
院長
高橋 宏征
取材日:2022年9月12日
高橋 宏征先生(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)にインタビュー
皮膚科の医師であったお父さまの姿に憧れ、自身も医師の道へ
医師を目指したきっかけ、皮膚科を選んだ理由を教えてください。
父が皮膚科の医師だったことがきっかけですね。自宅兼診療所で、自宅のドアを一つ開ければ父が白衣を着ている姿、実際に診察をしている姿、患者さまへの対応の仕方を見られる環境でした。その姿に憧れ、「私も医師になりたいな」と漠然とした目標を持ち医学部へと進みました。
医学部へ進学してからは、精神科や救急科などに興味が湧き、どの科目を専攻しようかすごく迷いましたね。ただ、私自身の生活を振り返ってみると、皮膚トラブルの経験が多く、思春期にできるニキビには特に悩まされました。このような自分が悩んだ経験を生かせば、患者さまの日常の悩みにより密着し、寄り添った診療ができると考え、もともと興味のあった皮膚科を選びました。
医学部へ進学してからは、精神科や救急科などに興味が湧き、どの科目を専攻しようかすごく迷いましたね。ただ、私自身の生活を振り返ってみると、皮膚トラブルの経験が多く、思春期にできるニキビには特に悩まされました。このような自分が悩んだ経験を生かせば、患者さまの日常の悩みにより密着し、寄り添った診療ができると考え、もともと興味のあった皮膚科を選びました。
勤務医時代と開業後で、心境や対応する疾患に変化はありましたか?
勤務医時代は、ニキビやかぶれ、虫刺され、アトピー性皮膚炎、お子さまのちょっとした湿疹から、皮膚がんの手術まで幅広く対応していました。教授の研究対象が皮膚がんだったこともあり、皮膚がんについてはかなり深くまで研究をしましたね。現在は湿疹やアレルギーに対するご相談が多いですが、皮膚がんの鑑別も行っていますし、勤務医時代の経験は役に立っているなと思います。
ただ、勤務医時代は数人で一つの病気を診ていたので、一人ひとりに寄り添って同じ目線で治療を行えていたかと言うと、そうではありませんでした。その分、診察から診断、治療まで総合的に携われる開業医は患者さまの生活背景や性格、コミュニケーションの取り方なども含めて治療方針を立てられるので、より責任を感じているところです。
ただ、勤務医時代は数人で一つの病気を診ていたので、一人ひとりに寄り添って同じ目線で治療を行えていたかと言うと、そうではありませんでした。その分、診察から診断、治療まで総合的に携われる開業医は患者さまの生活背景や性格、コミュニケーションの取り方なども含めて治療方針を立てられるので、より責任を感じているところです。
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医としてやりがいを感じる瞬間はありますか?
塗り薬などの外用薬は内服薬と違って、ただ使用するだけでは改善が見込めません。1日何回塗るのか、どれくらいの量が必要なのか、いつまで塗ればいいのかをしっかりと指導するところまでが、日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医としての役目ですし、そうすることで長く改善されなかったお悩みが解消されることもあり、そこにやりがいを感じています。
また、皮膚科は探偵のような役割もあります。赤みのある発疹でも、よく観察したり、見方を変えたりすれば行動歴や生活歴まで予測できますから、最初の問診はすごく大切にしていますね。ご本人が気付いていない日常生活での原因を見つけてあげられることも、強みかなと思っています。
また、皮膚科は探偵のような役割もあります。赤みのある発疹でも、よく観察したり、見方を変えたりすれば行動歴や生活歴まで予測できますから、最初の問診はすごく大切にしていますね。ご本人が気付いていない日常生活での原因を見つけてあげられることも、強みかなと思っています。
患者さまのお悩みをくみ取り、さまざまな視点からの改善方法をご提案
アトピー性皮膚炎の治療を行う際に気を付けていることはありますか?
アトピー性皮膚炎でお悩みの患者さまは、何かしらの治療を受けた経験がある方が多いようです。その経験を否定せず、まずは受け止めることを大切にしています。そのうえで、外用薬の正しい塗り方や身体の洗い方、お風呂の温度などにも着目して指導を行います。
また、アトピー性皮膚炎は継続的な治療が必要ですから、治療方針について患者さまにしっかりとご納得いただくことも重要です。さまざまなお薬をご用意し、段階やご希望に応じて処方できるよう努めています。外用薬の副作用や詳しい使い方など、ご理解いただけるまで時間をかけて説明しますので、わからないことがあれば気兼ねなくご相談いただきたいですね。
また、アトピー性皮膚炎は継続的な治療が必要ですから、治療方針について患者さまにしっかりとご納得いただくことも重要です。さまざまなお薬をご用意し、段階やご希望に応じて処方できるよう努めています。外用薬の副作用や詳しい使い方など、ご理解いただけるまで時間をかけて説明しますので、わからないことがあれば気兼ねなくご相談いただきたいですね。
シミ治療の進め方や注意していることを具体的に教えてください。
シミは、老人性色素斑や日光性色素斑、肝斑、そばかす、太田母斑、炎症性色素沈着などさまざまな種類があります。シミの種類よって治療方法も変わるため、しっかりと見極めることが大切です。
私はこれまでの経験と知見を生かしつつ、左右対称なのか非対称なのか、どのような分布であるか、色の濃さはどれくらいかなどをダーモスコピーという機器を用いて診るようにしています。検査の結果、皮膚がんだったというケースもありますから、皮膚科の医師としての知見を生かして鑑別するようにしていますね。治療方法については、レーザー治療(※)や内服薬、外用薬の中から症状に合ったものを組み合わせて進めていきます。
(※)自由診療です。料金は料金表をご確認ください。
私はこれまでの経験と知見を生かしつつ、左右対称なのか非対称なのか、どのような分布であるか、色の濃さはどれくらいかなどをダーモスコピーという機器を用いて診るようにしています。検査の結果、皮膚がんだったというケースもありますから、皮膚科の医師としての知見を生かして鑑別するようにしていますね。治療方法については、レーザー治療(※)や内服薬、外用薬の中から症状に合ったものを組み合わせて進めていきます。
(※)自由診療です。料金は料金表をご確認ください。
食物アレルギーに関する診療にも力を入れていらっしゃるのですか?
