も一緒に送っていければと思っています。
治療は、「無理なく」行うことを重要視しています。患者さま一人ひとりに合わせた無理のない運動や食生活により、健康な方と同じような生活を今後も一緒に送っていければと思っています。