岡本 知久先生(日本呼吸器学会認定 呼吸器専門医)にインタビュー
お一人おひとりに正しい情報や治療を提案したいと考え、開業へ
私は勤務医時代に間質性肺炎の診察から治療まで行ってきました。その経験から診断はつけられますし、患者さまに病気のご説明や治療法のご提案も可能です。間質性肺炎を見極める方法は、息切れやせきの状態、レントゲン画像のほか、聴診も重要なポイントになります。間質性肺炎が持つ特徴的な音を聴診で見極め、基幹病院に速やかに紹介します。一つひとつ丁寧に確認し、治療につなげることが私たちの医師の重要な仕事だと考えています。
気管支喘息は、苦しい症状のある間だけQOLが下がるのではなく、将来の肺の健康にも悪影響を及ぼします。そのため、症状がないときこそ中断せずに治療によるコントロールを続けることが重要です。
軽視されがちな喘息はどのような怖いリスクがあるのか理解を深めていただくために、病気に関するパンフレットや説明用ツールを用いてわかりやすく説明をいたします。また、疑問点があれば、どんどん質問できるような雰囲気づくりも心がけています。もし喘息に関して疑問や悩んでいることがありましたら、いつでもお越しください。
現在、薬剤耐性菌の問題がWHOをはじめ各国の課題として取り上げられています。抗生物質を使い続けることでお薬に対する抵抗力が高まり、お薬が効かなくなる場合があります。このような薬への耐性を持った細菌のことを薬剤耐性菌といいます。私は以前から間違った使われ方をしているケースを漫然と疑問に思っていました。
当クリニックの診療理念の一つにもありますが、お薬の正しい使用方法を、クリニックでお一人おひとりにお伝えしたいと考え、自分のクリニックを開業することにしました。当クリニックでは薬剤耐性菌を踏まえた診療の提供を心がけています。
重篤な疾患の三次救急での勤務経験から、正しい診断力を養う
私が診療で大切にしているのは、将来起こりうるQOLの低下などを含めしっかりと説明をすることです。勤務医時代も、患者さまは自覚症状のない頃は「タバコをやめるぐらいなら・・・」とおっしゃるのですが、症状が進むと皆さま口をそろえて「先生、どうにかこの症状を取り除いてください」といわれます。それほど、タバコは依存性が高く、将来的にも苦しむ疾患リスクもあるため、やめるときはきっぱりとした決断が必要だといえます。
どのような医師になりたいかと考えたときに、「正しくレントゲンを見ることができ、正しく抗生剤を使え、風邪の治療ができる」この3本柱を強みとできるように目標を立てました。例えば、レントゲンについては呼吸器の診療において使用頻度が高い検査です。レントゲン検査の結果を正しく読み取ることができれば、病気の早期発見ができ、患者さまを救うことにつながると考えています。
風邪については、学生時代から薬剤耐性菌について話を聞いていました。外国の一定の地域では深刻な問題になりつつあるということもあって、臨床研修を受けていた頃、薬剤耐性菌をお持ちの方がこんなにもいらっしゃることに驚き、現在の私の診療指針にもなっています。
医師としてやりがいを感じるのは、自分が持っている知識や経験を使い、お悩みに応えられたときや、患者さまにとってより良い治療法などが提案できたときです。
医療技術の進歩にもアンテナを張り、時代に合わせた医療で地域に貢献
そのほかにも、SDGsなど地域の一クリニックとして、なにか貢献できることがあれば意欲的に実施するなど、時代に合わせた取り組みにも参加する意識でいられたらと考えています。
私は極力皆さまのお力になれるようにと思っています。もし気になる症状がありましたら、こんなこと相談してもいいのかなと考えずに、まずはお越しいただきたいです。