
院長
高橋 輝道
取材日:2023年1月20日
高橋 輝道先生(日本精神神経学会認定 精神科専門医)にインタビュー
うつ病やパニック障害など、幅広い心のトラブルに寄り添った診療を提供
うつ病のサインは?何に気をつけたら良いですか?
気分がひどく落ち込む。焦燥感や不安がいつもある。何事にも意欲がない。そんな状態が2週間以上続くなど長期間にわたる場合、それはうつ病のサインかもしれません。うつ病は、責任感が強かったり、意見を否定できなかったりする方が発症しやすい傾向にあります。
この病気の難点は、当人だけではそれが病気であると自覚しにくいことです。当クリニックでも、周りの人に受診をすすめられたことがきっかけで来院される方は少なくありません。そのため、上記のような状態に少しでも心当たりのある方は、一度ご相談いただきたいと思っています。
うつ病の治療では焦らないことが大切です。「仕事に原因があるから仕事を辞める」など、患者さまにとって重大な決断を安易に促すのではなく、患者さまの生活事情を深く理解し、お薬による治療や生活習慣の見直し、休養を取るなど、一人ひとりに寄り添った治療を提案することを心がけています。
この病気の難点は、当人だけではそれが病気であると自覚しにくいことです。当クリニックでも、周りの人に受診をすすめられたことがきっかけで来院される方は少なくありません。そのため、上記のような状態に少しでも心当たりのある方は、一度ご相談いただきたいと思っています。
うつ病の治療では焦らないことが大切です。「仕事に原因があるから仕事を辞める」など、患者さまにとって重大な決断を安易に促すのではなく、患者さまの生活事情を深く理解し、お薬による治療や生活習慣の見直し、休養を取るなど、一人ひとりに寄り添った治療を提案することを心がけています。
パニック障害の診療で重視していることはありますか?
「パニック障害」は気持ちが不安になることで、動悸や手足のしびれ、呼吸困難などの発作が起きます。またパニック障害には突発的に発生するケースと、「今後そのようなことが起きるのではないか」といったイメージが先行することで不安になってしまうケースがあります。
後者は予期不安とも言うべきもので、頻発すると外出などの行動に自分自身で制限をかけてしまい、生活の質が低下する原因になりかねません。具体的にはトンネルに入っていないにも関わらず、またパニックに陥ってしまったらどうしようと過度な不安を抱えてしまう状態のことを指します。
治療においては、発作や予期不安をいかに抑えるかが重要になります。そのためにカウンセリングで患者さまの生活背景やお悩みを丁寧にうかがい、状況に合わせて薬物療法などを行うことで、症状緩和を目指していきます。症状や治療について気になることなど、遠慮なくお話しいただければ幸いです。
後者は予期不安とも言うべきもので、頻発すると外出などの行動に自分自身で制限をかけてしまい、生活の質が低下する原因になりかねません。具体的にはトンネルに入っていないにも関わらず、またパニックに陥ってしまったらどうしようと過度な不安を抱えてしまう状態のことを指します。
治療においては、発作や予期不安をいかに抑えるかが重要になります。そのためにカウンセリングで患者さまの生活背景やお悩みを丁寧にうかがい、状況に合わせて薬物療法などを行うことで、症状緩和を目指していきます。症状や治療について気になることなど、遠慮なくお話しいただければ幸いです。
睡眠障害の診療で心がけていることは何ですか?
睡眠障害には「熟睡ができない」「寝付きが悪い」など、いくつかの種類があります。そのためまずは症状の種類、そして原因を見極めることが大切です。
主にアルコールの飲酒や服用している薬の副作用が原因であることが多く、また睡眠時無呼吸症候群が関係しているケースもあるなど、原因は本当にさまざまですね。原因に応じて治療のアプローチも変わってきますので、その見極めには力を入れています。
基本的には睡眠薬での治療が中心となります。患者さまの年代や眠りにくさの種類など、一人ひとりに合わせて量やタイミングを調整していきます。たとえば、眠りにくいと訴える患者さまがいらしたら、2~3カ月ほどお薬を処方し、まずは眠ることができると実感を持ってもらい、減薬にチャレンジしてもらったり、ご年配の方であればほかの病気を合併している可能性があるため、ほかのお薬の作用も見ながら処方を行ったりします。不眠をきちんと治療することで、精神的にも良い影響を与えると考えていますね。
主にアルコールの飲酒や服用している薬の副作用が原因であることが多く、また睡眠時無呼吸症候群が関係しているケースもあるなど、原因は本当にさまざまですね。原因に応じて治療のアプローチも変わってきますので、その見極めには力を入れています。
基本的には睡眠薬での治療が中心となります。患者さまの年代や眠りにくさの種類など、一人ひとりに合わせて量やタイミングを調整していきます。たとえば、眠りにくいと訴える患者さまがいらしたら、2~3カ月ほどお薬を処方し、まずは眠ることができると実感を持ってもらい、減薬にチャレンジしてもらったり、ご年配の方であればほかの病気を合併している可能性があるため、ほかのお薬の作用も見ながら処方を行ったりします。不眠をきちんと治療することで、精神的にも良い影響を与えると考えていますね。
心に悩みを抱えた方やそのご家族の助けになりたいと思い、心療内科の道へ
心療内科の医師を目指そうと思った理由、きっかけなどはありますか?
