
院長
前田 秀典
取材日:2022年11月22日
前田 秀典先生(日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医)にインタビュー
かゆみやアレルギーなど生活の質を左右する悩みに寄り添い、症状改善に尽力
耳のかゆみといった症状がある場合、どのような疾患が考えられますか?
耳がかゆくなる原因として、耳介や外耳に湿疹などの異常が起きているケースが多いです。疾患としては、「外耳道炎」や「外耳道湿疹」、「外耳道真菌症」などが挙げられます。
耳あかは自然とはがれ外へ排出されるのですが、その際に伴うかゆみを解消しようとして、耳かきや爪で外耳道を傷つけることがあります。それをきっかけに外耳道炎や外耳道湿疹になったり、カビに感染することで外耳道真菌症などを併発したりするのです。
これらの疾患はかゆみが伴うため、どうしても触りがちですが、触れることでかゆみがより強まるので、当院では触る頻度や湿疹の広がりなどを診て、薬の塗り方などをお伝えするようにしています。また、患部を触らないようにすることが改善への近道なので、かゆみが鎮まっても患部の状態が落ち着くまではお薬を塗るように指導しています。
耳あかは自然とはがれ外へ排出されるのですが、その際に伴うかゆみを解消しようとして、耳かきや爪で外耳道を傷つけることがあります。それをきっかけに外耳道炎や外耳道湿疹になったり、カビに感染することで外耳道真菌症などを併発したりするのです。
これらの疾患はかゆみが伴うため、どうしても触りがちですが、触れることでかゆみがより強まるので、当院では触る頻度や湿疹の広がりなどを診て、薬の塗り方などをお伝えするようにしています。また、患部を触らないようにすることが改善への近道なので、かゆみが鎮まっても患部の状態が落ち着くまではお薬を塗るように指導しています。
舌下免疫療法のメリットや、どのような方に向いているかを教えてください。
アレルギー症状を抑えるだけの治療ではなく、スギやダニアレルギーの症状に対して根本から改善を図れるのが舌下免疫療法のメリットです。ただし、治療期間は3年から5年ほどかかることと、薬を毎日飲み続ける必要があること、また、アレルギー源を少しずつ慣らす治療法なので、副反応が出ていないかなど経過観察のために月に1回通院していただくことが必要となります。この点をご理解いただければ、アレルギー症状から開放される可能性があるので、ご検討いただきたい治療法です。
舌下免疫療法は改善されるまでに少し時間がかかるので、当院では通院歴を把握し、細やかな配慮とケアに努めています。もし通院期間が空いてしまっている方がいれば、こちらからご連絡するなど、頑張って継続いただけるような工夫を行っていますね。
舌下免疫療法は改善されるまでに少し時間がかかるので、当院では通院歴を把握し、細やかな配慮とケアに努めています。もし通院期間が空いてしまっている方がいれば、こちらからご連絡するなど、頑張って継続いただけるような工夫を行っていますね。
診療の際は、どのような点を意識して患者さまに対応されていますか?
患者さまのご希望に添った治療方針が立てられるように、「患者さまのお話をよく聞く」ということにウエイトを置いています。特に初診では緊張されていたりすることも多いので、コミュニケーションを取り、じっくり時間をかけて患者さまの症状やお悩みなどを引き出せるように努めていますね。治療の選択肢については、患者さまと話し合いながら、方向や方針をいくつか提案させていただき、その中で一緒に決めていきます。
また当院は、お子さまにも多くご利用いただいていますが、慣れないうちは耳鼻咽喉科に対してどうしても怖い印象を持たれがちです。そのようなときにはこちらから穏やかに話しかけて、手早く優しい処置をするということを心がけていますね。そんなお子さまたちも頑張って、乗り越えようとしてくれていますよ。
また当院は、お子さまにも多くご利用いただいていますが、慣れないうちは耳鼻咽喉科に対してどうしても怖い印象を持たれがちです。そのようなときにはこちらから穏やかに話しかけて、手早く優しい処置をするということを心がけていますね。そんなお子さまたちも頑張って、乗り越えようとしてくれていますよ。
緊急を要する執刀の経験から、どのような場面でも冷静に判断できるように
医師を志したエピソードや、耳鼻咽喉科の魅力について教えてください。
もともと学問的に医学に興味を持ちながらも、はじめは違う大学の道に進んでいたんですが、途中でやはり医師を目指すことを決め、大学を入り直しました。医学に対し、学問的な興味があったのはもちろんですが、人ととことん向き合うことができるというのも医師という職業に惹かれた理由です。
耳鼻咽喉科は、耳や鼻、頭頸部など細かく分野が分かれていて、専門的に深く学ぶことができる診療科目です。私は勉強をすることが好きなので、研究の道や開業の道など、さまざまな選択肢があることも自身に向いている診療科だなと思いました。ただ、専門性が必要とされるだけに、診断や治療がむずかしい分野だとも言えます。
耳鼻咽喉科は、耳や鼻、頭頸部など細かく分野が分かれていて、専門的に深く学ぶことができる診療科目です。私は勉強をすることが好きなので、研究の道や開業の道など、さまざまな選択肢があることも自身に向いている診療科だなと思いました。ただ、専門性が必要とされるだけに、診断や治療がむずかしい分野だとも言えます。
今に生かされている勤務医時代のご経験やエピソードをお聞かせください。
はじめはジェネラリスト的なところを目指し、幅広く診る病院に勤務させていただきました。その後、頭頸部がんの手術を扱う病院で数年間の執刀経験を積んだ上で、開業に至りました。
耳鼻咽喉科の中でも命に関わる疾患の一つとして挙げられるのが「頭頸部がん」です。そこでの治療経験が耳鼻咽喉科に関わる症状や疾患の見落とし防止といった面でも、現在の診療に大変役立っています。
また、頭頸部がんの手術の一つに「緊急気管切開」というのがあります。腫瘍が大きくなり、呼吸がしづらいため緊急性を要する手術です。そのような一刻を争う場面を経験させていただいたので、緊張する場面や緊急性の高い場面でも冷静に対処できるようになりましたね。
耳鼻咽喉科の中でも命に関わる疾患の一つとして挙げられるのが「頭頸部がん」です。そこでの治療経験が耳鼻咽喉科に関わる症状や疾患の見落とし防止といった面でも、現在の診療に大変役立っています。
また、頭頸部がんの手術の一つに「緊急気管切開」というのがあります。腫瘍が大きくなり、呼吸がしづらいため緊急性を要する手術です。そのような一刻を争う場面を経験させていただいたので、緊張する場面や緊急性の高い場面でも冷静に対処できるようになりましたね。
開業を決めたきっかけや経緯をお伺いしてもよろしいでしょうか?
