
院長
門脇 光俊
取材日:2021年12月2日
門脇 光俊先生(日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医)にインタビュー
命を救うことができる職に就きたいという思いから脳神経外科の医師を志す
脳神経外科の医師を目指したきっかけがあれば教えてください。
小学校1~2年生の時の担任だった先生が、小学校5年生の時に、若くしてがんで亡くなられました。幼少期にそういった経験をしたこともあり、将来は命を救うことができる職業に就きたいと思い、医師を目指すようになったのです。小学校の時からの思いはぶれることなく、進路を選ぶ時に迷わず医学部への進学を決めました。
診療科目は、最初から外科系を目指していました。救急に携わりたいという思いを抱いていたので、緊急性の高い状態で患者さんが搬送されて来ることが多い脳神経外科か心臓血管外科かで少し迷いました。脳神経外科は若い頃から手術にも携わることができると聞き、脳にも興味があったので、脳神経外科に進むことにしたのです。
診療科目は、最初から外科系を目指していました。救急に携わりたいという思いを抱いていたので、緊急性の高い状態で患者さんが搬送されて来ることが多い脳神経外科か心臓血管外科かで少し迷いました。脳神経外科は若い頃から手術にも携わることができると聞き、脳にも興味があったので、脳神経外科に進むことにしたのです。
勤務医時代の経験は、どのように現在に活かされていますか?
勤務医時代は、救急搬送されて来た脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など脳卒中の患者さんを診ることが多かったですね。手術をすることもありましたし、手術をせずに様子を見てお薬やリハビリテーションで対応することもありました。重症で運ばれて来た患者さんが、手術を終えて無事に退院されるのを見ると、やはり医師としてのやりがいを感じました。
慢性期に入ると、リハビリテーションが中心になります。勤務医時代の経験から、リハビリテーションの重要性は理解していましたので、クリニックでもリハビリテーションに力を入れることにしたのです。脳卒中になると、手足の麻痺や痙縮などさまざまな後遺症に悩むことも多いのですが、動かしづらいからと言って動かさないでいるとさらに機能が低下してしまう恐れがあります。そこで、理学療法士がリハビリテーションで動かない部分を動かして、機能の緩和や維持を目指すのです。
慢性期に入ると、リハビリテーションが中心になります。勤務医時代の経験から、リハビリテーションの重要性は理解していましたので、クリニックでもリハビリテーションに力を入れることにしたのです。脳卒中になると、手足の麻痺や痙縮などさまざまな後遺症に悩むことも多いのですが、動かしづらいからと言って動かさないでいるとさらに機能が低下してしまう恐れがあります。そこで、理学療法士がリハビリテーションで動かない部分を動かして、機能の緩和や維持を目指すのです。
現在の地で開業することになった経緯を教えていただけますか?
勤務医時代は、急性期の患者さんや、手術を必要とする症例を診ることが多かったのですが、手術後のフォローを、地域のかかりつけとしておこなっていきたいという思いがありました。また、病院では脳腫瘍の手術もおこなっていましたが、進行してから発見されることが多く、「もう少し早い段階で見つかっていれば」と思う症例も多かったのです。受診しやすいクリニックがあれば、早期に病気を発見できると考えたのも、開業のきっかけのひとつです。
私は、松江市の出身で、鳥取大学医学部に進み、鳥取大学医学部附属病院や関連施設で診療をおこなってきました。地元からも近く、鳥取大学医学部附属病院とも連携して医療を提供していきやすいということから、米子市での開業を決めました。
現在は、頭痛やもの忘れなどのご相談のほか、頭を打ったという外傷でご来院なさるお子さまもいらっしゃいます。MRIやCTを使って画像診断をおこない、治療やリハビリテーションを提供し、必要であれば介護保険のご案内もおこなっています。
私は、松江市の出身で、鳥取大学医学部に進み、鳥取大学医学部附属病院や関連施設で診療をおこなってきました。地元からも近く、鳥取大学医学部附属病院とも連携して医療を提供していきやすいということから、米子市での開業を決めました。
