
渡邉 剛也先生(日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医)にインタビュー
産婦人科の医師であった父と同じ道へ。診察から出産まで一貫して対応
また、医療にはさまざまな診療科がありますが「症状が良くなってよかったね」ということはあっても、受診すること自体に「おめでとう!」と言えるのは唯一産婦人科だけですよね。そこも産婦人科の魅力のひとつだと感じます。
(※)は自由診療です。料金表をご確認ください。
日々実感することですが、医療というものは教科書には書いていないことの連続なんです。医学生時代から臨床研修時代を含めてたくさん勉強し経験をどんどん蓄積していくわけですが、なにか問題が生じた場合に、その蓄積を「頭の中の引き出し」から瞬時に引っ張り出す必要があります。自分がこれまで経験したことがないことでも、今までの記憶を辿って積んできた経験から考慮しながら判断しなくてはならない状況にも度々直面するのです。技術だけでなく、瞬発的な判断力や決断力のセンスも重要になる部分が多いと考えますが、正直そこには自負があります。ですので、難しい状況に直面し、それを乗り越えたときの達成感はひとしおですね。
当クリニックの強みの一つは、私自身がすべての妊婦様を把握できるように診療していることですね。当院ご出産の患者様に私自身が診察をしていない方はいません。どの妊婦様のことも私自身が連続的に診察することにより、小さな異変にも気付きやすく、妊娠合併症を来しそうな傾向があれば早期に改善方法を指導することが可能です。産科医療において、疾患を治療することはもちろんですが、そうならないように導いてあげることこそが、産科の医師として重要な務めだと思っています。妊婦健診(※)から一貫して妊婦様に関わりプライマリ・ケアを実践することが、「お節介焼き」の私の性分には合っているのかもしれませんね(笑)
ママに寄り添った診療。助産師による産後ケアも受けられます
私は大学医局時代に、妊娠と血流の関連性(バイオレオロジー)について研究をしており、その研究学位論文により医学博士号を取得しています。上記により、私は妊婦様への「水分摂取」の指導に力を入れております。こまめに水分を摂り、塩分を控える大切さを妊娠初期からシッカリと伝え、実践してもらうようにお話ししています。発症してから治療を始めるのではなく、合併症を引き起こさない様にハンドリングする、というところが肝要と考え日々妊婦様と向き合っています。
無痛分娩の麻酔は背中からカテーテル(麻酔のチューブ)を挿入する処置をしますが、その際に、妊婦様の不安を軽減できるよう愉しくコミュニケーションを取りながら素早く、かつ丁寧に施行しています。無痛分娩(※)のメリットは①陣痛増強時~分娩時の痛みが軽減されること②分娩時の余裕により赤ちゃんの出産感を感じられる③分娩後の縫合処置等の麻酔作用が十分なこと④妊娠中の出産に対する不安感恐怖感の緩和⑤分娩時の体力消耗が軽減されるなどの妊産婦様へのメリットが考えられます。
生活環境や育児に関するお悩みは人それぞれ異なりますし、他の人には聞かれたくない話もあるでしょうから、病室に産後ケアの専属スタッフが個別に出向き、1対1でお話を伺っております。出産・育児は、大変なことではありますが、ご夫婦ご家族にとってこんなに幸せなことはないはずです!「ツラいな」「キツいな」と感じてしまう前に、どうすれば良いのかわからなくなった時、キツい限界だと思った時、不安に思っていること、(ご家族の話なども)どんなことでも構いませんのでご相談ください。
スピーディーな診察に尽力。ご質問やご相談にはすべてお答えしています
また、入院時のお食事も愉しみにしていただきたく、入院中の方には食事に関するアンケートを記入していただいています。「病院の食事とは思えないくらい美味しい!」「バラエティーに富んでいて飽きない!」というお声を多数いただいています。このようなお声は、フレンチ出身の専属シェフやそれを助ける厨房スタッフ達のやり甲斐にも繋がっています。入院中の産婦様にとっては、お食事は大きな楽しみの一つでもありますから、季節に合わせたメニュー、新メニュー、更には流行を取り入れたメニュー等も「専属シェフ作(院長プロデュース)笑」で常に考案トライしてご提供しております。それから、開院当初より院内清潔美化には気を配って参りました。院内清掃に関しましては10 年以上前より清掃業務の専門業者に外部委託をしております。更に昨今のコロナウイルスの流行も鑑みて、院内各所に空気清浄機の増設、エアコンのフィルター清掃に加えて全館のエアコン分解洗浄作業を定期的に行っております。
当クリニックでは、立ち会い出産に対するご主人様への感染対策ルールを事細かく設定し、これを厳守してもらえれば立ち会い出産ができるように体制を整えました。他の入院患者様が不安にならないよう、ご主人様に対しては、ご出産に立ち会うためにお願い頂くことが多々ありますが、立ち合い出産ができることによって妊婦様やご家族にとって、ご出産をより良いものにできたらと考えています。
よく「診察が早くて質問するタイミングがない」と思われてしまうのですが、そうではありません。診察検査のあとは、毎回「何かご質問はありませんか?」とお声かけしておりますし、また、婦人科系の診察検査は時間をかけると女性の苦痛になりますので、よりスピーディーに完了するよう心がけているのです。私は、説明することとお話をすることが大好きですので、診療に対して、聞いてみたいこと、わからないことなどがあれば勇気を出してお尋ねください。不安に思っていることは、なんでも説明しますので、ご納得していただいた上でスタッフ一同、患者様ご家族様と一緒にお産を迎えることができたらと思います。