はい。特に、お子さまが蕁麻疹を発症した際に、親御さまが「何のアレルギーなのか」「今まで食べていたものなのになぜ皮膚が赤く腫れ上がったのか」などと心配して来院されることが多いですね。アレルギー検査を行い、初期の食物アレルギーの場合は少量ずつ摂取して慣らしていく方法を取り入れますが、重症の場合はアナフィラキシーショックなどを引き起こす場合があるので、その見極めに重きを置いています。
また、アレルギー検査をして、りんごやさくらんぼに反応がなくても、シラカバアレルギーの方がさくらんぼを食べて口がかゆくなったり、のどがイガイガしたりすることがあります。アレルギーに対する診療を提供している医師として、検査をして終わりではなく、生活背景や地域柄を見据えたうえで、他に注意したほうがいい食べ物などをお伝えするようにしています。
また、アレルギー検査をして、りんごやさくらんぼに反応がなくても、シラカバアレルギーの方がさくらんぼを食べて口がかゆくなったり、のどがイガイガしたりすることがあります。アレルギーに対する診療を提供している医師として、検査をして終わりではなく、生活背景や地域柄を見据えたうえで、他に注意したほうがいい食べ物などをお伝えするようにしています。
予防医療に尽力。新しい知識やシステムを導入しよりよい医療を提供
先生が今後、力を入れていきたいと考えていることはなんですか?
予防医療が重要と言われている時代ですので、アトピー性皮膚炎や乾燥による湿疹に対して治療をすることはもちろん、繰り返さないようにするにはどうすればよいか、どのタイミングでお薬を切り替えればよいかなど、予防方法を患者さまと一緒に考えていける医師でありたいですね。
また、地域の方々に対しても、日々の正しいスキンケア方法やお薬を正しく使用する重要性などについて、より多くの方に伝えられる機会を設けていきたいと考えています。
そのほか、主に大学病院などで対応している生物学的製剤を用いた治療を当クリニックでも行えるよう進め、患者さまにとって身近な場所で、できる限り負担を少なく治療が受けられるよう尽力して参りたいと思います。
また、地域の方々に対しても、日々の正しいスキンケア方法やお薬を正しく使用する重要性などについて、より多くの方に伝えられる機会を設けていきたいと考えています。
そのほか、主に大学病院などで対応している生物学的製剤を用いた治療を当クリニックでも行えるよう進め、患者さまにとって身近な場所で、できる限り負担を少なく治療が受けられるよう尽力して参りたいと思います。
クリニックとしての今後の課題・改善点があれば教えてください。
待ち時間を改善していきたいですね。来院される方々は、しっかりとした検査と詳細な説明を受けたいでしょうから、少しでも無駄な時間を省き、一人に対しての診療時間をより長く設けられるようにしていきたいです。現在は自動精算機や電子カルテを導入していますが、もう少し効率化を求めていきたいなと考えています。
また、医師の診察後には、患者さまにより理解を深めていただくため、看護師が資料などを用いて改めて説明を行うようにしていますが、スペースなどの問題もありなかなか時間をかけられていないのが現状です。そこを改善していくのが今後の課題ですね。
また、医師の診察後には、患者さまにより理解を深めていただくため、看護師が資料などを用いて改めて説明を行うようにしていますが、スペースなどの問題もありなかなか時間をかけられていないのが現状です。そこを改善していくのが今後の課題ですね。
最後に、先生から患者さまへのメッセージをお願いいたします。
皮膚科疾患は、目で見て確認できますし改善するものもありますが、市販薬を使用することで悪化したり、意外な病気が隠れていたりする場合もあります。そのため、自己判断で処置を進めるのではなく、クリニックを受診し、お一人おひとりに合った治療を受けていただきたいと考えています。
また、「患者さまの皮膚を健康にしたい」という思いのもと、さまざまな皮膚のお悩みやニーズにお応えするため、美容皮膚科やエイジングケアの分野にも対応しています。ささいなことでも構いません。皮膚のトラブルやお肌のお悩みがありましたら気兼ねなくご相談ください。
また、「患者さまの皮膚を健康にしたい」という思いのもと、さまざまな皮膚のお悩みやニーズにお応えするため、美容皮膚科やエイジングケアの分野にも対応しています。ささいなことでも構いません。皮膚のトラブルやお肌のお悩みがありましたら気兼ねなくご相談ください。