現在は、頭痛やもの忘れなどのご相談のほか、頭を打ったという外傷でご来院なさるお子さまもいらっしゃいます。MRIやCTを使って画像診断をおこない、治療やリハビリテーションを提供し、必要であれば介護保険のご案内もおこなっています。
MRI検査により、頭痛を鑑別。認知症、脳卒中の早期発見を目指す
頭痛もさまざまな種類の頭痛があり、治療方法が違うそうですね。
頭痛には、偏頭痛、筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)、薬物乱用頭痛などさまざまな頭痛があります。偏頭痛だと訴えてご来院される方が多いのですが、MRI検査や問診をおこなってみると、ほかの頭痛と診断されることもあり、脳腫瘍が見つかる場合もあります。自己判断せずご相談いただけたらと思います。
筋収縮性頭痛は、首や肩の筋肉の緊張によって引き起こされる頭痛です。また、もともと何らかの頭痛をお持ちの方が、鎮痛剤を服用し過ぎると薬物乱用頭痛を引き起こすことがあります。薬物乱用頭痛は、鎮痛剤の服用をやめていただくだけで緩和することもある頭痛です。
偏頭痛は、日常生活に支障をきたすほどの痛みに悩む方も多く、薬の使い方も重要です。治療は発作時に使用する薬のほか、予防薬も併用し、重症の方には皮下注射をおこないます。患者さんご本人はとても苦しんでいるのに、周囲から痛みを理解されずに怠けていると誤解されるケースもあります。ひどい頭痛にお悩みの方は我慢せずにご相談ください。ご家族へのご説明もいたします。
筋収縮性頭痛は、首や肩の筋肉の緊張によって引き起こされる頭痛です。また、もともと何らかの頭痛をお持ちの方が、鎮痛剤を服用し過ぎると薬物乱用頭痛を引き起こすことがあります。薬物乱用頭痛は、鎮痛剤の服用をやめていただくだけで緩和することもある頭痛です。
偏頭痛は、日常生活に支障をきたすほどの痛みに悩む方も多く、薬の使い方も重要です。治療は発作時に使用する薬のほか、予防薬も併用し、重症の方には皮下注射をおこないます。患者さんご本人はとても苦しんでいるのに、周囲から痛みを理解されずに怠けていると誤解されるケースもあります。ひどい頭痛にお悩みの方は我慢せずにご相談ください。ご家族へのご説明もいたします。
家族が認知症かもしれないという場合も相談に乗っているのでしょうか?
認知症は、基本的にご本人だけではなくご家族の方と一緒のご来院をお願いしています。また、ご本人さまが受診を嫌がる場合には、ご家族の方だけでもまずはご相談いただければと思います。
認知症が疑われる患者さんには、MRIによる画像検査のほか認知機能検査をおこないます。薬で進行を遅らせることができる認知症であれば投薬治療をおこない、薬では緩和が難しい認知症であれば、リハビリテーションのご提案や介護保険の申請をご案内します。できるだけ進行を遅らせて、生活しやすくするためにはどうしたらよいのかを、作業療法士と共に考えてサポートしていきます。
また、慢性硬膜下血腫や特発性正常圧水頭症などの病気で認知症の症状が現れている場合には、外科的な治療で緩和が期待できますので、連携の病院にご紹介しています。
ご家族だけで抱え込み、出口が見えなくなっている方には福祉サービスの利用もご提案しています。まずはご相談いただければ幸いです。
認知症が疑われる患者さんには、MRIによる画像検査のほか認知機能検査をおこないます。薬で進行を遅らせることができる認知症であれば投薬治療をおこない、薬では緩和が難しい認知症であれば、リハビリテーションのご提案や介護保険の申請をご案内します。できるだけ進行を遅らせて、生活しやすくするためにはどうしたらよいのかを、作業療法士と共に考えてサポートしていきます。
また、慢性硬膜下血腫や特発性正常圧水頭症などの病気で認知症の症状が現れている場合には、外科的な治療で緩和が期待できますので、連携の病院にご紹介しています。
ご家族だけで抱え込み、出口が見えなくなっている方には福祉サービスの利用もご提案しています。まずはご相談いただければ幸いです。
脳出血や脳梗塞かもしれない患者さんにも対応しているのでしょうか?
