桑原 伸介先生(日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医)にインタビュー
急性腎炎で入院した幼少期。腎臓の病気に携わりたいと泌尿器科の医師に
医師になろうと思ったのは、高校時代ですね。進路を選ぶ時に、医学部へ行こうと決めました。医学部に進んでからは、ラグビー部に入りました。大学に入ったら、今までやっていなかったことをやってみようと思って始めたのです。あまり上手くはなりませんでしたが、楽しかったですね。ラグビーをすることで、体力もついたと思います。
開業するのであれば、自分が生まれ育ち、現在も居住している地域の皆さまに貢献したいと考えて、泉北ニュータウンでの開業を決めました。自分が住んでいるということもあって、この地域の高齢化が進んでいることもわかっていましたので、開業するなら在宅医療も必要と考え、訪問診療も行うことにしました。
きめ細やかなアドバイスで前向きになっていただくことを心がける
問診、尿検査、エコー検査、膀胱ファイバースコープ検査などで膀胱がんと診断します。治療は、対応可能な医療機関にご紹介しています。紹介先での治療がスムーズに進み、かつ患者さんの不安も軽減できるよう、私の方で説明できることは説明しています。手術や抗がん剤治療を行う病院は非常に忙しく、患者さんにゆっくりと説明する時間が取れないことも多いかと思うのです。また、再発の多いがんなので、術後は定期的な検査でフォローします。
患者さんには排尿日誌をつけていただくようにお願いしています。朝起きてから翌日の朝まで、排尿した時刻と尿量を記録していただき、そこから原因を探っていきます。何らかの疾患が原因で夜間頻尿が起きている場合には、お薬も使いますが、生活習慣についてもきめ細かくアドバイスするように心がけています。
症状が改善されれば喜ばれることが多い病気ですが、なかなか症状が改善されないこともあります。症状が改善されない場合でも、できる限り原因を追求し、対応策を提示することで、患者さんに少しでも前向きになっていただけるような診療を行うよう努めています。
まずはお薬で治療を開始しますが、お薬だけでは症状が改善されない方には、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法という外科的な治療も行っています。膀胱ファイバースコープを使って、膀胱の壁内にボツリヌス毒素を注射する治療方法で、保険適用があります。ただし、ある程度体に負担のある治療方法なので、患者さんの症状が、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の適応かどうかを慎重に検討して、導入するかどうかを決めるようにしています。また、治療を行う前には患者さんに丁寧な説明を心がけています。
泌尿器疾患だけではなく地域の皆さまを幅広くサポートすることを目指す医師
また、新しい治療方法の中に開業医でも取り入れられるものであれば、「日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医」として、今後もどんどんと導入していきたいと考えています。
ご高齢の患者さんに対して、どのような治療が適しているのかは、答えを出すのが難しいですね。日々、試行錯誤の連続で治療を進めているところです。
また、独居や老々介護のご高齢者も増えており、今後さらに在宅医療が重要になると思います。日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医として他職種の方々とも連携を取りながら、可能な限りサポートさせていただくようにしています。
泌尿器疾患においても、それ以外の疾患においても、責任をもって真摯に対応し、地域の皆さまの健康を幅広くサポートしていければと考えています。尿のお悩みと共に、それ以外のお悩みも気兼ねなくご相談ください。