一人ひとりの不安に親身に寄り添い、専門知識を生かした治療を提供する医師
院長
金子 良恵
取材日:2021年11月18日
金子 良恵先生(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医)にインタビュー
より近い距離で患者さまをサポートできることが、開業医であることの魅力
医師になることは、子どもの頃からの夢だったのでしょうか?
はい。皮膚科の医師である父の姿を見て育ったため、小さな頃から医師になりたいと思っていました。ただ、医学部で学んでいた頃は内科の医師を目指しており、皮膚科に進もうと決めたのは卒業してからです。内科をローテーションで勤務させていただく中で、湿疹などの皮膚疾患を併発される患者さまが多くいらっしゃり、そういった症状に対し素早く適した検査・治療をされる皮膚科の先生方を見て、皮膚科に興味を持ちました。治療の結果、症状が良くなったかどうかが目で見て分かる点も、皮膚科の魅力だと感じています。
勤務医時代の経験で、今につながっていることはありますか?
皮膚科の医師が一人しかいない、という環境の中で試行錯誤しながら診療経験を積めたことが、今につながっていると思います。当時は今のような臨床研修医制度がなかったため、特に医師になりたての頃は分からないことが多くありました。そのため、一日診療をした後に大学に戻って先輩に相談したり、自分でいろいろと調べたりと、一生懸命工夫しながら診療したことが開業した現在に生かされています。
また私は、皮膚リンパ腫の研究や、皮膚外科の専門的な手術などに興味があったのですが、結婚・出産などを考え、大学院には進まないという選択をとりました。その分、一般臨床経験を積むことができたこと、女性の患者さまに対しライフステージに寄り添った診療ができることは学びになったと感じています。
また私は、皮膚リンパ腫の研究や、皮膚外科の専門的な手術などに興味があったのですが、結婚・出産などを考え、大学院には進まないという選択をとりました。その分、一般臨床経験を積むことができたこと、女性の患者さまに対しライフステージに寄り添った診療ができることは学びになったと感じています。
開業の経緯や、先生が感じる勤務医時代との違いを教えてください。
開業をしたのは、以前一緒に働いていた先輩医師の方から物件のご紹介をいただいたことがきっかけです。当クリニックから少し行った場所にある物件だったのですが、この地域の落ち着いた雰囲気が気に入り開業することに決めました。その後、今の場所に移転したのですが、2階から1階になったことで、ベビーカーや車いすをお使いの方にもお越しいただきやすくなりました。
勤務医時代との違いは、より近い距離で患者さまのサポートができることです。患者さまの数が多い総合病院では、薬を3カ月分処方することなどは珍しくないのですが、今は「調子が悪いから一週間ごとに通います」と言ってくれる患者さまがいらっしゃったり、重症化した蕁麻疹の点滴治療のために毎日の通院をご提案したりと、より近い距離で患者さまを見守れます。
また、違いというわけではありませんが、近くの連携病院と信頼関係を築けているのはありがたいことだと感じています。「何かあったらすぐ受け入れますよ」とおっしゃっていただける医師の方々がいることで、必要に応じて専門医療機関をご紹介する際も、不安なくお任せすることができています。
勤務医時代との違いは、より近い距離で患者さまのサポートができることです。患者さまの数が多い総合病院では、薬を3カ月分処方することなどは珍しくないのですが、今は「調子が悪いから一週間ごとに通います」と言ってくれる患者さまがいらっしゃったり、重症化した蕁麻疹の点滴治療のために毎日の通院をご提案したりと、より近い距離で患者さまを見守れます。
また、違いというわけではありませんが、近くの連携病院と信頼関係を築けているのはありがたいことだと感じています。「何かあったらすぐ受け入れますよ」とおっしゃっていただける医師の方々がいることで、必要に応じて専門医療機関をご紹介する際も、不安なくお任せすることができています。
専門知識を生かして検査・治療を行うとともに日常生活のアドバイスにも注力
アトピー性皮膚炎の治療では、どのようなことを心がけていますか?
アトピー性皮膚炎は、早ければ乳児期から発症する慢性的な病気です。症状の出方は患者さまによってさまざまで、年齢を重ねることで症状が治まる方もいらっしゃれば、一度寛解したものの成人になって再度悪化する場合もあります。
当クリニックで大切にしているのは、患者さまのライフスタイルや治療に対するご希望などをお聞きし、その方に合った治療をご提供することです。アトピー性皮膚炎の悪化にはストレスの影響もあるため、急に悪化した方に対してはただお薬を処方するだけでなく、受験や就職といった生活の変化などをお聞きしています。
また、ステロイド薬に抵抗をお持ちの患者さまに対しては、ステロイド薬のご説明はもちろん、非ステロイド薬の処方も行います。日々のケアが大切なため、お薬の塗り方なども丁寧にお伝えしています。
当クリニックで大切にしているのは、患者さまのライフスタイルや治療に対するご希望などをお聞きし、その方に合った治療をご提供することです。アトピー性皮膚炎の悪化にはストレスの影響もあるため、急に悪化した方に対してはただお薬を処方するだけでなく、受験や就職といった生活の変化などをお聞きしています。
また、ステロイド薬に抵抗をお持ちの患者さまに対しては、ステロイド薬のご説明はもちろん、非ステロイド薬の処方も行います。日々のケアが大切なため、お薬の塗り方なども丁寧にお伝えしています。
俗に水虫やたむしとも呼ばれる白癬の治療は、どのように進めていきますか?