当クリニックは、MRIを備えているので、発症初期の段階でも、脳出血や脳梗塞の診断をすることが可能です。手足のしびれ、激しい頭痛といった症状がある場合には早めにご相談ください。様子を数日見てから来られる方もいらっしゃるのですが、普段と違うと思った時には、迷わずにできるだけ早いタイミングでご来院いただければ幸いです。おかしいと思った時にご来院いただきやすく、すぐにMRI検査ができるということも、クリニックとしての強みだと思います。脳出血や脳梗塞が見つかった場合には、救急搬送をすることもあります。
脳動脈瘤は、MRIでないとなかなか見つけることが難しい疾患ですが、こういった疾患も早期発見が可能です。慢性硬膜下血腫が見つかった場合には、手術に対応可能な医療機関をすぐにご紹介しています。
また、脳卒中で退院された方のフォローもおこなっています。再発しないためには、高血圧症をはじめとする生活習慣病の管理をおこなうことが重要だからです。
脳動脈瘤は、MRIでないとなかなか見つけることが難しい疾患ですが、こういった疾患も早期発見が可能です。慢性硬膜下血腫が見つかった場合には、手術に対応可能な医療機関をすぐにご紹介しています。
また、脳卒中で退院された方のフォローもおこなっています。再発しないためには、高血圧症をはじめとする生活習慣病の管理をおこなうことが重要だからです。
脳のかかりつけの医師として患者さんやご家族の方の悩みに寄り添う
今後、今まで以上に力を入れていきたいことがあれば教えてください。
MRIだけではなくCTも導入しましたので、脳の外傷の診断もおこなえるようになりました。転倒して頭を打ってしまった、頭をぶつけた後に頭痛や吐き気がひどいといった症状がありましたら、ご来院ください。頭を強く打ったことが原因で慢性硬膜下血腫を引き起こすこともあります。慢性硬膜下血腫は、もの忘れ、認知症症状、歩行障害などの症状が起こります。頭を打った直後はもちろん、しばらく経ってから何かおかしいという症状がある場合にも、ご相談いただければと思います。
また、新たにリハビリテーションの施設を建てるので、リハビリテーションにも今後さらに力を入れていきたいですね。そのほか、認知症やもの忘れについても、引き続き力を入れていきたいと思います。認知症は、ご本人さまだけではなく、ご家族の方がとても悩んでいらっしゃることが多いので、行政や福祉とも連携しつつ、地域の皆さま方をサポートしていきたいと考えています。
また、新たにリハビリテーションの施設を建てるので、リハビリテーションにも今後さらに力を入れていきたいですね。そのほか、認知症やもの忘れについても、引き続き力を入れていきたいと思います。認知症は、ご本人さまだけではなく、ご家族の方がとても悩んでいらっしゃることが多いので、行政や福祉とも連携しつつ、地域の皆さま方をサポートしていきたいと考えています。
地域の方々のために注力していること、今後取り入れたいことはありますか?
患者さんやご家族さまに寄り添い、そのニーズに応えていくためにも、訴えにしっかりと耳を傾けていきたいと考えています。患者さんの思いを正しく聞き出すことができるように努めていきたいですね。医師の私が相手だと伝えにくいこともあるかもしれないと考えて、作業療法士や看護師からご家族の方にお声がけをさせていただくようにしています。スタッフたちと連携しながら、患者さん、ご家族さまをサポートしていきたいと思います。
また、ご高齢の方も増えていますので、病気を予防し健康寿命を延ばしていく取り組みをおこなっていくことも大切です。予防のために身体を動かしていただくようなデイサービスも、将来的には取り入れていければと考えています。
また、ご高齢の方も増えていますので、病気を予防し健康寿命を延ばしていく取り組みをおこなっていくことも大切です。予防のために身体を動かしていただくようなデイサービスも、将来的には取り入れていければと考えています。
最後に、地域にお住まいの方々にメッセージをお願いします。
地域の皆さまの健康をサポートするために、院内でのリハビリテーションに加え、訪問リハビリテーションもおこなっています。ご自宅や施設まで理学療法士が訪問して、リハビリテーションをおこなっていますので、通院が難しい場合にはご相談いただければ幸いです。
どんな病気も、やはり予防と早期発見が大切です。脳卒中を引き起こさないことが大事ですので、予防医療にも取り組んでいきたいと思います。また、何かおかしいと感じた時には、様子を見たり相談すべきかと悩んだりせずに、すぐにご相談いただければと思います。地域の皆さま方が、脳の病気やご家族の認知症について、気兼ねなく相談していただけるような脳のかかりつけのクリニックを目指しています。遠慮なくご相談ください。
どんな病気も、やはり予防と早期発見が大切です。脳卒中を引き起こさないことが大事ですので、予防医療にも取り組んでいきたいと思います。また、何かおかしいと感じた時には、様子を見たり相談すべきかと悩んだりせずに、すぐにご相談いただければと思います。地域の皆さま方が、脳の病気やご家族の認知症について、気兼ねなく相談していただけるような脳のかかりつけのクリニックを目指しています。遠慮なくご相談ください。