診療案内｜きくたに内科クリニック

生活習慣病

生活習慣病とはどのような病気でしょうか？

主に生活習慣の乱れが原因で発症する病気で、動脈硬化を進行させ心筋梗塞のリスクを高めます。


生活習慣病とは、肥満症、高血圧症、脂質異常症、耐糖能異常、糖尿病など、主に生活習慣の乱れが原因で生じる疾患のことです。糖尿病と診断されるほどではないものの、食後、糖が血管内に留まり血糖の高い状態になることを耐糖能異常と言います。糖尿病ではありませんが、動脈硬化は進行します。

血圧、血糖、脂質、ウエスト周囲径のうち二つ以上が基準値をはずれると、メタボリック症候群と診断されます。メタボリック症候群の状態が続くと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こしやすくなるため注意が必要です。

健康診断（※1）や、横浜市の特定健康診査（※2）を受けて、ご自身の状態を把握されるとよいでしょう。生活習慣病を改善するためには、暴飲暴食を避け、日常の活動量を増やし、規則的な生活を送るといった生活習慣の改善を行う必要があります。

（※1）は自由診療です。料金表をご確認ください。
（※2）対象の方は公費負担で受けていただけます。

高血圧症

高血圧症はなぜ治療する必要があるのでしょうか？

血圧が高い状態が続くと心臓、眼底、脳、大動脈、腎臓に障害が出る恐れがあるため治療が必要です。


高血圧症とは、持続的に血圧が上昇する病態のことです。血圧が高い状態が続くと、心臓、眼底、脳、大動脈、腎臓といったさまざまな臓器に障害をきたす恐れがあります。

高血圧症は動脈硬化を進行させるため、脳卒中になる可能性を高めます。そこで、血圧をコントロールしていくことが大切です。

一般的に、多少、血圧が高くなってもあまり自覚症状が現れません。健診で血圧が高いことを指摘された場合や、ご家庭で血圧を測定して血圧が高い場合には、ご相談ください。

脂質異常症

脂質異常症とはどのような病気ですか？

脂質代謝に異常をきたした状態のことで、脳血管障害や虚血性心疾患のリスクを高める病気です。


脂質異常症とは、中性脂肪やコレステロールといった脂質代謝に異常をきたした状態のことで、更年期以降の女性に起こりやすい生活習慣病のひとつです。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンは、脂質の代謝と深く関わりがあります。閉経によりエストロゲンの分泌が減ると、脂質異常が起こりやすくなるのです。また、脂質異常症は遺伝的な原因でも発症するほか、加齢や生活習慣にも起因すると考えられています。

脂質異常症は、自覚症状を起こすことはほとんどありません。健診により異常を指摘されて、受診されるケースがほとんどです。脂質異常症は、動脈硬化の重要な危険因子です。動脈硬化が進行すると、脳血管障害や虚血性心疾患などを引き起こす恐れもありますので、健診で異常を指摘されたらご相談ください。

骨粗しょう症

骨粗しょう症とはどのような病気でしょうか？

骨がもろくなり、わずかな衝撃で骨折しやすくなる病気です。


骨粗しょう症とは、骨量が減り、骨がもろくなることで、転倒などのわずかな衝撃で骨折しやすくなる疾患です。ご年配の方の場合は、骨粗しょう症による骨折が原因で寝たきりになる恐れもありますので、早期に発見してしっかりと治療を行い、骨折を予防していくことが大切です。

骨粗しょう症は、閉経後の女性に多く見られます。女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することと関係していると言われています。

狭心症・心筋梗塞

狭心症と心筋梗塞の違いについて教えてください。

冠動脈が狭くなり血流が滞るのが狭心症、冠動脈が詰まり心筋が壊死を起こすのが心筋梗塞です。


心臓の周囲には、心筋を動かすために必要な酸素や栄養を心臓に供給する冠動脈が走っています。何らかの原因によって動脈硬化が進み、冠動脈が狭くなると血液の流れが滞り、心筋に送り込まれる酸素や栄養が不足します。虚血性心疾患とは、心筋の一部が酸素不足（虚血）に陥る疾患の総称です。重症度によっては、命に関わることもある病気です。