心療内科の道もそうですが、なにより医師を目指したきっかけには私の父が大きく影響しています。昔の話ですが、父がアルコールによって肝臓の病気にかかったことがあり、入院までしたことがあったんです。その時に「父の病気を自分で治療できれば」と思ったことが最初に医師を志したきっかけであるように思います。
当初はアルコールに関する病気を中心に学んでいたのですが、その過程でアルコールの精神作用について学ぶ機会がありました。そこから発展して、精神疾患やメンタルケアに興味を持つようになり、次第に心療内科の道に進んだといった流れでしたね。
当初はアルコールに関する病気を中心に学んでいたのですが、その過程でアルコールの精神作用について学ぶ機会がありました。そこから発展して、精神疾患やメンタルケアに興味を持つようになり、次第に心療内科の道に進んだといった流れでしたね。
勤務医時代で印象に残っているエピソードがあれば、教えてください。
厳密には勤務医時代の話ではないのですが、臨床研修医として大学病院にて先輩の医師をサポートするということがあり、何人かの患者さまを診療していました。その時の患者さまが開業後、私のクリニックを訪ねてくださったことがあって。当時悩んでいた精神疾患が緩和できて社会復帰もできたと、わざわざ知らせにきてくださったんですよ。あの時は本当に嬉しかったですね。元気になった患者さまの姿に、私まで元気をいただけました。
開業に関しては、当初から考えておられたのでしょうか?
実は最初、開業については考えてなかったんですよ。勤務医時代、総合病院の精神科・救急病院で重篤な患者さまや急性期の方を診療してきたのですが、その際に「早期発見・早期治療ができていれば…」と思う場面が何度かありました。というのも、メンタルクリニックは敷居が高いイメージがあって、受診を遠慮してしまう方が多い傾向にあったからですね。そうして受診を先送りにしてしまった結果、症状が悪化した患者さまを診るなかで「気兼ねなく相談できる、かかりつけのメンタルクリニックがもっとあれば」と思い、次第に開業を考えるようになりました。
高齢者や働き盛りの方など、さまざまな方が相談できるクリニックを目指す
今後、「このようなことに力を入れていきたい」など展望はありますか?
うつ病などに限った話ではないですが、病気は基本的に早期発見・早期治療で対応するに越したことはありません。そのため、何事も相談しやすい環境作りに注力して行きたいです。また、ストレスは特に働き盛りの方が抱えやすい問題ですから、啓発活動も兼ねて企業向けの講演などを進んで行っていますね。労働衛生コンサルタントの資格も所持しているので、職場においても「何か少しでも心に不調を感じた時、気兼ねなくメンタルクリックに相談できる」という風潮を作りたいと思っています。
そのほか、認知症患者さまなどのご家族に対するサポートにも力を入れて行きたいと考えています。病気とは患者さまだけの問題ではありませんから、周囲の方も不安やお悩みを遠慮なくお話しできるようにしたいです。
そのほか、認知症患者さまなどのご家族に対するサポートにも力を入れて行きたいと考えています。病気とは患者さまだけの問題ではありませんから、周囲の方も不安やお悩みを遠慮なくお話しできるようにしたいです。
心療内科全体での課題などは何かありますか?
近年、社会全体の高齢化が急速に進んでいますよね。高齢者の方は、加齢による身体機能の低下も相まって、心にも不安やストレスを抱えてしまうことが多々あります。そのため、高齢者の方々に対するメンタルヘルスケアをいかに行っていくかは、心療内科の分野、ひいては社会全体における課題であると思っています。
また、それに伴って高齢者ご本人だけではなく、そのご家族や、介護など高齢者に関する職種の方々へのメンタルヘルスケアも大切になってくるでしょう。私も微力ながら、そうした方々の心の問題を緩和するサポートがしたいと考えています。
また、それに伴って高齢者ご本人だけではなく、そのご家族や、介護など高齢者に関する職種の方々へのメンタルヘルスケアも大切になってくるでしょう。私も微力ながら、そうした方々の心の問題を緩和するサポートがしたいと考えています。
最後に、患者さまへのメッセージをお願いいたします。
当クリニックは、患者さま一人ひとりの心の問題やライフスタイルに寄り添った診療を目指しています。そのため、患者さまやご家族が何でも気兼ねなく相談できる環境を目指し、丁寧で親身なコミュニケーションを心がけています。
心の問題とは、目では見えにくいものです。そのため、皆さまが「こういった不安があります」と何でも遠慮なく話せるようにすることが大切だと考えています。治療も薬一辺倒ではなく、皆さまのご希望などもしっかりと把握した上で方針を立てていきたいと思いますので、どうぞ気兼ねなくご来院ください。
心の問題とは、目では見えにくいものです。そのため、皆さまが「こういった不安があります」と何でも遠慮なく話せるようにすることが大切だと考えています。治療も薬一辺倒ではなく、皆さまのご希望などもしっかりと把握した上で方針を立てていきたいと思いますので、どうぞ気兼ねなくご来院ください。