竹田 智則先生(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)にインタビュー
スポーツ外傷について学び、サッカークラブのチームドクターに
医学部に進学してからは、ラグビー部に所属して、医学の勉強をする傍ら、スポーツも続けていました。大学時代は、半月板損傷で手術を受けたこともあります。高校、大学と自身もケガをし、そこから立ち直ってきた経験をしているからこそ、整形外科の道に進もうと決意したのです。
医学部卒業後、関東労災病院で臨床研修を行ったのは、スポーツ外傷について勉強したかったからです。その後も、スポーツ外傷の診療についての知見をさらに深めるため、福岡リハビリテーション病院に勤務しました。これらの勤務先では、一般的な整形外科診療から、レクリエーションのレベルでスポーツをしている方たちの診療、スポーツを生業とする選手の診療まで、幅広く学ばせていただいたと思います。
現在も、クリニックでは部活動やレクリエーションとしてスポーツを行っている患者さまの診療を行う傍らで、大分にあるサッカークラブのチームドクターとして、選手の皆さまの日々の健康管理をサポートしています。
しかし、中学・高校の部活動やレクリエーションのレベルでスポーツを行っている方々に対しては、通常、なかなかそこまでのケアをして差し上げることができません。病院のスポーツ外傷を扱っている整形外科も、趣味レベルでスポーツを行っている方々までは、きめ細かくフォローしていくことはなかなか難しいのではないかと思います。
自分の目の届く範囲で、スポーツに携わるすべての方々をサポートしていきたいという思いを以前から抱いていました。それには、小回りのきくクリニックの方がよいのではないかと考え、2015年に当クリニックを開業することにしたのです。
画像診断を用いしっかりと評価した上でケガを繰り返さないための治療を提案
症状についての問診や触診だけではなく、MRIや超音波診断装置(エコー)を使って、きちんと画像診断を行うようにしています。患者さまにも、画像診断の結果をご覧いただきながら、「現在は、こういった状態ですので、復帰にはこれぐらいの時間がかかります」と説明をした上で、理解していただくようにしています。また、再発を予防するような治療を行っていくことを、日頃から心がけていますね。
成長期のお子さまの場合、捻挫だと思っていても、画像診断を行ってみると剥離骨折が起こっていたというケースもまれに見られますので、見落としがないように鑑別していく必要があります。超音波検査でしっかりと評価を行った上で、状態に応じて、ギプスで固定をし、治療を行います。将来的に、関節のゆるみを起こしたり、捻挫を繰り返したりするようなことがないよう、きちんと治療を行っていくことが大切です。
オスグッド病は多くの場合、一過性の病気で成長期が終わると共に症状が現れなくなるのが一般的です。成長期の間、症状を繰り返さないようにするためには、そのお子さまが持つ身体の特徴をしっかりと評価した上で、何らかの問題があるようなら改善していくことも大切です。それは、他のケガの予防にもつながることです。
目指すのは選手だけではなく趣味でスポーツを行う方々もサポートすること
もし、身体の硬さや筋力の不足などケガを引き起こす可能性のある問題点があるようでしたら、ケガの再発を予防するためにも、その点を改善し補っていくためのお手伝いをしていきたいと考えています。再発予防のため、サポートをしていければと思っています。
また、高齢化社会が進む中で、健康寿命を延ばすためにも、日々の生活の中にスポーツを取り入れる方が増えているのではないでしょうか。日常的に身体を動かすことで、寝たきりの予防にもつながります。運動を続けることにより、できるだけ健康を維持していただきたいと考えていますので、今後はご年配の方の運動指導も行っていければと考えています。
もちろん、スポーツ外傷以外でも、「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として整形外科全般について幅広く学んできたと思います。資格を取得する際には、ふだんの診療の中ではあまり診る機会のない、骨腫瘍のような珍しい病気についても、試験の前に学び直す必要がありました。資格試験の準備のために、一度学んだことを再確認できたので、そういった意味ではいい機会になったと思います。
今後も引き続き、得意とするスポーツ外傷に関することはもちろん、整形外科全般に関しても、研鑽を積み続けていきたいと考えています。本格的に運動を行っている方はもちろん、趣味でスポーツを行っている方や、健康寿命を延ばすために身体を動かしたいというご年配の皆さま方々のサポートも、「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として行っていきたいと考えています。
「日本整形外科学会認定 整形外科専門医」として、さまざまな痛みに悩む患者さまのお力になれればと思っています。何でもご相談いただければ幸いです。