
櫻井 隆弘先生(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医)にインタビュー
医療の限界を知っているからこそ、早期発見・早期治療に努める
治療によって奇跡的に快方へ向かう方がいれば、力が及ばなかった方もいらっしゃいます。医師として、人として、限界を感じることもありました。もっと早いタイミングで受診していただいていれば助かったケースでは、「やはり医療の力で治療できる段階で、がんを見つけてあげることが大切だ」と強く感じました。
そういった経験があったからこそ、胃がん・大腸がん・食道がんを早期発見できるよう、1992年から現在まで内視鏡検査の提供に力を入れてきました。「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」としての知識や技術、つながりなども生かして、今後も消化器がんの早期発見・早期治療に努めていきたいと考えています。
会社勤めをしていた時に当診療所へ通ってくれていた方が、お勤めを終えてからも足を運んでくださることも、ありがたく感じます。患者さまとの間に信頼関係が築けていると感じる機会は、医師を続けていて良かったと思う瞬間です。
実際に検査を受けると、「この箇所はつらいので、こういう工夫をしよう」「ここを過ぎると苦痛が和らぐと声かけをしてあげよう」といった、配慮すべき点が分かるんです。そういったポイント踏まえた対応を、私を含めた医師と看護師の全員で心がけて、苦痛の少ない内視鏡検査ができるようにしています。
そのほかの工夫としては、たくさんの方に内視鏡検査を提供するために、内視鏡検査室を7室まで増やしたことです。当診療所の医師たちに加えて、東京慈恵会医科大学附属病院の教授の先生をはじめ、東京大学医学部附属病院、順天堂大学医学部附属順天堂医院など外部の消化器分野の医師の方にもご協力いただくことで、1日に多くの患者さまを診られる体制を整えています。
技術を持つ医師・スタッフと充実の設備で、リスクの見逃し0を目指す
強みは、内視鏡検査室を7室揃え、内視鏡検査に専門性を持つ医師が検査を行っている点です。何かあった場合には、すぐに連携先の病院へご紹介できる体制を整えており、がんを発見したら終わりという無責任なことはいたしません。
日本人は定期的に大腸検査を受ける習慣のない方が多く、大腸がんの発症率が高いといわれています。しかし、内視鏡検査で大腸ポリープを発見し切除すれば、がんのリスク軽減につながります。ご家族が大腸がんになったことがある方は若い時から、それ以外の方は40歳から大腸内視鏡検査を定期的に受けてもらいたいというのが、私の願うところです。
胃内視鏡検査に対し不安をお持ちの方もいらっしゃると思うのですが、当診療所では検査時の苦痛をできる限り軽減できるよう努めています。例えば、咽頭反射が強くて吐き気を催す方も、鼻からファイバースコープを入れる経鼻内視鏡であれば、検査を受けられるケースがあります。また、鎮静剤を使う場合も、種類や量をその方に合わせて調節することが可能です。胃内視鏡と大腸内視鏡を同日に行うこともできますので、一度で上下の内視鏡検査を終わらせたい方も、ぜひご相談いただければと思います。
ちなみに、逆流性食道炎は胃酸の逆流によって食道に炎症が起こり、胸やけやげっぷなどの症状が現れる病気です。例えば、お仕事が忙しくて夕食の時間が遅くなってしまい、食後すぐ横になることで胃酸が食道に逆流するといったケースが見られます。そういった説明は、画像をお見せしながら行うことで、ご理解いただきやすくなるよう工夫しています。
最近では自覚症状をインターネットで調べて逆流性食道炎だと判断し、市販薬を飲まれている方もいるようです。しかし、実は胸やけやげっぷは、胃がんの症状にも当てはまります。薬を飲んでも症状が収まらないようでしたら、ぜひ放置せずに受診をしてください。皆さまの健康を守るため、見逃しのないようにしっかりと診査・診断をさせていただきます。
一人ひとりの患者さまへ真摯に向き合い、一人でも多くの方の健康を守っていく
また、現在は内視鏡検査室が7室ありますが、今後のニーズ次第でさらに増やせればと考えています。消化器のがんを早期に発見するため、今後もたくさんの方に内視鏡検査をご提供していくつもりです。
多くの方に内視鏡検査を受けていただきたいと思う一方、時間に追われた対応をして、患者さまをおざなりにしたくないという思いもあります。診療所の規模を広げれば広げるほど、患者さまをお待たせしたり、目が届かない部分ができて心配りが行き届かなくなったりする可能性を考えると、むやみに選択はできません。そのバランスを考えながら余裕を持って検査枠を広げていき、多くの患者さま一人ひとりと向き合うというのが、私が望む診療所の姿勢です。
また、どこかご希望の病院があったり、受診されたい先生がいらっしゃる場合、紹介状を出すこともできます。患者さまの健康を守れるのは、本質的には患者さまだけです。どんなきっかけであっても、医療機関へ一歩踏み出すことが健康につながるからこそ、紹介状希望の方も、気兼ねなくご来院いただきたいと思っています。
当診療所は、受診のハードルを少しでも下げられるよう、都心からのアクセスが良い環境で診療を行っています。JR山手線「東京駅」の日本橋口から徒歩約1分、東京メトロ銀座線「三越前駅」のB2出口より徒歩約1分、東京メトロ銀座線「日本橋駅」のA1出口からも徒歩約1分の好立地です。今後も、一人でも多くの方のがんの早期発見・早期治療に貢献できればと思います。