
院長・理事長
松尾 庸平
取材日:2022年11月2日
松尾 庸平先生(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)にインタビュー
幅広い診療スタイルが生まれたのは、尊敬する恩師たちとの出会い
さまざまな診療科目から、整形外科を選択された理由を教えてください。
私はもともと祖母と同居していたことや、ひとりっ子で育ったこともあり、年上の方と話すことに居心地良く感じていたので、ご年配の方と接する機会が多い整形外科を選ぼうと考えるようになりました。
また、整形外科の疾患は、症状が出ている場所などがわかりやすいのも選んだ理由のひとつです。画像診断においても評価がしやすいので、どのように処置をすれば改善に至るのかという治療方針も比較的立てやすい診療科目だと思います。
また、整形外科の疾患は、症状が出ている場所などがわかりやすいのも選んだ理由のひとつです。画像診断においても評価がしやすいので、どのように処置をすれば改善に至るのかという治療方針も比較的立てやすい診療科目だと思います。
整形外科において脊椎外科を選んだ理由や、脊椎手術を本格的にされるようになったきっかけは?
整形外科のなかでも脊椎外科に注力したのは、初期研修で指導いただいた先生が脊椎外科の専門だったからです。その先生の人柄・手術技術に憧れたこともあり、次第にその分野に力を入れて学ぶようになりました。
手術を手がけるようになったのは、医師4年目で赴任した姫路赤十字病院からです。姫路赤十字病院で指導いただいた先生の診療方針「自分が診察した患者さまは責任を持って手術も術後管理も担当すること」に共鳴し、執刀経験を積ませていただきました。
その後は大阪大学大学院医学系研究科にすすみ、腰椎変性すべり症や骨粗鬆症の研究に携わりました。
手術を手がけるようになったのは、医師4年目で赴任した姫路赤十字病院からです。姫路赤十字病院で指導いただいた先生の診療方針「自分が診察した患者さまは責任を持って手術も術後管理も担当すること」に共鳴し、執刀経験を積ませていただきました。
その後は大阪大学大学院医学系研究科にすすみ、腰椎変性すべり症や骨粗鬆症の研究に携わりました。
一貫して行えるようになったのは、これまでの経験によるものでしょうか?
勤務医時代は、診療所・クリニックと基幹病院との役割に溝を感じていました。基幹病院は、基本的には手術しか選択肢がない場合に紹介されてくるシステムなのですが、実際の現場では、薬物療法や注射などで改善が見込めるような方もいらっしゃいました。
どうしたら、地域の開業医と基幹病院の間に良好な役割分担がされて、患者さまにとって不安や負担が少なく医療提供ができるのだろうかと考えた末、「すべて一貫して行えるクリニックをつくること」に到達しました。そこから、診察から手術、術後のフォローまで行えるという現在の診療スタイルになったのです。
どうしたら、地域の開業医と基幹病院の間に良好な役割分担がされて、患者さまにとって不安や負担が少なく医療提供ができるのだろうかと考えた末、「すべて一貫して行えるクリニックをつくること」に到達しました。そこから、診察から手術、術後のフォローまで行えるという現在の診療スタイルになったのです。
症状やリスクをしっかりと共有し、ライフスタイルにあった治療を提案
腰部脊柱管狭窄症はどんな症状ですか。治療法についても教えてください。
腰部脊柱管狭窄症は、加齢に伴い神経の通り道が狭くなる病気です。症状は、腰の神経の通り道が狭くなることで、歩きにくくなったり足が痛くなったりしびれたりします。また、ゆっくり進行していくことが特徴ですね。
治療方法は、お薬や注射のほか、手術があります。お薬や注射を使用しても痛みが改善せず、日常生活に支障が出る場合には、手術を行うという選択肢になります。当クリニックでは、痛みやしびれの症状に対する治療からリハビリテーションまで一貫して行い、いつでも相談しやすい体制を整えています。
治療方法は、お薬や注射のほか、手術があります。お薬や注射を使用しても痛みが改善せず、日常生活に支障が出る場合には、手術を行うという選択肢になります。当クリニックでは、痛みやしびれの症状に対する治療からリハビリテーションまで一貫して行い、いつでも相談しやすい体制を整えています。
椎間板ヘルニアについては、どのような症状や手術の特徴がありますか?
