専門医が行う歯周病治療
歯周病とは
歯周病とは、歯を支える歯周組織である歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜のいずれかに障害のある状態をいいます。
歯周病のうち、歯肉に炎症が起こっている状態を歯肉炎(しにくえん)、他の歯周組織にまで炎症が起こっている状態を歯周炎(ししゅうえん)といいます。
一般的に歯周病と言われるのは『慢性辺縁性歯周炎』のことです。
歯周病専門医とは
「歯周病専門医」とは、特定非営利活動法人日本歯周病学会が、高度な専門知識と技術をもった歯科医師の養成、および歯科公衆衛生の向上を図るため、歯周治療を専門的に取り扱うに充分な技量と倫理観を有する歯科医師を認定する制度です。
厚生労働省の布告により、日本歯周病学会が認定した「歯周病専門医」については、広告等により、その公示が可能となった数少ない資格です。
厚生労働省のホームページはこちら
歯周病の進行
歯周病は次のように進行していきます。進行具合によって治療法が異なります。
歯周病の進行具合は、自己判断が難しいため、一度ご相談ください。
歯周病のリスクファクター
歯周病はプラークの中の細菌が原因であることが知られています。 しかし近年では、疾患を進行させる原因としては、他にも多くの要素が関わっていると言われるようになっており、それらをリスクファクターと呼びます。
上記以外にも様々な誘因があります。
歯周病と全身疾患の関係
歯周病の症状は、歯周病菌に対する免疫系が歯肉部分で過剰反応することで悪化していきます。通常、免疫反応は身体を守るために働くのですが、歯周病細菌が歯肉に刺激を与え続けると、歯周組織のマクロファージやリンパ球が産生する酵素類やサイトカイン類などが、局所(歯肉)に蓄積します。酵素類は、コラーゲン繊維などを切断・溶解する作用を持っています。サイトカイン類は、多彩な生理活性を示す炎症性サイトカインと呼ばれるタンパク質です。これらは、血液中に入っていろいろな全身疾患に悪影響を及ぼします。局所的に産生された炎症性サイトカインは、血液を介して全身疾患にも負の影響をもたらします。
最近の研究では、糖尿病、心臓血管病、低体重児出産・早産などが歯周病に関連する疾患とされています。また、肺炎、骨粗しょう症、腎炎、関節炎、発熱などへの関連も疑われています。
しかしながら、このことに関する研究成果や発表の多くは海外の疫学研究が拠りどころとなっており、日本では確証となる介入研究はまだ不足気味です。
治療の流れ
初診・カウンセリング
現在の症状、生活習慣をお聞きします。
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検査
お口の状況を正しく検査し、治療計画を立てます。
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歯磨き指導
患者さんの現在の歯磨き方法を見直し、最適な歯磨きを指導します。
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治療
◆スケーリング
◆スケーリング・ルートプレーニング
◆歯周外科処置
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再検査
再度お口の状態を検査します。
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メインテナンス
歯周病治療は治療後のケアがとても大切です。
継続的に定期検診やクリーニングをおこない、
良好なお口の状態を維持していきます。
歯周外科とは
歯周外科とは文字通り歯の周りの組織に対する外科的な処置のことです。
歯周組織には歯肉・骨・歯根膜・セメント質があります。歯周病によって破壊されたこれらの組織を外科的な処置によって形態修正や再生を促すことが目的です。
◎汚れが溜まりにくい環境を作れる
◎掃除しやすい環境を作れる
◎骨を増やすことができる
◎硬い健康な歯茎を増やせる
◎ある程度の痛みを伴う
◎治癒するのに時間がかかる(2~6ヶ月)
◎治療費が高額になる場合がある(材料により。基本は保険適用)
歯周再生療法
歯周外科の際に、生体の治癒力を効果的に引き出し、歯周組織を再生させるため歯周組織再生用材料という医療材料を使用します。 再生治療の適応となるケースは限られており、一般的には中等度の歯周病が対象となります。また、患者さんの年齢や体力、免疫力、御自身による歯磨きなどの努力により大きく左右されます。
エムドゲイン®法は、以下の手順で行います。
歯周ポケットの測定
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歯肉の切開・剥離
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歯根表面の清掃
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エムドゲイン®ゲルの塗布
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縫合
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メインテナンス
機能的な歯周組織を取り戻すまでには、数ヵ月から1 年程度かかります。(※歯周組織が再生する期間、および程度は個人差があり、歯周病の進行具合によっても異なります。)
その間、歯周病を再発させないために、メインテナンスにお越しいただきます。
歯周組織再生用材料に、GTR膜という特殊な膜を使用します。
エムドゲイン®ゲルが歯根膜のセメント質の再生を促進させるのに対し、メンブレンを挿入することにより歯根膜組織を歯根面に選択的に誘導し上皮組織と結合組織を排除することで、歯周病の炎症により破壊された骨組織やセメント質などの硬組織を新生させ、喪失した結合組織性付着の回復をはかる治療法です。
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