白癬の診療では、顕微鏡検査を欠かさないようにしています。白癬は、皮膚の表面であればどこにでも発症しうる病気であり、似た症状の別の病気も複数あるため、目で見ただけでは診断が難しい病気だからです。また、ご家庭での足ふきマットやスリッパからの感染のほか、犬や猫などから感染することもあります。患者さまからお話を聞くとともに、顕微鏡で白癬菌がいないかどうかを確認することで、正しく診断できるよう努めています。
治療に関しては、抗菌薬の処方のほか、生活におけるアドバイスにも力を入れています。「温泉やプールに行った後は、ご自宅でよく足を洗ってね」ということや、汗をかきやすい方には5本指ソックスで通気性をよくすることをご提案しています。また、スリッパは共用ではなく家族それぞれで分けるといったお話もするなど、症状改善だけでなく再発予防にもつながるご説明を心がけています。
治療に関しては、抗菌薬の処方のほか、生活におけるアドバイスにも力を入れています。「温泉やプールに行った後は、ご自宅でよく足を洗ってね」ということや、汗をかきやすい方には5本指ソックスで通気性をよくすることをご提案しています。また、スリッパは共用ではなく家族それぞれで分けるといったお話もするなど、症状改善だけでなく再発予防にもつながるご説明を心がけています。
マスク生活になり、ニキビでご来院なさる方は増えているのでしょうか?
そうですね。ニキビ(尋常性ざ瘡)は、毛穴のつまりと皮脂の分泌が多いことにより引き起こされる症状なのですが、マスクで覆われている部分にニキビができてお越しになる方が増えたという印象があります。当クリニックでは、9、10歳くらいのお子さまから、50代の方まで、幅広い年齢の方が治療にお越しくださっています。
治療の基本は、毛穴のつまりを改善する塗り薬と、アクネ菌の炎症に作用する抗生物質です。患者さま一人ひとりの症状の度合いや原因に合わせて処方しています。抗生物質を長く飲み続けることは、「耐性菌」と呼ばれる、薬が効かない菌の出現にもつながります。そのため、投与期間をできるだけ短くできるよう、食事や洗顔など日常生活においてのアドバイスも丁寧に行っています。また、毛穴にたまっている皮脂を押し出す「面皰圧出」という処置も行っています。ご自身でニキビをつぶしてしまうのは、炎症をひどくしてしまう恐れがありますので、ニキビが気になって触ってしまうという方はぜひご相談ください。
治療の基本は、毛穴のつまりを改善する塗り薬と、アクネ菌の炎症に作用する抗生物質です。患者さま一人ひとりの症状の度合いや原因に合わせて処方しています。抗生物質を長く飲み続けることは、「耐性菌」と呼ばれる、薬が効かない菌の出現にもつながります。そのため、投与期間をできるだけ短くできるよう、食事や洗顔など日常生活においてのアドバイスも丁寧に行っています。また、毛穴にたまっている皮脂を押し出す「面皰圧出」という処置も行っています。ご自身でニキビをつぶしてしまうのは、炎症をひどくしてしまう恐れがありますので、ニキビが気になって触ってしまうという方はぜひご相談ください。
より良い治療をご提案できるよう、新しい治療法についての学びを深める
クリニックとして、今以上に力を入れていきたいことはありますか?
皮膚科の治療に関しては「桜川よしえクリニックに行けば大丈夫」と思っていただけるよう、幅広い治療に対応していきたいと思っています。一般的な皮膚科の診療以外にも、例えば紫外線療法や金属パッチテストにも対応していますので、肌のお悩みがある際はぜひお越しください。外科的な皮膚の小手術にも対応しています。
また、当クリニックでは診療の際は医療クラークの方に同席していただいています。医療クラークとは、医師の事務的作業をサポートするスタッフのことです。クラークさんに同席していただくことで、問診や施術内容をより詳細にカルテに記載できるようになり、お薬の処方も抜け漏れなく行えるようになります。そういった工夫をすることで、お越しになる方々の待ち時間短縮や治療の充実度アップにつなげていきたいと考えています。
また、当クリニックでは診療の際は医療クラークの方に同席していただいています。医療クラークとは、医師の事務的作業をサポートするスタッフのことです。クラークさんに同席していただくことで、問診や施術内容をより詳細にカルテに記載できるようになり、お薬の処方も抜け漏れなく行えるようになります。そういった工夫をすることで、お越しになる方々の待ち時間短縮や治療の充実度アップにつなげていきたいと考えています。
皮膚科領域全体では、注目していることや注力していることはありますか?
年々新しいお薬が出てきているので、そういった情報の習得を怠らず、良いものは率先して取り入れていきたいと思っています。例えば、最近ではアトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤が出てきています。これまでの治療では思うような改善がなかった方にも作用が見込めるなど、メリットがある治療法です。コロナ禍でなかなか自由に出歩くことはできませんが、オンラインも活用するなどして、そういった新しい医療情報に関する研さんを積んでいきたいと考えています。
では最後に、皮膚科の医師として患者さまへメッセージをお願いします。
地域のかかりつけの皮膚科として、迅速な相談対応、処置、治療を心がけています。お肌や爪などにトラブルをお持ちの場合は遠慮なくご相談ください。
「日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医」として、皮膚に特化した、専門知識を生かした診療をご提供いたします。
「日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医」として、皮膚に特化した、専門知識を生かした診療をご提供いたします。