
平竹 晋也先生(日本小児科学会認定 小児科専門医)にインタビュー
未来あるお子さまの人生の前半に関わりたいという思いから小児科の医師に
医師を志したのは、高校時代のことでした。一般企業に会社員として勤めるのは、自分の性格には合っていないかもしれない、なにより、人相手の仕事がしたいと思い、学校の先生か医師になりたいと考え始めたのです。教員と医師で迷いましたが、いろいろ考えた末に、医師を目指すことにしました。
医師の中でも、小児科の道を志した理由は、これから先、未来のあるお子さまを診ることができる診療科目だという点に惹かれたからです。この後、長い人生を歩んでいくお子さまの人生の初期に関わることができるという点に魅力を感じたのです。
また、最近の医学は専門が細分化されていますので、成人を対象とする診療科目では、消化器内科であれば消化器を、呼吸器内科であれば呼吸器をというように、自身が専門とする臓器を中心に診るのが一般的かと思います。一方、小児科はお子さまの全身を診ます。そういったところにも魅力を感じて、小児科の医師の道へと進みました。
そのため、「日本小児科学会認定 小児科専門医」には、お子さまの疾患全般に対応できるような幅広い知識や経験が求められると思います。私自身もそういった視野の広さを身に付けるように努力してきました。
この場所で開業することにしたのは、ここで開業されていた先輩の先生が引退されるにあたりお声をかけてくださったからです。これもなにかのご縁と思い、引き継ぐ形で開業することにしました。
開業するにあたって、院内処方を取り入れたのは親御さまのご負担に配慮してのことです。お子さまを連れて、クリニック、薬局とあちこち回るのは大変だと思い、最初から院内処方にしようと決めていました。
勤務医時代、小児がんや白血病などの診療に従事し経験を重ねる
お子さまの場合、体重や個々の体力によって個人差はありますが、たとえば、生後6カ月まで、6カ月から1歳まで、1歳から3歳まで、3歳から小学校入学前までなどと、お子さまの年齢(時には性別)によって診る視点を変えて、その月齢・年齢に応じ、注意深く診察するようにしています。親御さまへの説明も、その年齢によって変わってきますね。
診療の際に特に注目するのは、熱があるかどうか、普段の様子と比べて元気があるかないかという2点でしょうか? 咳が出ていても、食欲があって遊ぶ元気があれば、とりあえずはさほど心配しなくても大丈夫な場合も多いと思います。一方、咳で夜もあまり眠れず、食欲も落ちて、機嫌が悪い、あるいは高熱が出るなどの状態であれば、ご相談いただきたいですね。
開業してからは、私の場合、命に関わるような重篤な疾患のお子さまを診ることは基本的にはなくなりました。それでも、勤務医時代の経験をふまえ、お子さまの病気がご家族に少なからず影響を与えてしまうということを常に頭に置き、診療にあたるよう努めています。
例えば、保育園に通っているお子さまが発熱すると、働いている親御さまは仕事を早退して保育園まで迎えに行かなければなりません。軽症、重症、その度合いに関わらず、どんな病気であっても、お子さまの病気はご家庭に少なからず影響を与えます。勤務医時代の経験から、お子さまを診るだけではなく、ご家族にも配慮しながら診療していきたいと考えています。
親御さまにも寄り添うことのできる「日本小児科学会認定 小児科専門医」
もちろん、今も関係者の皆さまがいろいろとやってくださっておられますが、今以上に、病気のお子さまを抱えた親御さまの負担を軽減するシステムが充実し、活用できるようになればいいと願っています。
(※)は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。自由診療となる場合もありますので、料金表をご確認ください。