椎間板ヘルニアは頸椎、胸椎、腰椎とそれぞれ症状が異なります。頸椎椎間板ヘルニアについては、腕・首・背部の痛みしびれが出現し、症状の重い方では痛みで夜も眠れないこともあります。さらに腕を動かしづらいといった上肢運動障害や、足をうまく運べないなどの歩行障害が出ることもあります。胸椎椎間板ヘルニアは、下肢のしびれや歩行障害を認めます。腰椎椎間板ヘルニアでは、腰や臀部、足先にかけて激しい痛みやしびれのほか、足に力が入りにくいといった症状が出ることもあります。
椎間板ヘルニアの手術加療には除圧術と除圧固定術があります。脊柱に不安定性がない場合や脊柱の配列に異常がない場合は除圧術のみを行います。骨を削って神経の圧迫を解除しますが、神経についた傷までは修復できませんので術後にしびれや痛みが残ることがあります。そのため手術を希望される際はリスクについてもしっかりとお話をして、手術後の生活をなるべく想像しやすいように心がけています。
椎間板ヘルニアの手術加療には除圧術と除圧固定術があります。脊柱に不安定性がない場合や脊柱の配列に異常がない場合は除圧術のみを行います。骨を削って神経の圧迫を解除しますが、神経についた傷までは修復できませんので術後にしびれや痛みが残ることがあります。そのため手術を希望される際はリスクについてもしっかりとお話をして、手術後の生活をなるべく想像しやすいように心がけています。
頸椎症はどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか?
頸椎症とは年齢とともに、頸椎や椎間板、靱帯が変形していくことで、首の痛み、手のしびれ、さらに歩きにくくなるという症状が現れます。頸椎症の中には頸部痛のみで四肢の症状のないものと、それに加えて上肢のしびれ痛みの症状を認める頚椎症性神経根症、また上肢症状に加えて歩行障害をきたす頚椎症性脊髄症があります。
頸椎症の検査は、レントゲンやMRIなどを用いて、神経や骨の状態を確認したうえで総合的に診断します。頚髄は全身に指令を送る中枢神経になるので、もし歩きにくいなど運動機能に影響が出ている場合は、早めに手術治療を行うことをご検討いただいています。
頸椎症の検査は、レントゲンやMRIなどを用いて、神経や骨の状態を確認したうえで総合的に診断します。頚髄は全身に指令を送る中枢神経になるので、もし歩きにくいなど運動機能に影響が出ている場合は、早めに手術治療を行うことをご検討いただいています。
トータル的な治療が行えるよう、機器や診療内容の拡充を図る
クリニックとして、今後力を入れていきたいことがあれば教えてください。
クリニックでは、リハビリテーションにより力を入れていきたいと考え、理学療法士を複数人に増やしました。さらに、新しいエコー機器を導入するなど、設備の拡充も行いました。エコー機器の特徴は、リアルタイムで内部の状態を詳しく調べられることです。放射線を発しない機器なので、お身体への負担もほとんどありません。ハンディ型のプローブを当てるだけで、患部の状態をすぐに診られるため、治療説明の際や、ブロック注射を行う際に正しい位置を確認しながら処置をすることができます。
新しい機器を導入したことで対応できる治療も増えるのではないでしょうか?
そうですね。エコーを導入したので、これまで触診で行っていたブロックや関節注射を、より精度を高めて患者さまに提供したいと思っています。大きな病院などに行かずとも、身近なクリニックで一貫して対応できる医療体制を整えていきたいと思います。
また私はこれまで、あまりスポーツをしてこなかったのでしたが、40歳を過ぎてからマラソンを始めスポーツをする方の気持ちが少しずつですがわかるようになりました。マラソンを始める前は、痛みがあるならスポーツなんてやめればいいと思っていたのです。今ではスポーツ障害で思う存分スポーツに復帰できない方の気持ちは痛いほどわかります。痛みを抑えながら早期にスポーツ復帰できるように一緒に考えますので、相談に来てください。
また私はこれまで、あまりスポーツをしてこなかったのでしたが、40歳を過ぎてからマラソンを始めスポーツをする方の気持ちが少しずつですがわかるようになりました。マラソンを始める前は、痛みがあるならスポーツなんてやめればいいと思っていたのです。今ではスポーツ障害で思う存分スポーツに復帰できない方の気持ちは痛いほどわかります。痛みを抑えながら早期にスポーツ復帰できるように一緒に考えますので、相談に来てください。