三浦 崇幣先生(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医)にインタビュー
一人でも多くの患者さまの命を救うことが、医師としての使命
「医師になろう」と決めた明確なきっかけがあったわけではないですが、進路を決める段階では「医学部に入ろう」と決めていましたね。特に強制されたわけではなく、父や叔父などの姿を見ていたことで、自然と医師になろうと決意していました。
勤務医として大学病院や総合病院などで20年ほど経験を積み、2015年に開業しました。開業をしたのは、自分が求める医療をこれまで以上に追求したいと思ったからです。患者さまは皆、何かしらの不安を抱えて受診されます。その不安をいかに解消できるかが、特に重視している点です。医療の根幹である「やさしさ」で患者さまの思いをくみ取るとともに、設備やスキルを駆使し気兼ねなく検査を受けていただける環境をつくることで、患者さまの不安を解消していきたいと思っています。
「日本消化器病学会認定 消化器病専門医」「日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医」に関しても、同じ理由ですね。早期発見・早期治療が重症化しないためには重要ですが、内視鏡検査は苦しいイメージがあると思います。患者さまにとって負担の少ない検査をできるようになることが、早期発見・早期治療、そして患者さまの健康を守ることにつながるため、スキルを磨いています。
早期発見・早期治療のために、40歳を過ぎたら定期的に検査を受けてほしい
ただ、胃がんの原因はピロリ菌だけではありません。医師として、ピロリ菌陰性の方々の胃がんをどう見つけていくか、ということは常に課題にしています。
アドバイスをするときは、患者さま一人ひとりの生活環境や状況に合わせてお話しすることを心がけています。患者さまのお悩みに寄り添い、それに応じたアドバイスをすることが大事だと考えています。
ただ、大腸ポリープには自覚症状がほとんどないんですよ。「健診で見つかった」とか「ほかの病気の検査に来たら見つかった」とかいう場合がほとんど。だからこそ、特に40歳を過ぎた方は、定期的に検査を受けに来てほしいですね。1年ごとじゃなく3年や5年ごととかでもいいので、内視鏡検査を受けてほしいなと思っています。
医師としてできることに全力を尽くし、患者さまの命を守りたい
そしてそのためにも、スキルを磨き、設備面の充実を図り、患者さまが負担なく来院できる環境を整えていきたいと思っています。気軽に受診してもらえることが、何よりも早期発見・早期治療につながりますからね。例えば難病に指定されている潰瘍性大腸炎は、症状をコントロールするためには継続的な治療が大切ですし、発病後数年すると大腸がんを合併する場合があります。そのような患者さまの健康を守るために、気兼ねなく来ていただくことが大切だと考えています。
あとはB型肝炎のウイルス排除にも期待したいところですね。研究者たちが日々努力を重ねていると思いますが、その努力が早く実を結んでほしいなと思います。それまで私たちにできるのは、一人でも多くのB型肝炎の患者さまを見つけ、発がんしないように適した治療を提供すること。ウイルスを排除する治療が開発される日まで、今できることに全力を尽くすことですね。