
理事長 院長
松井 さおり
取材日:2023年1月6日
松井 さおり先生(日本循環器学会認定 循環器専門医)にインタビュー
病気や治療法について丁寧に説明し、治療に前向きに取り組めるようサポート
初めに、高血圧症の治療を行ううえで大切にしていることを教えてください。
患者さまのご希望に合わせて治療方法を提案することを大切にしています。高血圧症の治療では内服薬を処方するのですが、お薬を飲みたくないという患者さまは多くいらっしゃいます。そのような方に対しては、まずは食事指導や運動指導をさせていただくなど、ご希望にできるかぎり応えるようにしています。
また、治療に取り組むことの重要性についてもしっかりと説明するようにしています。高血圧症は自覚症状がなかなか出ないこともあり、健診などで数値異常が見られても放置してしまいがちです。しかし、放っておくと脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる病気につながる危険性がありますから、初期の段階で治療することが重要です。説明時にはリスクを伝えるだけではなく、「治療をすることで元気な老後を迎えられますよ」などとお話しし、前向きに治療に取り組んでいただけるよう努めています。
また、治療に取り組むことの重要性についてもしっかりと説明するようにしています。高血圧症は自覚症状がなかなか出ないこともあり、健診などで数値異常が見られても放置してしまいがちです。しかし、放っておくと脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる病気につながる危険性がありますから、初期の段階で治療することが重要です。説明時にはリスクを伝えるだけではなく、「治療をすることで元気な老後を迎えられますよ」などとお話しし、前向きに治療に取り組んでいただけるよう努めています。
心筋症については、どのようなことに気を付けながら診療していますか?
心筋症は高血圧症よりも認知度が低いので、その分不安になる患者さまも多いように感じます。しかし、きちんと治療をしたり手術をしたりすれば快方が見込める病気なので、その点を患者さまやご家族に丁寧にお伝えするようにしています。
また、病気を早期に発見し、診断を付けて患者さまの不安を軽減するためにも、超音波検査には特に力を入れています。心エコーを用いて行いますが、脂肪はエコーを通りづらいので、肥満気味の方などは検査時の体勢を変えたりしながら、病変を見逃さないよう丁寧に調べるようにしていますね。検査の結果、心筋症の疑いがある患者さまには、確定診断を付けるため総合病院をご紹介します。紹介をスムーズに行えるよう、近隣病院の先生たちと日頃からコミュニケーションを取るようにしていることも、大切にしていることの一つです。
また、病気を早期に発見し、診断を付けて患者さまの不安を軽減するためにも、超音波検査には特に力を入れています。心エコーを用いて行いますが、脂肪はエコーを通りづらいので、肥満気味の方などは検査時の体勢を変えたりしながら、病変を見逃さないよう丁寧に調べるようにしていますね。検査の結果、心筋症の疑いがある患者さまには、確定診断を付けるため総合病院をご紹介します。紹介をスムーズに行えるよう、近隣病院の先生たちと日頃からコミュニケーションを取るようにしていることも、大切にしていることの一つです。
心不全が疑われる患者さまに対してはどのようなことを大切にしていますか?
病気のことをしっかりと説明し、理解していただくことですね。心不全は塩分制限や水分制限をする必要があり、患者さまにとって負担の大きい治療です。入院していれば食事などを厳しく管理することはできますが、退院後、患者さま自身で厳しく節制できるかと言うと難しいところです。そこを責め立てるのではなく、率先して治療に介入していただけるよう理解を促すことを大切にしています。
今後、高齢化が進むにつれて心不全の患者さまは増えていくでしょう。当クリニックで行える治療は限られていますが、心不全に対応しているお薬はたくさん出てきているので、アンテナを張り情報を適宜取り入れ、多くの患者さまの力になれたらと考えています。手足のむくみや息苦しさを感じた場合は、まずはご相談いただければと思います。
今後、高齢化が進むにつれて心不全の患者さまは増えていくでしょう。当クリニックで行える治療は限られていますが、心不全に対応しているお薬はたくさん出てきているので、アンテナを張り情報を適宜取り入れ、多くの患者さまの力になれたらと考えています。手足のむくみや息苦しさを感じた場合は、まずはご相談いただければと思います。
お世話になった医師に憧れ自身も同じ道へ。勤務医時代は心疾患の治療に尽力
医師を志したきっかけ、循環器内科を専門にした理由を教えてください。
私はもともとアトピー性皮膚炎を患っていて、幼少期から病院に通っていました。その際にお世話になった先生のように、私も誰かを助けられる人になりたいと思ったことが、医師を目指すようになったきっかけです。その後、循環器内科を専門に選んだのは、飛行機や電車などで「お医者さまはいませんか?」と言われたときにすぐに手をあげられるような医師になりたかったからですね。生命に直結する心臓について学ぶことが、多くの方の命を守ることにつながると考えました。
勤務医時代は、心不全や心筋症、狭心症などの患者さまに対して、血管を広げる治療をメインに行っていました。あるとき、心筋梗塞で運ばれてきた方の治療を行い、その方がようやく意識を取り戻した際、とても感謝されたことがありました。今でもその患者さまとはお手紙のやりとりがあります。そういった人と人とのつながりが、医師としてのやりがいの一つになっています。
勤務医時代は、心不全や心筋症、狭心症などの患者さまに対して、血管を広げる治療をメインに行っていました。あるとき、心筋梗塞で運ばれてきた方の治療を行い、その方がようやく意識を取り戻した際、とても感謝されたことがありました。今でもその患者さまとはお手紙のやりとりがあります。そういった人と人とのつながりが、医師としてのやりがいの一つになっています。
「日本循環器学会認定 循環器専門医」を取得してよかったことはありますか?