開業については、以前から考えていたのですが、そんな矢先、「耳鼻咽喉科の継承を考えている人がいる」と元上司であった先生からご紹介いただき、とんとん拍子に決まりましたね。
地域のクリニックには、さまざまな症状を抱えた、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。そのため、どのような方が来院されても対応できるよう、ジェネラル的に診られるようにならなければなりません。その方法の一つとして「日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医」の資格を取得しました。また、「頭頸部がんの手術の経験を積む」ことで、命に関わる大きな執刀経験により、「ここのクリニックにお任せしたい」と思っていただけるような診断力と冷静な判断力を付けることができました。今後も、患者さまお一人おひとりを大切にできる地域医療の提供に尽力していきたいと思います。
地域のクリニックには、さまざまな症状を抱えた、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。そのため、どのような方が来院されても対応できるよう、ジェネラル的に診られるようにならなければなりません。その方法の一つとして「日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医」の資格を取得しました。また、「頭頸部がんの手術の経験を積む」ことで、命に関わる大きな執刀経験により、「ここのクリニックにお任せしたい」と思っていただけるような診断力と冷静な判断力を付けることができました。今後も、患者さまお一人おひとりを大切にできる地域医療の提供に尽力していきたいと思います。
さまざまな疾患リスクを回避するため、新しい仕組みや診療内容に取り組む
今後、クリニックとしてどのような医療を提供していきたいですか?
地域の皆さまから求められる医療を提供したいと考えているので、患者さまからアンケートをとるようにしています。以前、予約システムについてご意見をいただいたことがあり、実際に導入したところ改善につなげることができました。今後も患者さまの貴重なご意見を参考に、快適な環境を作っていきたいです。
医療面については、「睡眠時無呼吸症候群」の診療に力を入れていきたいと思っています。この疾患はただのいびきだと放置されがちです。呼吸が止まり、低酸素状態が続くと心臓や血管に大きな負担がかかり、慢性疾患をはじめ、心筋梗塞や脳梗塞、高血圧、不整脈などといった命に関わる疾患を引き起こすリスクがあると言われています。日中の眠気や慢性疾患の原因として睡眠時無呼吸症候群の可能性を考えながら、患者さまを危険因子から守れるよう尽力していきたいですね。
医療面については、「睡眠時無呼吸症候群」の診療に力を入れていきたいと思っています。この疾患はただのいびきだと放置されがちです。呼吸が止まり、低酸素状態が続くと心臓や血管に大きな負担がかかり、慢性疾患をはじめ、心筋梗塞や脳梗塞、高血圧、不整脈などといった命に関わる疾患を引き起こすリスクがあると言われています。日中の眠気や慢性疾患の原因として睡眠時無呼吸症候群の可能性を考えながら、患者さまを危険因子から守れるよう尽力していきたいですね。
耳鼻咽喉科として、今後どのような改善が必要だと思われますか?
今回、新型コロナウイルスにより、耳鼻咽喉科としても診療に大きな影響がありました。このような状況下では、患者さまも診てもらいたくても来院することへの不安がありますし、自分たち医療従事者も感染リスクを防ぐのに、かなりの負担を強いられました。
このリスクを回避するためにオンライン診療を導入するというのは、耳鼻咽喉科では正直むずかしいのですが、今後、またパンデミックな環境下となる可能性はゼロではありません。その準備としてオンライン診療でも成り立つような仕組みや機器などを導入できればいいなと思いますね。
また、「ここに来て良かった」と思っていただけるように、医師としてのスキルアップですとか、スタッフの接遇面にも力を入れていきたいです。
このリスクを回避するためにオンライン診療を導入するというのは、耳鼻咽喉科では正直むずかしいのですが、今後、またパンデミックな環境下となる可能性はゼロではありません。その準備としてオンライン診療でも成り立つような仕組みや機器などを導入できればいいなと思いますね。
また、「ここに来て良かった」と思っていただけるように、医師としてのスキルアップですとか、スタッフの接遇面にも力を入れていきたいです。
最後に、この記事を読まれている皆さまにメッセージをお願いします。
耳のかゆみに関しては、薬の塗り方一つで治り方が変わります。お一人おひとりの症状に合わせて丁寧にご説明いたしますので、耳のかゆみの症状でお悩みの方はご相談ください。また、時間はかかりますが、スギ花粉症やダニアレルギーについても舌下免疫療法により、改善が見込めます。長引く症状に困っている方、気になる症状がある方は、どうぞ諦めずに当院にご相談ください。