伊藤 真典先生(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医)にインタビュー
症状が現れにくい消化器疾患の発見のため、念入りな検査と苦痛の軽減に注力
脂肪肝の治療が難しいのは、自覚症状がほとんどなく治療の必要性が感じにくいこと、そして特効薬がない点にあります。まずはエコー画像を使っての説明で患者さまに「脂肪肝がある」と自覚していただくことが重要です。その上で、運動療法や食事療法をメインに、アルコールや糖分が多い飲み物の摂取量を抑えるなどの治療に進みます。あまり細かなことを言っても継続しにくいと思いますので、患者さまが取り組みやすそうなことからお伝えすることを大切にしています。
また、ほかにも肝がん、C型肝炎やB型肝炎、自己免疫性肝炎、胆汁性胆管炎、甲状腺の疾患が隠れているケースもあるので、検査時には脂肪肝以外のチェックにも注力しています。
命に関わる病気の発見につながる胃カメラ検査ですが、残念なことにハードルが高いと感じている方が、まだまだ多いようですね。私としては、特にご家族が胃がんを発症した方や、タバコや飲酒をされている方はがんのリスクが高いことを考えて、症状がなくても検査を受けていただきたいと思っています。「検査が怖い」と思っている方も多いと思うのですが、当院では鼻からスコープを入れる「経鼻内視鏡」を採用するなど、検査時の苦痛を抑える工夫もしています。局所麻酔を使わないことで患者さまと一緒にモニターが見られて、胃の状態を具体的に説明できるのもポイントですね。会話をしながら検査をすると、患者さまも気が紛れやすい様子です。
医院の間口を広げるため、消化器内科・小児科・整形外科など複数の科に対応
また、街の医院にはさまざまな症状の方が来るので、対応できる分野の狭さは病気の見逃しにつながります。その点は、大学病院で消化器の幅広い疾患に携わった経験が、今に生きていると感じます。患者さまが訴えている腹痛の度合いや痛みのある箇所など、細かい問診の情報から診断につなげられるのは、大学時代の経験があったからこそです。「ちょっとお腹が痛い」という時にも、気兼ねなくご相談いただければと思っています。
内視鏡を用いた、吐血時や消化器出血の止血、総胆管結石を取り除く処置などは、成功すると早期に症状が緩和する傾向があります。そういった「治療の成果が目に見えて分かりやすい」点が、私にとって魅力的でした。ただ、内視鏡治療は細かな動作がうまくできないと患者さまの苦痛につながるので、手技練習には特に力を入れてきたつもりです。
現在は培ってきた内視鏡の技術を、病気を見つけるという街の医院の役割を全うすることに役立てています。健康な方ほど定期健診を軽んじる傾向がありますが、久しぶりに受診したら大きながんや胆石が見つかったというケースは、毎年のようにあるのが現実です。命に関わる病気を取りこぼさないためにも、ちょっとした腹痛や違和感の段階で胃内視鏡検査を受けて、初期治療の足掛かりにしていただきたいですね。
また、さまざまなお悩みに対応できるように、「日本肝臓学会認定 肝臓専門医」「日本消化器病学会認定 消化器病専門医」「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」と、複数の専門医資格を取得しました。私の父も「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」の資格を持っていますし、専門ではありませんが小児科にも対応できます。
幅広い診療ができる体制を整えていますので、どのようなきっかけでも自分の身体について関心を持って、ご相談へお越しいただけると嬉しいですね。
健診や胃内視鏡検査に注力し、命に関わる病気を未然に防ぐ存在に
内視鏡検査をご案内したいのは、主に上腹部の痛みがある方です。また、食道付近の胸やけ、長く続く咳、胃もたれは食道炎の症状、ご年配の方の痛みを伴わない貧血は消化器出血の可能性があります。飲酒や喫煙をされている方の場合は食道がんのリスクが高くなるので、ぜひ一度来院してほしいですね。
現在は感染症対策として、事前予約の上での胃内視鏡検査に対応しています。検査の1週間前から発熱の有無を確認し、当日に咳などの感染症状が現れていない方へ検査を行う流れですね。検査時には医師とスタッフがマスクやフェイスガード、防護服などを着用して対応することを、あらかじめご了承いただいています。
当院では公費で受けられる成田市の特定健診から、企業健診(※)やレントゲン、採血、心電図を含めた個人向けの健診(※)まで対応しています。普段症状が気にならなくても、いざ検査を受けると肝機能が高くなっていたり、糖尿病が悪化していたりすることはめずらしくありません。検査を通して健康意識を持つためにも、治療が必要か不必要かを判断するためにも、ぜひ健診をご活用いただきたいですね。
(※)は自由診療です。料金は料金表をご確認ください。
痛みや違和感があって、ちょっと検査を受けてみたら悪いものが見つかるというのは、実は結構あることです。そういったリスクを見逃さないために、内視鏡検査の研さんを重ね、「日本肝臓学会認定 肝臓専門医」「日本消化器病学会認定 消化器病専門医」「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」など複数の専門医資格も取得してきました。
身体の痛みや不快な症状について一人で悩んでいるようであれば、ぜひ一度当院の診察を受けにいらしてください。