検診・人間ドック｜日野市立病院

予防医学に対してはさまざまな情報が昨今取り沙汰されています。私は専門分野が外科なので、特にがんについての予防医学については、小学生から大人まで積極的に取り組んでいます。例えば小学生であればたばこの危険性や食生活について授業でおこない、大人であれば小学生を通じて、親世代、祖父母世代に、健康診断を毎年受けるようお勧めしています。

当院ではリピーターの方がほとんどを占めています。受診者の年代は疾患によって異なりますが、乳腺は６０～７０代の方が多いです。がんを見つけて治療に至る人の中には４０代の方もいますし、胃がん検診や大腸がん検診に来られる方は６０代を中心にして、７０代８０代の方もいます。会社からの社内検診や特定健診の方など若い方も来られるので、健康意識は高いように感じます。

生活習慣病を中心に、若いうちから疾患にかかりやすくなりますので、４０代から始めていただければと思っています。健康診断というと苦手意識が高くなかなか先延ばしになりがちですが、当院で行う胃カメラは苦しくならないように麻酔をかけるなどの工夫をしています。また、大腸カメラも恥じらいをなくすため女性患者さまには女医を担当させたりするなど、リラックスしておこなえるよう工夫をしていますので、年に一回は受診していただけるとうれしいです。

当院ではすべての方に医師が必ず説明をおこなっています。そしてその場で分からないことを質問していただき疑問解消やいい治療方法を一緒に考えていく事が大切だと思っています。そのうえで当院をご希望される方にはそのまま治療に進んでいただきますが、他院に移動したいと希望があった場合には診療情報提供書とCDをお渡ししております。

もちろん院内感染の予防や検査室へのスムーズな案内、検査スペースの確保などメリットはたくさんあります。市民の健康を守るためには単に治療するだけでなく、予防医学に取り組む姿勢が大切だと考えていますので、別個の施設にすることは非常に重要です。医療者として、予防医学ならびに治療という二つの段取りをしていくのが使命だと思っています。

毎年検診を受けに来る方は、健康に非常に自信を持っています。そして検診を受けない人ほど健康に自信がない方が多いです。健康に自信を持つという事は、自信を持った社会生活を送れますので非常に大事な人生のポイントだと思います。健康診断は病気を見つけるものではなく、健康を確認するためのものだということを常に念頭に置き受診いただければと思います。

当院ではほとんどが経口内視鏡で対応しています。経鼻内視鏡は鼻腔（びくう）の損傷が見受けられ、それにより耳鼻いんこう科に通院することになってしまった方もいるため、できれば経口内視鏡で受診いただくよう推奨しています。経口内視鏡をした際におこる嘔吐（おうと）反射に関しては、少しでも軽減できるように外科の医師として日々検査技術の努めに励んでいますので、安心してご受診ください。

画像検査は、放射線科の担当医と脳外科医でのダブルチェック体制でおこなっています。診療と同じような視点で、病気を探す事に集中し丁寧に時間をかけて読影をしていますし、専門知識を持った医師が対応する事でより病気の早期発見につながります。読影は検査において非常に大切ですし、患者さまの不安な気持ちを取りのけるよう努めています。

毎週金曜日に結果説明の日を設けていますので、予約を取っていただきます。その際にも丁寧にわかりやすい説明を心掛けていますので、患者さまの不安な気落ちを取りのけるよう努めています。受診日当日に例えば血液検査で異常値が出たり、磁気共鳴画像装置（ＭＲＩ）で異常が見えた場合には、緊急性があるという事で早急にご連絡をし対応させていただいています。

われわれは、がんの早期発見を大事な目標にしております。多くの疾患の中でも、早期発見する事で予後が大きく変わってくる治療作用が高い疾患だからです。ぜひ年に１度、健康診断のための日を設けていただき、健康体であることを毎年確認しながら毎日を楽しく生きて、社会貢献をしてください。みなさまのご受診をスタッフ一同お待ちしております。