仙田 正俊先生(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)にインタビュー
手術だけでなく保存的治療もできることに魅力を感じ、整形外科の医師に
また、数ある診療科の中で整形外科を選んだのは、手術だけでなく保存的治療もできることに魅力を感じたからです。そして、社会の高齢化も進んでいましたので、多くの方の役に立てると思い、整形外科の道に進みました。
その後、岡山に拠点を移したのは1997年のことです。岡山で開業をしていた妻の父が体調を崩してしまったため、入院期間中のサポートをするために勤務地を移したのですが、そのほかにもいくつかの縁が重なり、それからずっと岡山で診療をおこなっています。
また、試験の際に提示する資料をまとめるため、それまでに診療をしてきた患者さまの症例を見直したことが、いい機会になりました。
お一人おひとりの患者さまに合わせ、負担が少なく、続けやすい治療をご提案
例えば、一般的に「手術が必要」といわれるような腰椎椎間板ヘルニアの場合も、当院ではまずは腰のけん引や薬物療法で改善を試みます。すべての症例に当てはまるわけではありませんが、腰椎椎間板ヘルニアは神経が圧迫されたことにより症状が出ているため、けん引をすることで圧迫の改善が期待できます。
また、そういった保存的治療で改善が見られない場合には、岡山済生会総合病院、川崎医科大学総合医療センター、岡山中央病院、岡山大学病院といった医療機関と連携し、速やかに手術につなげるようにしています。
また、腱鞘炎が進行して起こる「ばね指」の診療の際も、まずはストレッチをはじめとした保存的治療をご提案します。その上で症状が改善されなければ手術をおこないますが、当院では切らない手術をご提案しています。注射針を用いる方法で、切開をしないため、傷痕が目立たないといったメリットがあります。
また、足裏に慢性的な痛みが起こる「足底腱膜炎」では、ストレッチのほかに足底装具などもご案内します。どのような治療をおこなう際にも心がけているのは、患者さまお一人おひとりに合わせたご提案をすることです。同じ病名であっても症状や生活環境は患者さまによって異なるため、その患者さまに合った続けやすい治療をご提案するようにしています。
継続的に症状改善を見守るため、相談しやすい環境づくりにも注力
また、整形外科疾患には、日常的な身体の使い方の癖などが原因となっているものが多くあり、その癖を改善するのは容易ではありません。ストレッチや筋トレに関しても、1回で正しい方法を覚えるのは難しいことだと思います。そのため、引き続きストレッチをはじめとした生活習慣指導に力を入れるとともに、継続的に患者さまの状態を診てサポートができるよう、スタッフ一同でご来院いただきやすい環境づくりにも力を入れていきたいと考えています。
患者さまとのコミュニケーションを大切に、丁寧で分かりやすいご説明に努め、お一人おひとりに合わせた治療法をご提案させていただきます。