松田 昭彦先生(日本内科学会認定 総合内科専門医)にインタビュー
医療現場に出て、多くのお悩みと向き合うために複数の資格を取得
もともと私は主に腎臓病を扱い診療経験を積んでいましたが、腎臓病の発症原因で多い、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などを軽度なうちにコントロールし、動脈硬化の進行を防ぐことがどれだけ大切かを深く実感し、生活習慣病などの診療にも注力するようになりました。また、循環器グループにも所属していたため、合併症など、循環器系の異変にもいち早く気づくことができようになりました。さらに、10年ほど神経内科にも携わっていたので、科にとらわれることなく、患者さまの全身を見ながら診療を続けることができていました。そのような一つひとつの経験が、現在の広い視野の診療につながっていると感じます。
開業医になってからも、「日本内科学会認定 総合内科専門医」「日本腎臓学会認定 腎臓専門医」「日本透析医学会認定 透析専門医」「日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医」などの資格の維持に努めています。忙しい中でもそれぞれの学会などへ参加して、日々知識のアップデートや医療技術に磨きをかけています。
大抵、一つの科だけしか診られないと医療機関を掛け持ちする状態になってしまいますが、私は内科をはじめ、腎臓内科、循環器内科、アレルギー科の診療ができるため、合併症にも柔軟に診療することができます。
合併症の治療で注意しなければならないのが、お薬の副作用です。お薬は複数の種類を飲んでいると、作用が薄れたりかえって合併症に対して副作用を引き起こしたりするリスクがあります。複数の診療科を専門にしていることにより、お薬の過剰投与や重複を避けられ、患者さま一人ひとりに応じた治療ができるのが強みだと感じています。
高血圧症や糖尿病の治療に力を注ぎ、腎不全などの重篤な疾患を予防
腎炎なら現状の数値を見て治療方針を立てることができますが、高血圧性腎硬化症や糖尿病性腎症などの腎炎以外の疾患の場合は、過去の健診の数値や病歴について患者さまに詳しく伺うことが今後の治療の鍵となります。また尿検査から得られる情報を正しく読み取ることも大切です。
こうした尿検査の細かい項目や数値を確認し診断をつけられるよう、さまざまな診療経験を積んだことが「日本腎臓学会認定 腎臓専門医」の資格取得にもつながりました。腎臓病を患う方を増やさないためにも、高血圧症や糖尿病の診療に力を注いでいます。
診療において血圧をいかに正常な値にするかが大事なことですが、患者さま自身に高血圧症の治療の重要性を知っていただくことも大切なことだと考えています。動脈硬化の進み具合によっては、脳出血や腎不全、心不全などの重篤な疾患を発症させるリスクがありますので、そうした点もお話して理解して頂きながら診療を行っています。
ほかの生活習慣病と比べると、糖尿病の治療はお薬だけのコントロールが難しく、食事面での見直しも求められ、体質を変えていく必要があります。そのため、治療を続けることを大変だと思う患者さまも少なくありません。だからこそ、クリニックへの受診がつらいものにならないよう、治療中に患者さまを責めることはしないようにしています。患者さまご自身の頑張りと協力が何よりも重要になりますので、意欲的に治療に臨めるよう優しくお声がけをし、寛解に向けてサポートいたします。
患者さまのために、医療技術や知識のアップデートをする努力も怠らない
高血圧症をはじめ、糖尿病、腎臓病、心臓病、アレルギー疾患などに関しても、学会に参加したり、他の医師と意見交換をしたりすることで、知識のアップデートを図っています。そうすることで、古い知識の再確認ができ、新しい知識も取り入れることができるため、診療の幅が広がり、より専門的な観点で患者さまを診療することができると考えています。
高血圧症や糖尿病の患者さまは、お薬による治療だけでなく健康的な身体作りも、血圧や血糖値を下げるために大切になってきます。しかし、身体を変えるのには大きなエネルギーが必要となりますので、途中で挫折してしまう方は少なくありません。
当クリニックでは、そうした治療をしっかりとサポートできるように管理栄養士を呼び、ご飯の量や食べ物のバランスを一つひとつ丁寧に指導し、食事療法を行っています。しかし運動療法に関しては、正直まだまだ整っていない部分が多いと感じています。食事も運動も患者さまの取り組む意志が重要となりますので、もっと医師・スタッフが介入できる体制や設備を整え、楽しく運動が取り組めるようにしていきたいと思います。
私が診療を行ううえで大切にしているのは、患者さまのお悩みに真摯に向き合い、自分の持てる力を使って誠心誠意つくすことです。そのために、病気や治療内容について疑問が残らないように丁寧に説明をし、心から納得いただける医療を提供することに努めています。自身の健康や病気など、不安に感じてモヤモヤすることがあれば、一人で悩まずにぜひご相談にいらしてください。