患者さまが医師を捜すうえでも、信頼関係を築くうえでも、「日本循環器学会認定 循環器専門医」を取得していることは一つの指標として役立っていると思います。私は新たに知識を取り入れることが好きなので、資格継続のために勉強が必要な環境に置かれることも、ありがたいと感じていますね。
開業前には、「日本内科学会認定 総合内科専門医」も取得しました。循環器領域だけでなく、内科分野の知識も持っておくことで、より多くの地域の方々をサポートできると思ったからです。浜松市東区和田町のホームドクターとして、皆さまのお役に立ちたいと考えています。
開業前には、「日本内科学会認定 総合内科専門医」も取得しました。循環器領域だけでなく、内科分野の知識も持っておくことで、より多くの地域の方々をサポートできると思ったからです。浜松市東区和田町のホームドクターとして、皆さまのお役に立ちたいと考えています。
先生が考える、開業医としての魅力があれば教えてください。
勤務医だと、治療をしたら終わり、患者さまが退院したらそこでお別れという状況がほとんどです。一方、開業医であれば診断から治療、その後のフォローまでを身近な環境でサポートすることができます。患者さまに十分に寄り添った診療がしたいという思いで開業しましたから、一人ひとりの患者さまと長くお付き合いできるこの環境にはとても魅力を感じています。
しかし一方で、最近は心苦しさを感じる場面もあります。コロナ禍になり発熱患者さまの対応に追われ、これまで通院してくださっていた患者さまの顔をなかなか見られなくなったことです。早く新型コロナウイルスが収束することを望んでいますし、当クリニックとしても、待ち時間対策や衛生管理に力を入れるなど、さまざまな工夫をしていきたいと考えています。
しかし一方で、最近は心苦しさを感じる場面もあります。コロナ禍になり発熱患者さまの対応に追われ、これまで通院してくださっていた患者さまの顔をなかなか見られなくなったことです。早く新型コロナウイルスが収束することを望んでいますし、当クリニックとしても、待ち時間対策や衛生管理に力を入れるなど、さまざまな工夫をしていきたいと考えています。
知識や情報のアップデートに努め、急性疾患から慢性疾患まで幅広く対応
循環器分野で注目していること、課題と考えていることはありますか?
これまで心疾患に対してはカテーテルによる治療が主流でした。しかし、今後IPS細胞の研究が進むことで今までよりも画期的な治療法が出てくると考えられます。そうなると私が学んできたことが今まで通り生かせないときがくるかもしれません。だからこそ新しい知識や情報は逐次取り入れ、時代の流れについていけるように努めています。
また、新しい薬や治療法が出てきていることで、心疾患による死亡者数は減っていくのではと予想できますが、何らかの理由で通院しなくなってしまったりご自身の判断でお薬をやめてしまったりして、突発的に亡くなる方も一定の割合でいるのが現状です。このような状況を減らすことを今後の課題とし、治療を無理強いするのではなく、患者さまが主体的に取り組めるような診療姿勢を提供し続けていきたいですね。
また、新しい薬や治療法が出てきていることで、心疾患による死亡者数は減っていくのではと予想できますが、何らかの理由で通院しなくなってしまったりご自身の判断でお薬をやめてしまったりして、突発的に亡くなる方も一定の割合でいるのが現状です。このような状況を減らすことを今後の課題とし、治療を無理強いするのではなく、患者さまが主体的に取り組めるような診療姿勢を提供し続けていきたいですね。
今後、先生が注力したい疾患やクリニックの展望について教えてください。
注力したい疾患は、やはり心不全ですね。高齢化によって心不全の患者さまは増えるでしょうし、私が専門的に学んできた分野で多くの方を救えるのであれば医師としての冥利に尽きます。そのためにも、新しい知識や情報のアップデートに力を入れていきたいと思っています。
またクリニックとしては、心疾患・循環器疾患などの急性疾患に対応することはもちろん、これまでの経験を生かして生活習慣病などの慢性疾患に悩む方のサポートにも力を入れていきたいです。
またクリニックとしては、心疾患・循環器疾患などの急性疾患に対応することはもちろん、これまでの経験を生かして生活習慣病などの慢性疾患に悩む方のサポートにも力を入れていきたいです。
最後に、このページを見ている方へメッセージをお願いします。
循環器疾患は早期に発見し、早期に治療を開始することが大切です。手足のむくみや息苦しさがある方、普段と何かが違うなと感じた方は「こんなことで相談していいのかな」とためらわず、気兼ねなくご相談にいらしてください。患者さまお一人おひとりとのつながりを強く持ち、地域のかかりつけのクリニックとして丁寧にサポートさせていただきます。