狭心症は、冠動脈が狭くなることによって心筋に送り込まれる血液が不足し、酸素不足に陥ることで、胸痛の症状が起こります。一方、心筋梗塞では、冠動脈のプラークが破れて冠動脈の内腔が詰まってしまいます。心筋に血液が送り込まれなくなるため、心筋は壊死を起こします。急性心筋梗塞は、1分1秒を争う命に関わる疾患です。来院時に胸痛の症状があり、急性心筋梗塞が疑われる場合にはすみやかに連携の病院へ救急車で搬送いたします。

狭心症の中でも注意した方がよい狭心症はありますか？

不安定狭心症は心筋梗塞に移行しやすいため、注意が必要です。


狭心症には、安定狭心症と急性冠症候群に含まれる不安定狭心症があります。安定狭心症は、心筋梗塞への移行の心配が少ない狭心症です。一方で、不安定狭心症は心筋梗塞に移行しやすいため注意が必要です。階段や坂道を上った時に胸の痛みや締め付け感が生じるのは労作性狭心症の典型的な症状ですが、安静にしている時でも胸痛の症状が起きる場合や、発作の持続時間が長く頻度が増えている場合には、不安定狭心症が疑われます。

心電図検査や心臓超音波検査に加えて、どのような時にどういった胸の痛みが生じるのかを問診で丁寧に伺い、安定狭心症と不安定狭心症を鑑別していき、必要に応じて連携の医療機関をご紹介します。

動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患を引き起こしやすくなります。脂質異常症、高血圧症、糖尿病など生活習慣病の基礎疾患をお持ちの方は病気をコントロールし、喫煙習慣のある方は禁煙をしていただくと、動脈硬化の進行を抑え虚血性心疾患の予防につながります。

不整脈

不整脈ではどのような症状が起こりますか？

さまざまな不整脈があり、脈が飛ぶ、脈が速くなる、脈が遅くなるなど多彩な症状が現れます。


心臓は、正常時には一定のリズムで血液を送り出すポンプとして働いています。拍動のリズムが乱れる不規則な脈、脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈といった症状が起きることを不整脈と言います。

不整脈は、心房細動、心室頻拍・心室細動、発作性上室生頻拍、期外収縮、洞頻拍、房室ブロック、洞機能不全症候群などさまざまな疾患によって起こります。ドキドキする、脈が飛ぶ、一瞬ドキッとする、胸が苦しい、息切れ、めまい、胸の痛みなど、多彩な症状か現れますので、これらの症状でお困りの際は一度ご相談ください。

心房細動の治療について教えてください。

血液をサラサラにする抗血栓薬による治療、またはカテーテルアブレーション治療を行います。


心房細動自体は、命に関わるような不整脈ではありません。しかし、心房細動が続くことで血栓ができやすくなり脳梗塞を引き起こす原因にもなりますので、血液をサラサラにする抗血栓薬で治療をする必要があります。

また、心房細動で脈が速くなると心不全を起こしやすくなるため、脈を抑える必要がありますが、発症からの経過日数によって治療方法が異なります。発症から2日以上経過している場合には、無理に脈を正常範囲まで落とすと血栓が飛ぶ恐れがあるため、抗血栓薬と脈を少し抑えるお薬を併用した治療を行います。

ただし、抗血栓薬は血液をサラサラにする代わりに出血のリスクを高めるという副作用があります。腎機能にも影響を与える恐れがあるため、若い患者さまにはカテーテルアブレーションという治療をご提案し、対応可能な医療機関をご紹介しています。

心不全

心不全ではどのような症状が起こりますか？

顔や下肢のむくみ、疲れやすさ、だるさ、息切れ、食欲不振などの症状が起こります。


心臓は、血液を全身に送り出すポンプのような働きをしている臓器です。何らかの原因によって、この心臓の能力が低下して、心臓が全身に必要な血液を送り出せなくなった状態を心不全と言います。顔や下肢のむくみ、疲れやすさ、だるさ、息切れ、食欲不振といった症状が現れます。

心不全はうっ血性心不全とも呼ばれます。組織内に血液が溜まり、うっ血を引き起こす場合があるためで、多くの場合、肺に血液が溜まる肺うっ血が起こります。肺に血液が溜まると、肺での酸素交換が障害されるため、軽い作業でも息切れが生じます。

心不全を起こす原因は、虚血性心疾患（狭心症、心筋梗塞）、高血圧症、糖尿病、心筋症、弁膜症、不整脈、先天性心疾患・心奇形などさまざまで、複合的に重なって心不全を発症します。心筋梗塞に心不全が合併し緊急を要する場合や、肺うっ血で呼吸状態が悪い場合には、連携の医療機関をすみやかにご紹介いたします。

