藤井 雅世先生(日本小児科学会認定 小児科専門医)にインタビュー
どんな症状でも困ったときに相談できる「プライマリケア」の実践
お子さまご本人の病気をただ診るのではなく、家庭の環境や親御さまが抱えておられる不安も含めて診療し、治療や助言ができるクリニックでありたいと思います。何か医療的な問題が起きたとき、まずは当クリニックに来てもらえる身近な存在となれるようにさまざまな症状やお悩みに対応していきます。
当クリニックでは、かぜなどの急性疾患やアトピー、喘息、花粉症などのアレルギー疾患、便秘・夜尿症の相談やお子さまの発達相談など幅広く対応しております。また、予防接種(※)や健康診断(※)、医療的ケアを受けられているお子さまを対象に訪問診療もおこなっており、必要に応じて外部の医療機関へのご紹介や連携を取りながら診療をいたします。
(※)は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。自由診療となる場合もありますので、料金表をご確認ください。
食物アレルギーや皮膚のトラブルのほか、お子さまの発達や発育の相談にも力を入れる
通年性や季節性のアレルギーなど、血液検査を行って原因となるアレルゲンのことをきちんと把握したうえで、治療を進めていきます。お薬の処方のほか、根本的な体質改善を目指した舌下免疫療法にも対応しています。
食物アレルギーは、血液検査だけではなく食物経口負荷試験を行って、アレルギーが疑われる食品を確定するようにしています。お子さまが小さいうちは食物アレルギーをむやみやたらと恐れて、危険かもしれない食べ物を何でも避けているというご家庭もあるのですが、すべて避けるのではなく、本当に危険な物と食べられそうな物とをきちんと分別して、食べられる物を増やしていくことも大切です。また、高校生、大学生になるまで、四六時中親御さまがお子さまの傍に付いていてあげることはできませんので、ご本人にもきちんと説明する必要がありますね。
治療の際、外用薬においては塗る量や塗り方が大切です。同じように説明をしても、親御さまによって伝わり方は個人差があります。まず、「このように塗ってください」とご説明をしてから、ご自宅で実践していただいた後、次の診察の際に、お薬がどれぐらい残っているのかを確認します。お薬の残量から塗る量が少ないと推測される場合には、「塗る量を増やしましょう」とフィードバックさせていただくようにしています。ケースバイケースで、親御さまに合わせたご説明をすることが多いですね。
アトピー性皮膚炎の治療は、部位によって塗る薬を変えるようなことは避けて、患者さまの負担にならないようにできるだけシンプルに行うことを心がけています。症状によっては、ステロイド外用薬が必要な場合もありますので、その必要性についてもご説明するようにしています。
臨床心理士の資格を持つスタッフもおり、精神面の発達に関する検査も院内で対応可能です。身体面の発達に関しては、股関節エコー検査(※2)を行っています。私のできる範囲のことであれば当クリニックで対応させていただきます。また、当クリニックでは、ハンディキャップをお持ちのお子さまの在宅医療に対応しているため、病診連携のほか、訪問看護ステーションや、療育施設、学校や幼稚園との連携など、地域の施設との連携も行っており、さまざまな連携によって地域のお子さまの発育をサポートしていきたいと考えています。
お子さまに関して何か気になることがあれば、気兼ねなく何でもご相談いただきたいです。
(※1)は、お住まいの市区町村によっては補助制度を利用できます。自由診療となる場合もありますので、料金表をご確認ください。
(※2)は自由診療です。料金表をご確認ください。
お子さまの気持ちを想像すること、ご家族の気持ちに寄り添うことの大切さ
診療でお子さまと接する時には、自分が子どもだった時のことを思い出して、「こんな気持ちなのではないか?」と想像し、不安のないように直接お声がけをするよう心がけています。また、親御さまもさまざまな不安を抱えていらっしゃり、心配ごとの強弱は人それぞれです。お悩みに寄り添ってご相談に乗り、不安を軽減できるような説明をさせていただくように心がけていますね。
自分自身も子育てを経験していますので、働きながら子育てをされることの大変さは理解できるのではないかと思っていますが、最近は、特に忙しい親御さまが増えていらっしゃると感じますね。そうした中で、周囲に頼れる人や相談できる相手がいないとどんどん不安が大きくなってしまいます。
親御さまが、不安なことを何でもご相談いただけるようなクリニックでありたいと考えています。スタッフを含めクリニック全体でお力になれるように、今後も努めていきたいと思います。