根木 陽一郎先生(日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医)にインタビュー
リハビリテーションを含めた治療法を親身になって提案してくれる医師
痛みに対しては薬物療法を中心におこない、関節が変形しないようにするには進行そのものを抑える抗リウマチ薬を用います。関節リウマチは治すことがむずかしい疾患だと考えている方も少なくありませんが、私が臨床研修医だった約30年前より治療は劇的に進歩していると実感していますから、できるだけ早期に発見して、早期に治療していただくことが望ましいですね。また、患者さまに関節リウマチを正しく理解していただくために、パンフレットなどを用いて疾患の説明をしています。私だけでなく、看護師も知識を深めているので、不明点があればいつでも気兼ねなくご質問いただければと思います。
骨粗しょう症の原因は、女性ホルモンの減少だけでなく、ビタミンD不足など様々です。当クリニックの検査では、エックス線検査だけでなく、全身の骨密度を調べられる機器をご用意しており、約10分で骨密度を測定することができます。骨粗しょう症と診断された方には採血を行い、ビタミンDや、骨代謝マーカーを測定します。採血の結果によって、軽い運動を提案したり、栄養面が不足していると判明した患者さまには「ビタミンDを多く含む食事を摂るようにしましょうね」「ビタミンD活性化のために、1日30分程度は外を歩いてみましょう」といったお話しもします。骨代謝マーカーの測定によりその人に合った治療法を提案させていただいております。骨粗鬆症自体は痛みを伴うものではありませんが、骨折を防ぐために、診断がついたら丁寧に骨折予防のアドバイスを行います。
患者さまによって年齢や疾患、バックグラウンドはもちろん異なります。診察の際に、現状何に困っていて、何ができるようになりたいのかしっかりとお話をうかがったうえで「痛みを解消して日常生活をスムーズに送りたい」「身体の動きを改善してスポーツに復帰したい」などのご要望にお応えします。中には、リハビリテーションを活用したことで、痛みが改善されて手術を回避できたというケースもあります。一緒に相談しながら、目標を決めていきましょう。
「日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医」を取得
リウマチに興味を持つようになったのは、大学院に入学した頃です。卒業した後、ちょうど新薬が次々と出てきた時期で、治らないと思われていた関節リウマチの治療に大きな変化をもたらしました。その後は「日本リウマチ学会認定 リウマチ専門医」も取得し、関節リウマチの診療に力を注ぐようになりましたね。資格があることでリウマチに悩む患者さまに頼っていただき、私の学んできたものをお伝えできているので、取得して本当によかったなと思いますね。
また、当時私が勤務していた病院では、患者さまが次々と来院され、一人ひとりにじっくりと時間をかけられない状況かつ、設備面においても機器がそろっていませんでした。そのような環境を眺めてきましたので、開業する際には骨密度を測る機械を取り入れるなどして、骨粗しょう症の患者さまのニーズに幅広く応えられるようにしたいと常々考えていましたね。
骨粗しょう症は自覚症状に乏しく、軽く見られがちな疾患です。生活の質を保つためにも、できるだけ早い段階で治療を受けていただきたいと思います。
「ねぎ整形外科・リウマチクリニック」は「明るく・元気よく」をモットーにしています。クリニック全体が活気に満ちていれば、患者さまだけでなくスタッフも治療やリハビリテーションに前向きな気持ちで取り組めるのではないでしょうか。患者さまから「先生の顔を見たら元気になったよ」と声をかけていただけるような、地域の方にとって癒やしの存在になれたら、こんなにうれしいことはないですよね。
親身になって相談に乗ることが、クリニックと患者さまの心を通わせる
また、関節リウマチは関節以外にも、肺などの臓器に合併症をおこすことがあります。大きな検査や手術が必要になる場合は、今後も近隣の医療機関と連携しながら、地域のクリニックとしての役割を果たしたいと考えています。
また、ご高齢の方や内科疾患をお持ちの方もよくいらっしゃるのですが、専門外のことでもなるべくお答えできる範囲で相談に乗るようにしています。地域の皆さまがお体のことで困った時に、いいアドバイスができるように、日々勉強して新しい知識を吸収するようにしていますので、今後も地域の皆さまのニーズに応えられるよ励んでいければと思います。
最後に患者さまにお伝えしたいことは、関節リウマチにしても骨粗しょう症にしても、早期の診断が何よりも重要だということです。早期治療につなげるためにも、気になること・長引く痛みなどがあればまずは一度ご相談ください。よろしくお願いします。