心不全の検査と治療について教えてください。

X線検査、心電図検査、BNP検査、心臓超音波検査を行い、原因となる疾患の治療を行います。


心不全が疑われる患者さまには、X線検査、心電図検査、血液のBNP検査、必要であれば心臓超音波検査などを行います。また、肺うっ血の可能性が疑われる場合には、酸素飽和度の確認、X線検査で肺にうっ血が起きていないかどうかも確認します。

心不全とは、何らかの疾患によって心臓の働きが低下したことで起きている状態のことです。そのため、原因となった疾患の治療を行っていく必要があります。原因を調べるために精密検査を必要とする場合には、内服治療でいったん症状を落ち着かせた後、大学病院や総合病院を紹介いたします。

弁膜症

弁膜症とはどのような病気なのでしょうか？

心臓の弁に障害が起きた状態を弁膜症と言います。


心臓には、血液が逆流しないように大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁と四つの弁があります。これらの弁に障害が起きた状態を弁膜症と言います。

大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症などが代表的な弁膜症です。大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症などは、ご年配の方によく見られる疾患です。

弁膜症の症状には、動悸、息切れ、胸痛などがありますが、初期の段階では症状が起こらず、加齢に伴う変化に似ているため症状が見過ごされがちです。呼吸困難やむくみなどの症状が起こった時には、かなり弁膜症が進行した状態と考えられます。

弁膜症の検査と治療はどのように行っていますか？

胸の聴診と心臓超音波検査で診断し、外科的処置が必要な場合には連携の医療機関にご紹介します。


症状だけでは弁膜症かどうか判断できませんので、胸の聴診で心雑音の確認をしたり、心臓超音波検査を行ったりして弁膜症の診断を行います。

薬で症状を軽くすることはできますが、薬では障害の起きた弁を改善することまではできません。重度の弁膜症の治療には人工弁に置換する手術が必要ですが、最近、大動脈弁狭窄症に関しては開胸手術の必要がない、TAVI（経カテーテル大動脈弁治療）という治療方法も行われています。手術やTAVIが必要な場合には連携の医療機関をご紹介しています。

閉塞性動脈硬化症

動脈硬化症はなぜ注意する必要があるのでしょうか？

動脈は酸素や栄養素を運ぶ血管です。動脈硬化が進行し動脈が詰まると心筋梗塞を引き起こします。


動脈が硬くなって弾力性が失われた状態を、動脈硬化症と言います。動脈は、酸素や栄養素を運ぶという重要な役割を担っています。この動脈が弾力を失い、狭くなってしまうと、臓器や組織に必要な酸素や栄養素が行き渡らなくなります。さらに動脈が詰まってしまうと、臓器や組織に血流が流れなくなり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。

動脈硬化は、高血圧、脂質異常、高血糖、肥満、運動不足、加齢、喫煙、ストレス、偏った食事などが発症のリスクを高めます。また、アルコールやコーヒーといった嗜好品の過剰摂取も原因と考えられています。高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病がある場合にはコントロールを行い、生活習慣の乱れがあれば生活改善を行って、動脈硬化の進行を予防する必要があります。

当クリニックでは、血圧脈波検査装置によるABI検査を行って動脈硬化の状態を確認し、患者さまの状態に合わせた治療を行っています。

閉塞性動脈硬化症とはどのような病気でしょうか？

手足の血管に起きる動脈硬化症を閉塞性動脈硬化症と言います。


手足の血管に起きる動脈硬化症を閉塞性動脈硬化症と言います。また、末梢動脈疾患とも呼ばれます。動脈が細くなったり詰まったりすることで、血流が悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛み、冷たさなどの症状が現れます。さらに進行して血管が詰まると、酸素や栄養素が行き渡らず、手足が壊死に至ることもあるため、注意が必要です。

初期の症状は、手足のしびれです。次の段階では、一定の距離を歩くとふくらはぎが痛くなり、休憩を挟まなければ歩行できなくなります。これを間歇性破行（かんけつせいはこう）と言います。次に、安静時にも痛みが生じる、安静時疼痛が起きるようになり、さらに進行すると潰瘍ができて壊死に至ります。